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第3章 パゼーレ魔法騎士団
【94話】 騎士団の食堂にて……
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「隣いいか?」
騎士団本部の食堂で1人昼食をとっている俺にラードフが声をかけてきた。
「ん、どうぞ」
ラードフが隣に座る。
俺たちは今日出されたパンと俺の元の世界でいうところのほうれん草を茹でた物を食していた。
「お前のところはどうだ?」
食堂をしながらラードフは騎士団での俺の様子を聞く。
「特に……ないが」
少し嘘をついた。この前の初任務での盗賊団の殲滅、その衝撃が未だに頭から離れていないのだ。
「流石に騙されないぞ、どうした?何か相談に乗ろうか?」
流石に俺の嘘には引っかからずにラードフはグイグイと俺に詰め寄る。
言わなかったら言わないでしつこく聞いて面倒だろうし、まぁ話してみるか。
そして俺はこの前の任務、そして俺の信条や目標……というより夢について話した。
「……なるほどな、それでお前はその正義の味方になって何がしたいんだ?」
それはラードフから出てきた疑問だった。
「何がしたいって……そりゃ人を助けたいから……」
「なんでだ?」
理由を言ってる最中にもラードフから疑問の声が出てくる。
なんで?そんな事言われたって俺は人を助けて……
あれ?俺は結局どうしたいんだっけ?
正義の味方になりたい、その意志は今でも変わらない。
最初は幸美との約束を果たすためだった。
それから……かなりの経ってその考えも変わって……
でも考えが変わっても、正義の味方になるという事の意味について俺はまだわかっていなかったのだ。
そしてラードフの疑問に答えられなくなった俺は……
「そ、それよりお前はなんで騎士団に入ったんだよ!」
話題を逸らしてしまった。
「逃げる気だな~まぁいいが……」
「俺がこの騎士団に入った理由は簡単に言えば罪滅ぼしだ。」
神妙な顔でラードフは話す。
「罪滅ぼし?」
俺はキョトンとした顔でラードフを見る。
「俺さ、ユインの事が好きだったんだよね」
いきなりラードフが自分の恋心をカミングアウトしてくる。
ユインは魔法学園で俺たちと同じの同期だった女だ。
ただ彼女は魔法学園襲撃事件の後、退学になり学園を去って行った。
そのユインの事が好きだと、ラードフは打ち明けてきたのだ。
「でもユインには彼氏がいて、俺ではどうすることも出来なくてな……」
当時ユインには彼氏がいた。
俺たちの一個先輩にあたるノルト、だがしかし彼は……
「その彼氏が死んで……俺は"チャンスだ“って思っちまったんだよ……」
そうユインの彼氏であるノルトは学園襲撃の際死亡した……
「でも彼氏が死んだって知らされたユインの泣いた顔を見て……俺は自分が恥ずかしくなったんだ……」
「……」
俺はラードフの言葉を遮らないよう、静かに聞いていた。
「だからその罪滅ぼしとして、俺はこの騎士団に入ったんだ……馬鹿みたいだろ?」
少し震えた声でラードフは俺を見る。
「まぁその……悪かった、そんな事言わせて」
俺が話題を変えた事でこんな気まずい状況をつくってしまった、そのことを先に謝罪する。
「いや、いいんだ……」
ラードフは優しく、俺を許す。
ラードフがここまで言ってくれたんだ、俺もラードフの質問に答えないとな。
「さっきの質問だけど……まだ俺は正義の味方になってなにがしたいかわからない。」
食事を終えていた俺は立ち上がる。
「だけどいつか、その答えを出せる時が来る……と思うんだ。
だから今は頑張ってみるよ。先、戻る。」
俺にはまだどんな悪人でも助けたいと思える自分の感情を理解出来てない。
それは俺のいた世界が平和だったのか、それとも俺が相当なヘタレなのかはわからない。
悪人を殺す事で救える命だってある。
