やさしい異世界転移

みなと

文字の大きさ
82 / 268
第3章 パゼーレ魔法騎士団

【81話】 対談

しおりを挟む
 ひったくり犯を他の騎士団の人に任せてディーオンは俺を誘って近くのカフェ的な場所に連れていってくれた。

「マジックフェスティバル、優勝おめでとう、いい試合だったぞ」

 紅茶のようなものを片手にディーオンは語り出す。
 
「あの会場にいたんですか?だったら声かけてくれてもよかったのに……」

 少し不機嫌そうに言い、俺はお茶に手をかける。

「すまない、こっちも忙しかったんだ」

 ディーオンは少し申し訳なさそうに話す。

「どんな事やってたんです?」

 その時俺は、ディーオンの仕事について興味を持っていた。

「ん?まぁセリティアの護衛、それとまぁ怪しい奴を捕まえたりだとかな」

 そのディーオンの言葉を聞いて、俺の脳裏にとある考えが浮かんだ。

「あの……俺がいた学園……廃校になるんですけど……」

 ゆっくりと俺は学園廃校の事を話す。

「あぁ聞いてるよ。あの時、俺が他の都市に遠征に行ってなきゃこんな事にはならなかっただろうにな」

 ディーオンは悔いのあるような表情を浮かべる。

「だから俺……学園が廃校になった後、ディーオンのいる魔法騎士団に入ろうと思うんだ。」

「なっっ!!」

 俺の騎士団入団するという予想外の言葉を聞いてディーオンは驚いた反応をした。

 騎士団……それは都市の人を守る存在。
 それは俺がなろうとした人を守る正義の味方に似ている。

「お前、騎士団ってのは危険な仕事だ。死ぬ事だってあるんだ」

 ディーオンは静かだが、強い口調で俺に言った。
 確かに騎士団というのは実際に危険な仕事なのかもしれない。

 それでも俺は……

「さっきの俺が助けた人は俺にありがとうって言ってくれたんです……その言葉を聞いて俺は嬉しくなったんです。
俺でも人の役に立てるんだってだから俺は人を助けたい。
そしてそれが出来る騎士団に入りたいんです」

 反対される事はわかってる。
 それでも俺が正義の味方に、そうなりたいと思ったんだ。  
 それは俺を突き動かす動機、どうしても譲れない思いだ。

 真っ直ぐディーオンを見つめる。
 考えをを変えないという意志表示だ。
 
「はぁ……その顔、考えは変わんねぇみたいだな。まったく……またか」

 俺の説得をめんどくさく感じ、ディーオンは俺の入団を諦めさせるのを諦めた。

 そして一つディーオンの言葉にちょっとした疑問があった。

「また?他にも異世界人が騎士団にいるんですか?」

 俺はディーオンの"またか"というセリフが気になった。

「まぁな、といってもそいつは去年、元の世界に帰って行ったよ。結構強い奴だった」

 ディーオンは少し遠くを見つめながら、元々いた異世界人の事を言った。

「とりあえずそれは置いといて、本当に入るんだったら厳しいから覚悟しておけよ」

 そのディーオンの言葉はパゼーレ魔法騎士団に入る事を了承するという意味だと俺は思った。

「……はい!」

 強く返事を返す。

「俺はもう帰る。もしお前が騎士団入るんならまた会えるだろ」

 ディーオンはそう言って席を立つ。
 俺もそれに反応して、椅子から立ち上がった。

「はい!今日はありがとうございました」

 今日の事に感して、感謝の言葉をディーオンに述べた。

「あぁ、またな。それとアーニスにもよろしくって言っておいてくれ」

 去り際にディーオンが発した言葉。それは魔法学園の教員であるアーニスの事だった。
 あの2人って関係とかあったんだ。

 そう思いながら寮へと戻った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜

九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます! って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。 ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。 転移初日からゴブリンの群れが襲来する。 和也はどうやって生き残るのだろうか。

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...