【完結】猫界一の美女。

たまこ

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悪魔の力を借りましょう

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 ジルとテトと共に、ロバート様のいる魔術騎士協会の会長室へ転移した。


「ジル、随分と可愛い子連れてるじゃないか」


 真っ黒な黒猫、王家の証である金色の首輪を身につけたロバート様が、私をニヤニヤと舐め回すように見ている。


「ロバート、止めろ。サチが穢れる。」

「助けて欲しいって言うから時間作ったのになぁ」



 ニヤつきながら見ることは止めず、ロバート様は話し続けた。



「不思議な子だねぇ。これが聖女なのか。最近ジルが纏っていた魔力もこの子だね。」

「ロバートさま、そろそろジルがばくはつしちゃうよ。」



 ロバート様は、ちらりとジルを見て、やっと舐め回すように見ることを止めてくれた。

「テトも魔力がすごいことになってるなぁ。テトの結界魔法、なかなかだぞ。」


「へへへ。やったぁ!」

 テトは嬉しそうに尻尾をぴょこぴょこさせた。


「じゃあ、本題。ジルの家より、王家うちに来なよ。そしたら殆どの事は解決すると思うけど?」


「な…ロバート!」

「ジル、待って!」

 ジルは今にもロバート様に掴み掛かりそうだ。毛を逆立て、いつもの優しい目ではなくて、怒りのこもった視線をぶつけている。


「ジルも分かっていたと思うけど?この子、こ~んな力持ってるんだから、王家うちの方が安全でしょ。サチちゃんはどう思う?」


 急に話を振られ、緊張してしまう。胸がドキドキしてきた。だけど、言わないと。

「わ、私は、ジルとテトと一緒にいたいんです。そのせいで危ないことに巻き込んでしまうかもしれない。だから私が守れるように力をつけたいんです。お願いします!力を貸して下さい!」


 ガバリ、と頭を下げる。ロバート様の返事を待つ間、心臓が飛び出そうになった。



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