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しおりを挟むアメリアが自室のベッドの上でぱちりと目を覚ますと外はもう真っ暗だった。毎晩催されている夜会がもう始まっているのだろう。アメリアの部屋にも華やかな音楽が小さく聞こえてきた。ぼんやりしながら辺りを見渡すとアメリアの専属侍女ミリーが部屋を整えている背中が見えた。
「……ミリー」
「お嬢様。お目覚めになりましたか」
「私……どうして」
「レイナルド殿下とお話し中にお眠りになったとか」
ミリーの言葉にアメリアは漸く全てを思い出し青褪めた。レイナルドの前で子どものように……実際子どもなのだが……わんわんと大泣きしてしまい、あまつさえ泣き疲れて眠ってしまうなんて。レイナルドだって流石に呆れてしまっただろう。アメリアの大きな瞳にじわりと涙が滲んだ。そんなアメリアの想いを知ってか知らずかミリーは何でもないことのようにさらりと更に驚愕の事実を告げた。
「ああ、ベッドまではレイナルド殿下がお運びになられましたよ」
「えっ……!?レイ様が?!」
「ええ、奥様は人を呼ぶとお伝えしたようですがね。殿下が自分が運ぶからと仰ったとか」
アメリアの顔は赤くなったり青くなったりと忙しい。重くなかっただろうか、口を開けたまま眠っていなかっただろうか、そんな不安と共に、レイナルドが抱き上げてくれたことの嬉しさが沸き上がりアメリアの胸中はぐちゃぐちゃになっていた。
「あと、レイナルド殿下よりお預かりしました」
ミリーより手渡されたメッセージカードを見てアメリアは目を見開いた。
『またすぐ会いに来る。今日は世話になった』
素っ気なく書かれたその文字を見て、滲んでいた涙がぽたりと零れた。この短い文章を綴るのに彼がどれほど頭を悩ませたかアメリアはよく知っていた。
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