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第2章 マジックフェスティバル
【78話】 クラックの覚悟
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あーあ、負けちまった。
地面にうつむせで倒れながら自分が敗北した事を認める。
体の向きを変えて仰向けになり、清々しいほどに青い空を見つめる。
たしかに俺は彼に全力を出して負けた……でもそこに一切の恨みはない。
はじめての事だった、敗北したけど清々しい気持ちになったのは。
「立てるか?」
倒れている俺にユウトは手を差し伸べる。
「いや、大丈夫だ」
そう言って俺は1人で立ち上がり彼と真正面で向き合う。
「優勝おめでとう」
と彼に一言伝える。
「ありがとう、いい勝負だった!」
彼は笑顔で応える。
その顔には悪意はなく、ただあの勝負が本当に楽しかったという気持ちが伝わってくる。
全く、こいつには敵わないな。
「痛てて……」
ユウトが悶絶しながら体を抑えてその場に座り込んだ。
「体のそこら中が痛てぇ……」
試合での痛みが今になって出たのか、全く仕方のない……
ズキンッ
「痛っったぁぁ!」
俺の全身に痛みが走った。
どうやら俺にも試合での痛みが今になってきたようだ。
そして俺たちは医務室へと運ばれた。
何故か俺たちのベッドは隣同士でカーテンを間に挟んだだけだった。
「まったく、なんで俺たちを隣同士にするのかね?」
文句ありげにユウトに向かって俺は言った。
「まぁそう言うなよ」
どうやら閉会式は俺たちの傷が治ってからだそうだ。
といっても、魔法を使えばものの数分治るだろう。
けれど今は他の奴のところに行っているからか医者がいない。
今はユウトと2人っきり、他の人には話せないような事も言える。
だから俺はユウトの事を信頼して話を始める。
「俺は元々、体が弱くてな」
もちろんユウトにとってはどうでもいい事かもしれない、でも俺は話を続けた。
「このマジックフェスティバルが終わったら手術をする予定なんだ。成功する確率は低い失敗したら俺は死ぬかもしれない。成功しても今までのように動けるかはわからない」
俺の事情、体の事、手術での成功確率、成功したとしても元の生活に戻れるか。
「俺は……怖いんだ、手術を受けて今までの生活が全部なくなるって……」
これは誰にも明かしたことが無かった俺の弱みだ。
不安で声を震わせながら、ユウトがいる方向のカーテンをみる。
「……これは俺の勝手な意見だけど、俺はクラックは大丈夫だと思うよ。」
ユウトはゆっくりと話し出した。
「クラックは強いから、手術には失敗しないと思う」
「でも、少なくとも俺はお前よりは弱いだろ」
ユウトの話に彼に負けた俺は少し卑屈な返しをした。
「戦闘とかでの強さじゃない。お前はそんなになってまで試合に出て来ただろ」
「それは……お前と戦いたかったから……」
「その思いが強かったからお前は最後まで戦えたんだろ?それだって強さだ。俺なら耐えられないよ」
「そう……かな?」
ユウトの話に俺はどこか思うところがあった。あの試合の途中で発作が起きた。
それでもユウトと全力で戦いたいとそう思ったからその発作を抑えて戦えていたんだ。
「あぁそうだ、俺が保証するよ。お前は大丈夫だ」
ユウトのその言葉に少しだけだが手術を受ける勇気が出てきた。
「お前がそう言うなら信じてみるよ。もし……俺が病気を治したらまた戦ってくれるか?」
「その時にはもう元の世界に戻ってるかもしれないぞ?」
「その時はその世界まで追いかけるよ」
俺たちはその後も話し合って、そして笑いあった。
ただ1人のライバルとして、友人として。
◇ ◇ ◇
「クラック!!」
医務室から出た俺の元にリリノがやってきた。
「あの……その……昨日のなんだけど……」
何か言いづらそうに、体をモジモジとさせながら俺の顔を見ている。
何が言いたいかはわかる。
俺が病気だという事をユウトに教えた事を悪く思って謝ろうとしているのだろう。
それでもリリノのその行動は俺を思っての行動だ、むしろ謝るべきは……
「すまなかったリリノ」
リリノより先に頭を下げ、謝る。
リリノは状況が理解できなくて困惑しているようだ。
「今まで俺の事を心配してくれて本当に感謝してる。ありがとう」
今まで彼女は俺がどんな時であっても、心配して支えてくれたのだ。
