やさしい異世界転移

みなと

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第5章 ディハンジョン

【176話】 隊長決定

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「さて、どうするか」

 城の中庭に俺たち5人集まったところでデイが呟く。
 この5人で隊を組んでディハンジョン攻略に向かう、それがセリティアからの指示だ。
 そして指示はまだあり、この隊の隊長を決める事と隊列やらの諸々を考えろとの指示が出されたのだ。

 そういう事で俺達は集まってそれらの指示について語り合うのがこの集会の目的だ。

「隊長……はユートでいいよな」

「は?」

 俺はいきなりデイから出た言葉に驚きの声を出した。

「えっ?」

「俺は隊長って柄じゃない、どちらかっていうと指示もらって突撃する……って方が個人的には楽だ」

 サンスインでの任務やパゼーレ襲撃事件……その2つにおいて俺は個人での行動が多く、誰かに指示を出すなんて事をしてはいなかった。
 1人で突撃する、俺の基本的な行動ではある。

 そんな突撃脳の俺よりももっと優れた奴がここにいる……それは……

「俺的にはデイ、お前が隊長の方がいいと思っている」

 俺はパゼーレ襲撃時に彼が指揮し凶震戒の連中を倒しながら住民達を救助したという話を覚えている。
 俺はただ1人で突っ走っていただけ……誰も守れはしなかった。

 だからこそ、俺よりデイの方が相応しいとそう思ったのだ。

「でもお前は十戒士の1人を倒したんだぞ……?」

 それでもデイは納得できないのか食い下がる。

「別に俺1人で倒したわけじゃない。俺は1人で突っ走っただけ、レイナや他のみんなが助けてくれただけだ。
俺に隊長っていう役割は合わないよ」

 少し弱々しくなりながらも俺はデイに反論を行う。
 そして俺とデイの口論にレイナが口を開く。

「……私もデイの方が隊長に向いてると思う」

「私も同意見ですわ、ユウトは確かに強いですが……あの時の貴方の采配はとても良いと感じました」

「あの……僕もそれでいいと思います」

 レイナに続き、次はヴァーリンそしてパートリーもデイを隊長へと推薦した。
 この3人はパゼーレでのデイの活躍を知っているからまぁ妥当だろう。

「だってよ言われてるぞ、隊長候補」

 俺は少し挑発するかのようにデイへ発言をする。

「はぁ……わかった、とりあえず当面は俺が隊長を務める。でも無理だとわかったらすぐに変わるからな!」

 深いため息をついた後デイは観念したようで隊長を引き受けてくれた。
 その際俺を指差して自分がダメだった時に隊長を変われと条件を出す。

「あぁ、わかったよ」

 俺はデイのその条件を飲んだ。

「さて……じゃあとりあえず陣形でも考えるか!!まずは自分が近距離、中距離、遠距離のどれができるのか言っていってくれ」

 早速デイは隊長らしく次に決める事である隊列についてを切り出す。

「僕は戦闘は全く出来ません……でも魔法が探索系なので……」

 まず声を上げたのはパートリー、彼は戦闘自体は出来ないけれど探索魔法が使えるとアピールをする。
 
「なら隊列の中央にいて前、そして後ろの索敵をする……って感じはどうだ?」

 デイはパートリーのアピールを聞き少し考えてパートリー自身にその提案を行う。

「あーはい!それで、でも戦闘は本当に出来ないのでそこら辺は頼みますよ」

「わかった」

「次は私ですね、私は水を生成する魔法……正直に言いますと遠距離からの魔法を放つのが得意ですね」

 パートリーが終わり、次はヴァーリンが自分の魔法や戦法について語る。

「私は人器が盾だからたぶん隊列は前の方がいいと思う」

 続いてはレイナの話だ。確かにレイナは人器の関係上、前に出て魔獣からの攻撃を防ぐというのはかなり有用だ。

「なるほど……ユートはどうだ?」

 ヴァーリンとレイナの話を聞いたデイは俺に話を振る。
 俺の戦法か……ジン器の事を考えると……

「一応俺は近・中・遠距離はいける」

 俺は基本はジン器の短刀で相手に接近したり魔法で攻撃するが俺のジン器の形態の中には弓もある、その事を考えたら割とどの距離でも行けないことはない。

「お前頼もしいな」

「でもまぁ得意なのは近・中距離かな」

 デイの反応に対して一応の訂正をする。
 確かにどれでも対応は出来るだろうが、俺はあまり弓を使用してはいない。
 だから出来るのだったらどの距離でもいけるが得意となれば短剣での近距離、魔法での中距離といったところ。

「そうか……まぁ俺は雷系の魔法や人器とかも考えたら近距離と中距離が得意だ。
だとしたら隊列は……」

 デイは俺達の話を一通り聞いた後自分の魔法についても改めて紹介をし隊列を考える。

「俺が考えた案は5人が一列になって中心のパートリーの魔法で魔獣の索敵、それを俺達で対処するって陣形だ」

 デイが提案した隊列は5人が一列になり、先頭がレイナ、次にデイ、中央にパートリー、そして俺ユウト、1番後ろにヴァーリンという並びだ。

 中央のパートリーが敵の索敵、接敵した際に敵からの攻撃をレイナの盾で防ぎその隙にデイが攻撃を行う。
 ヴァーリンは遠距離攻撃による戦闘の援護、そして俺は後ろに警戒しつつもヴァーリンと同じく前の援護という感じだ。

「……という感じだけど大丈夫か?」

 提案を一通りし終わったデイは俺達に隊列の確認を行う。
 まぁ俺としてはちょっと仕事が多い気がするが特には構わない。

 それは他のみんなも同じだったようで、デイが提案した案に了承して訓練へと移ったのだ。
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