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「そんなの、絶対!ぜっっったいに嫌ですわ!!」
クラウディアは叫び続けた。
「ク、クラウディア嬢?」
「わ、私、初めてテオドール様とお会いしてから、ずっとお慕いしておりました。」
「は?」
テオドールは耳を疑った。だが顔を真っ赤にして話し続けるクラウディアが嘘をついているとは思えない。
「もう二度とお会いできないと思っていました。それが、今日お会いできて、婚約まで出来たのです!私、絶対に婚約破棄なんて致しません!」
「クラウディア嬢、君は確か十八歳だったな。私はもう四十六だ。君の倍以上、年が違うんだぞ。」
「そのくらいの年齢の方が、好みなのです!」
「クラウディア嬢……君は、甥から急に婚約破棄をされて、自暴自棄になっているんだ。」
テオドールは、呆れた口調で言った。
「いいえ。レジナルド殿下との婚約破棄のことは、随分前から知っておりました。」
「な……。」
◇◇◇◇
クラウディアがレジナルドから暴言を吐かれ、騎士団訓練所で見学していたあの時。
「クラウディア様。」
後ろを振り向くと、一人の令嬢が立っていた。
「私、きっとクラウディア様のお役に立てますわ。」
可愛らしく微笑む彼女は、アネット=ウィルキンソン侯爵令嬢だった。
この時は、アネットとレジナルドは深い関係ではなかった。だが、アネットはレジナルドに想いを寄せているという。クラウディアは一ミリも理解できなかった。だが、アネットは、クラウディアとは違う方向に拗らせていた。
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「へ?」
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「無能な男が私無しでは生きていけなくなる様子が大好物なのですわ。」
アネットの嗜好は全く理解できなかったが、アネットの拗らせ具合を知ったクラウディアは、安心して自分の嗜好―――イケオジ沼について語った。体格の良い、ガサツな、熟された男たちへの愛を語っているクラウディアを、アネットは引いた目で見ていたが……ともかく二人は分かりあうことができた。
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