だから俺は……覚悟を決めて。
「好きだ……リリノ」
だから今度はこっちが誠意を見せる番だ。
俺が彼女に今ま出来る事をしてあげたいと思ったのだ。
地面にうつむせで倒れながら自分が敗北した事を認める。
体の向きを変えて仰向けになり、清々しいほどに青い空を見つめる。
たしかに俺は彼に全力を出して負けた……でもそこに一切の恨みはない。
はじめての事だった、敗北したけど清々しい気持ちになったのは。
「立てるか?」
倒れている俺にユウトは手を差し伸べる。
「いや、大丈夫だ」
そう言って俺は1人で立ち上がり彼と真正面で向き合う。
「優勝おめでとう」
と彼に一言伝える。
「ありがとう、いい勝負だった!」
彼は笑顔で応える。
その顔には悪意はなく、ただあの勝負が本当に楽しかったという気持ちが伝わってくる。
全く、こいつには敵わないな。
「痛てて……」
ユウトが悶絶しながら体を抑えてその場に座り込んだ。
「体のそこら中が痛てぇ……」
試合での痛みが今になって出たのか、全く仕方のない……
ズキンッ
「痛っったぁぁ!」
俺の全身に痛みが走った。
どうやら俺にも試合での痛みが今になってきたようだ。
そして俺たちは医務室へと運ばれた。
何故か俺たちのベッドは隣同士でカーテンを間に挟んだだけだった。
「まったく、なんで俺たちを隣同士にするのかね?」
文句ありげにユウトに向かって俺は言った。
「まぁそう言うなよ」
どうやら閉会式は俺たちの傷が治ってからだそうだ。
といっても、魔法を使えばものの数分治るだろう。
けれど今は他の奴のところに行っているからか医者がいない。
今はユウトと2人っきり、他の人には話せないような事も言える。
だから俺はユウトの事を信頼して話を始める。
「俺は元々、体が弱くてな」
もちろんユウトにとってはどうでもいい事かもしれない、でも俺は話を続けた。
「このマジックフェスティバルが終わったら手術をする予定なんだ。成功する確率は低い失敗したら俺は死ぬかもしれない。成功しても今までのように動けるかはわからない」
俺の事情、体の事、手術での成功確率、成功したとしても元の生活に戻れるか。
「俺は……怖いんだ、手術を受けて今までの生活が全部なくなるって……」
これは誰にも明かしたことが無かった俺の弱みだ。
不安で声を震わせながら、ユウトがいる方向のカーテンをみる。
「……これは俺の勝手な意見だけど、俺はクラックは大丈夫だと思うよ。」
ユウトはゆっくりと話し出した。
「クラックは強いから、手術には失敗しないと思う」
「でも、少なくとも俺はお前よりは弱いだろ」
ユウトの話に彼に負けた俺は少し卑屈な返しをした。
「戦闘とかでの強さじゃない。お前はそんなになってまで試合に出て来ただろ」
「それは……お前と戦いたかったから……」
「その思いが強かったからお前は最後まで戦えたんだろ?それだって強さだ。俺なら耐えられないよ」
「そう……かな?」
ユウトの話に俺はどこか思うところがあった。あの試合の途中で発作が起きた。
それでもユウトと全力で戦いたいとそう思ったからその発作を抑えて戦えていたんだ。
「あぁそうだ、俺が保証するよ。お前は大丈夫だ」
ユウトのその言葉に少しだけだが手術を受ける勇気が出てきた。
「お前がそう言うなら信じてみるよ。もし……俺が病気を治したらまた戦ってくれるか?」
「その時にはもう元の世界に戻ってるかもしれないぞ?」
「その時はその世界まで追いかけるよ」
俺たちはその後も話し合って、そして笑いあった。
ただ1人のライバルとして、友人として。
◇ ◇ ◇
「クラック!!」
医務室から出た俺の元にリリノがやってきた。
「あの……その……昨日のなんだけど……」
何か言いづらそうに、体をモジモジとさせながら俺の顔を見ている。
何が言いたいかはわかる。
俺が病気だという事をユウトに教えた事を悪く思って謝ろうとしているのだろう。
それでもリリノのその行動は俺を思っての行動だ、むしろ謝るべきは……
「すまなかったリリノ」
リリノより先に頭を下げ、謝る。
リリノは状況が理解できなくて困惑しているようだ。
「今まで俺の事を心配してくれて本当に感謝してる。ありがとう」
今まで彼女は俺がどんな時であっても、心配して支えてくれたのだ。
だから俺は……覚悟を決めて。
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