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悪魔の力を借りましょう
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◇◇◇◇
長々とお休みしてしまい申し訳ありません。のんびり再開させていただきます。宜しくお願い致します!
◇◇◇◇
「ククク……可愛いなぁ。」
必死で頭を下げる私の頭の上に降ってきたのは、揶揄うようなロバート様の声だった。
「え、えっと……ロバート様?」
「ふふん、いいよ。教えてあげる。」
「いいんですか!」
「うん。可愛い頑張り屋さんは大好きなんだ。」
ロバート様は、自分の鼻を私の鼻に近づける。もう後少しで、鼻同士が触れそうになった瞬間、ジルが割って入った。
「やめろ。」
「もう、ジルは怖いなぁ。」
ジルはぎゅっと私を抱き締める。私の激しくなった動悸が、ジルに聞こえてしまいそうで恥ずかしい。ロバート様はヘラヘラと笑いながら、私から離れた。
そして、ジルは私を守る為に、ロバート様へ私がこちらの世界にきた経緯を説明してくれた。
「それでこんな不思議な魔力なんだね。これから教えるのが楽しみだ。」
にっこりと笑ったロバート様を見て、私は味方が一人増えたと思えてホッとした。
◇◇◇◇
家に戻ると、テトは張り切って結界魔法を掛けに出掛けた。
「ロバートさまに、ほめられたからね!もっとがんばるんだ!」
テトのふわふわの尻尾をぴょこぴょこさせて、やる気を見せていた。
そして、私とジルはと言うと……。
「あ、あのー……ジル?」
「何?」
ジルは機嫌悪そうに聞き返した。
「そろそろ離してほしいな~。」
「駄目だ。消毒してるから。」
ロバート様の部屋から戻ってからずっと、ジルは私をぎゅうぎゅうに抱きしめていた。ロバート様が近くて嫌だったとハッキリ伝えられ、私は身体中熱くなった。
「ジル。私、頑張るね。」
「サチ。」
「私、ジルとテトと居られるのが、一番幸せなの。だから頑張りたい。」
ジルは何も言わずに、自分の顔を私の顔に擦り付けてきた。ジルのふわふわの毛が擽ったくて、そして幸せだった。
長々とお休みしてしまい申し訳ありません。のんびり再開させていただきます。宜しくお願い致します!
◇◇◇◇
「ククク……可愛いなぁ。」
必死で頭を下げる私の頭の上に降ってきたのは、揶揄うようなロバート様の声だった。
「え、えっと……ロバート様?」
「ふふん、いいよ。教えてあげる。」
「いいんですか!」
「うん。可愛い頑張り屋さんは大好きなんだ。」
ロバート様は、自分の鼻を私の鼻に近づける。もう後少しで、鼻同士が触れそうになった瞬間、ジルが割って入った。
「やめろ。」
「もう、ジルは怖いなぁ。」
ジルはぎゅっと私を抱き締める。私の激しくなった動悸が、ジルに聞こえてしまいそうで恥ずかしい。ロバート様はヘラヘラと笑いながら、私から離れた。
そして、ジルは私を守る為に、ロバート様へ私がこちらの世界にきた経緯を説明してくれた。
「それでこんな不思議な魔力なんだね。これから教えるのが楽しみだ。」
にっこりと笑ったロバート様を見て、私は味方が一人増えたと思えてホッとした。
◇◇◇◇
家に戻ると、テトは張り切って結界魔法を掛けに出掛けた。
「ロバートさまに、ほめられたからね!もっとがんばるんだ!」
テトのふわふわの尻尾をぴょこぴょこさせて、やる気を見せていた。
そして、私とジルはと言うと……。
「あ、あのー……ジル?」
「何?」
ジルは機嫌悪そうに聞き返した。
「そろそろ離してほしいな~。」
「駄目だ。消毒してるから。」
ロバート様の部屋から戻ってからずっと、ジルは私をぎゅうぎゅうに抱きしめていた。ロバート様が近くて嫌だったとハッキリ伝えられ、私は身体中熱くなった。
「ジル。私、頑張るね。」
「サチ。」
「私、ジルとテトと居られるのが、一番幸せなの。だから頑張りたい。」
ジルは何も言わずに、自分の顔を私の顔に擦り付けてきた。ジルのふわふわの毛が擽ったくて、そして幸せだった。
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