【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく

たまこ

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それからのこと。

35(エドモンドside)

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 エドモンド第二王子には、十歳の頃から、公爵令嬢のシャーロットを始めとした三名の王子妃候補がいた。



 元来、正義感が強く穏やかな性格だったエドモンドは、三名の王子妃候補と分け隔て無く仲良く過ごしていた。



 しかし、ある時国家間の交流を深める為の茶会で、優しい微笑みが美しい隣国の王女、ステファニーに目を奪われた。


(シャーロット達が、辛い思いをして王子妃教育を受けているのに、他の女性を想うなど•••。)


 そう思えば思う程、ステファニーへの想いは募っていた。誰にも気付かれないように装うのに必死だった。




◇◇◇



 六年前、政治的背景からエドモンドとステファニーの婚約話が持ち上がった。婚約が決まった場合、確実にシャーロットを傷付ける状況になるにも関わらず、エドモンドの心には、仄暗い想い、ずっと想っていたステファニーと結ばれるかもしれない、という期待が占めていた。




 何度もそんな想いを振り落とそうと、国の為にと王子妃候補に残ってくれたシャーロットに誠実であろうと努力した。シャーロットだって、自分に対して恋慕の情を抱いてはいないだろう、だがいつも王子妃候補らしく自分を大切にしてくれていた。それに報いるよう努めていた。





 三年前、エドモンドとステファニーの婚約が結ばれた。エドモンドは罪悪感から、シャーロットへ何か出来ないか何度も尋ねた。しかし。


「殿下が私の為に何かしたい、と心を砕いて下さっているのなら、どうか幸せになって下さい。戦友が幸せであることが、私の幸せなのです。殿下がお幸せであることを、心よりお祈り申し上げます。」



 シャーロットは、最後にそう言った。大事な幼馴染であり戦友だと、シャーロットが言っていたように、エドモンドもシャーロットをそう思っていた。そんな大切な存在を行き遅れにしてしまい、自分だけがおめおめと想い人と結ばれるなんて、許されるのだろうか。シャーロットが最後に見せた微笑みが何度も頭を散らつき、心がじくじくと痛んだ。








◇◇◇



※注:初恋を拗らせていたのは、シャーロットだけでは無かったようです。

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