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しおりを挟むウィリアムは、カレンが流した涙をハンカチで丁寧に拭った。
「・・・カレンは、どうして俺に好きな人がいるなんて思ったの?」
カレンの呼吸が整った頃、しょんぼりと寂しそうにウィリアムは尋ねた。
「だ、だって・・・!」
「だって?」
「・・・今日、ケリーといたでしょう。二人とも楽しそうだったし・・・あの夜のことが無ければ、ウィリアムは私となんて婚約を結ばなくて良かったのにって、私がウィリアムを縛ってしまっているんだって、そう、思って・・・。」
はぁ~~と大きく長い溜め息をついたウィリアムは、カレンを抱き締める腕に力を込めた。俺が悪いな、と小さく呟く声が聞こえた。
「ウィリアム?」
「・・・ケリー嬢には、昔からカレンの好きな物を教えて貰っていたんだ。小説とか、花とか、食べ物とか・・・。」
恥ずかしそうに目を伏せて話すウィリアムを見て、カレンは目を丸くした。だから好きな花を贈ってくれたり、観劇の題目もカレンが好きな小説のものだったのか。それに、ウィリアムと呑みに行く場所はいつだってご飯が美味しい場所だった。
「そ、そうだったの・・・じゃあ、ケリーのことは好きじゃないの?」
「うん、俺はカレンが好きなんだよ。」
ウィリアムに繰り返し愛を囁かれ、カレンは漸く自分の勘違いに気付き顔を熱くした。勝手に思い込んで、勝手に泣いて、勝手に駄々を捏ねて。恥ずかしさから、ウィリアムの肩口に顔を埋めて、ごめんね、と小さく謝る。ウィリアムは首を振り、カレンの頭を撫でた。
「・・・妬いてくれたんだよね?」
「ち、ちがっ!」
耳元で囁かれ、声を上げた。至近距離で視線がぶつかると、ウィリアムは嬉しそうに微笑み、カレンは鼓動が早くなるのを感じた。
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