それでも、だとしても……俺は善人も悪人も助けたいと思っているのだ。
そして俺は食事を終えて、食堂から去って行った。
騎士団本部の食堂で1人昼食をとっている俺にラードフが声をかけてきた。
「ん、どうぞ」
ラードフが隣に座る。
俺たちは今日出されたパンと俺の元の世界でいうところのほうれん草を茹でた物を食していた。
「お前のところはどうだ?」
食堂をしながらラードフは騎士団での俺の様子を聞く。
「特に……ないが」
少し嘘をついた。この前の初任務での盗賊団の殲滅、その衝撃が未だに頭から離れていないのだ。
「流石に騙されないぞ、どうした?何か相談に乗ろうか?」
流石に俺の嘘には引っかからずにラードフはグイグイと俺に詰め寄る。
言わなかったら言わないでしつこく聞いて面倒だろうし、まぁ話してみるか。
そして俺はこの前の任務、そして俺の信条や目標……というより夢について話した。
「……なるほどな、それでお前はその正義の味方になって何がしたいんだ?」
それはラードフから出てきた疑問だった。
「何がしたいって……そりゃ人を助けたいから……」
「なんでだ?」
理由を言ってる最中にもラードフから疑問の声が出てくる。
なんで?そんな事言われたって俺は人を助けて……
あれ?俺は結局どうしたいんだっけ?
正義の味方になりたい、その意志は今でも変わらない。
最初は幸美との約束を果たすためだった。
それから……かなりの経ってその考えも変わって……
でも考えが変わっても、正義の味方になるという事の意味について俺はまだわかっていなかったのだ。
そしてラードフの疑問に答えられなくなった俺は……
「そ、それよりお前はなんで騎士団に入ったんだよ!」
話題を逸らしてしまった。
「逃げる気だな~まぁいいが……」
「俺がこの騎士団に入った理由は簡単に言えば罪滅ぼしだ。」
神妙な顔でラードフは話す。
「罪滅ぼし?」
俺はキョトンとした顔でラードフを見る。
「俺さ、ユインの事が好きだったんだよね」
いきなりラードフが自分の恋心をカミングアウトしてくる。
ユインは魔法学園で俺たちと同じの同期だった女だ。
ただ彼女は魔法学園襲撃事件の後、退学になり学園を去って行った。
そのユインの事が好きだと、ラードフは打ち明けてきたのだ。
「でもユインには彼氏がいて、俺ではどうすることも出来なくてな……」
当時ユインには彼氏がいた。
俺たちの一個先輩にあたるノルト、だがしかし彼は……
「その彼氏が死んで……俺は"チャンスだ“って思っちまったんだよ……」
そうユインの彼氏であるノルトは学園襲撃の際死亡した……
「でも彼氏が死んだって知らされたユインの泣いた顔を見て……俺は自分が恥ずかしくなったんだ……」
「……」
俺はラードフの言葉を遮らないよう、静かに聞いていた。
「だからその罪滅ぼしとして、俺はこの騎士団に入ったんだ……馬鹿みたいだろ?」
少し震えた声でラードフは俺を見る。
「まぁその……悪かった、そんな事言わせて」
俺が話題を変えた事でこんな気まずい状況をつくってしまった、そのことを先に謝罪する。
「いや、いいんだ……」
ラードフは優しく、俺を許す。
ラードフがここまで言ってくれたんだ、俺もラードフの質問に答えないとな。
「さっきの質問だけど……まだ俺は正義の味方になってなにがしたいかわからない。」
食事を終えていた俺は立ち上がる。
「だけどいつか、その答えを出せる時が来る……と思うんだ。
だから今は頑張ってみるよ。先、戻る。」
俺にはまだどんな悪人でも助けたいと思える自分の感情を理解出来てない。
それは俺のいた世界が平和だったのか、それとも俺が相当なヘタレなのかはわからない。
悪人を殺す事で救える命だってある。
それでも、だとしても……俺は善人も悪人も助けたいと思っているのだ。
そして俺は食事を終えて、食堂から去って行った。
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