189 / 266
第5章 ディハンジョン
【188話】 そして中層へ!
しおりを挟む
ディハンジョン内、テント地区で一晩が過ぎ俺達を含めたここにいる全員が昨日と同じようにアーデンのテント前へと集合し前に立つアーデンへと視線を集めた。
「えー話す事は昨日と同じ……といきたかったが、昨日起こった問題を全員にここで共有する」
アーデンの発言に場がざわつき始める。
事情を知らない人達は、どうせ昨日と同じくすぐ中層へ!と思っていたのかアーデンの話半分に聞き自分達はすぐ突入する気満々って感じだったのが辺りを見渡して大勢いるのがわかった。
「まず、序層に下層の魔獣が出現した。これは今まで起こらなかった異常である。
序層に出たのならば中層でも出現の可能性がある。明日以降、俺が選抜した奴で下層に潜る事も考えている!
以上だ!進むのであれば心して進め!!」
アーデンは昨日と同様に開始の合図を出した、けれど訪れたのは集団の各地から聞こえてくる困惑の声、そして誰1人として中層へ行こうともしない空気だ。
それも仕方ない突如として告げられた下層の魔獣の出現、その情報を受け止め危険を承知で先に進むべきか……それについて悩んでいる様子だった。
だからこそ……
「みんな、行くぞ」
俺は隊員に声をかける、事前にみんなからは了承を得ていたみんなは何も話さずに頷いてくれる。
そうして、俺達へ歩き出す。
「マジかよ……」 「行くのか?」
「あいつらはそもそも中層の魔獣の強さを知らないガキどもだ!」
周りから聞こえてくる不安や罵倒の声、それでも前へと昨日は最後の方の出撃だった俺達が今日は誰よりも早く動く。
「何言われても気にすんな」
不安が顔に出たのかユウトが背中を叩き笑って鼓舞する。
そうだ、隊長である俺が堂々としないでどうする。
俺はいずれ兄ゼンを超える、遠く険しい道のり……でも俺は1人じゃない!みんながいる!!
「行くぞ!!」
俺は改めてこの場にいる全員に聞こえるように強く言葉を発する。
そして強く、前へと踏み出す。
空気が変わる、どんなふうに変わったかなんてわからないけれどそれでも何かが変わった。
「行くのか?すげぇ」
「あんなガキどもが行くってのに俺達がビビるわけにはいかねぇ」
「ユウトの仲間!さすが!ユウトの仲間!!」
「こりゃ拙者らも続かねば」
周りからの声が大きく聞こえる、それは先程とは変わってユウトとその仲間への感心や期待の声、知ってる声も聞こえている。
そうみんなが見てるのはきっとユウトなんだ……
「この先の階段を降った先から中層だ、気をつけて行けよ」
俺達の歩く先の方にいるアーデンが後ろの階段を指差してアドバイスの言葉をかけてくる。
そして俺達はその階段に横一列となり並びそのまま降って行くのだった。
ディハンジョンに入る時のような雑談はない、全員が全員ここから先の危険を理解しているからだ。
降りてく最中で空気が冷たくなり背筋が凍る、それはここから先の脅威を知らせているようだった。
内心ドキドキしている俺がいた、でもみんなでこの先乗り超えればきっと……俺やみんなは他の人達から認められる!
階段の終わりが見えてくる。
「そろそろ着くぞ」
「っ!デイ!!」
みんなにそう声をかけた瞬間、パートリーが反応する。
つまりこの先にいる!
「……ふっ、ちょうどいい!俺が行く!!」
「あっデイ!」
階段を駆け降りる、その先の魔獣を倒す為に。
全員で戦った方がいいというのはわかっている、けれどこれは俺のわがままだ。
俺はここで成果をあげなきゃ……
階段を降りきり見えるは複数の蟲型魔獣、こちらを見てすぐさま戦闘態勢へと移るがその時には既に俺は地面を蹴り上げ人器を高く掲げ宙へと飛び上がっていた。
「くらえっ!!」
中層攻略開始を告げる轟音が周囲に響き渡った。
中層のとある地点、そこにも下層の魔獣であるヤリンボーは到達していた。
だがこの中層にいたのは彼らだけではない、ヤリンボーの甲殻は砕かれ破片が地面に散らかる。
甲殻のなくなった中身を無数のツタが集まって出来たような腕が掴みそのまま口へと運ばれ捕食される。
ここにはいるのだった、下層の魔獣よりも強大で邪悪なモノが……
「えー話す事は昨日と同じ……といきたかったが、昨日起こった問題を全員にここで共有する」
アーデンの発言に場がざわつき始める。
事情を知らない人達は、どうせ昨日と同じくすぐ中層へ!と思っていたのかアーデンの話半分に聞き自分達はすぐ突入する気満々って感じだったのが辺りを見渡して大勢いるのがわかった。
「まず、序層に下層の魔獣が出現した。これは今まで起こらなかった異常である。
序層に出たのならば中層でも出現の可能性がある。明日以降、俺が選抜した奴で下層に潜る事も考えている!
以上だ!進むのであれば心して進め!!」
アーデンは昨日と同様に開始の合図を出した、けれど訪れたのは集団の各地から聞こえてくる困惑の声、そして誰1人として中層へ行こうともしない空気だ。
それも仕方ない突如として告げられた下層の魔獣の出現、その情報を受け止め危険を承知で先に進むべきか……それについて悩んでいる様子だった。
だからこそ……
「みんな、行くぞ」
俺は隊員に声をかける、事前にみんなからは了承を得ていたみんなは何も話さずに頷いてくれる。
そうして、俺達へ歩き出す。
「マジかよ……」 「行くのか?」
「あいつらはそもそも中層の魔獣の強さを知らないガキどもだ!」
周りから聞こえてくる不安や罵倒の声、それでも前へと昨日は最後の方の出撃だった俺達が今日は誰よりも早く動く。
「何言われても気にすんな」
不安が顔に出たのかユウトが背中を叩き笑って鼓舞する。
そうだ、隊長である俺が堂々としないでどうする。
俺はいずれ兄ゼンを超える、遠く険しい道のり……でも俺は1人じゃない!みんながいる!!
「行くぞ!!」
俺は改めてこの場にいる全員に聞こえるように強く言葉を発する。
そして強く、前へと踏み出す。
空気が変わる、どんなふうに変わったかなんてわからないけれどそれでも何かが変わった。
「行くのか?すげぇ」
「あんなガキどもが行くってのに俺達がビビるわけにはいかねぇ」
「ユウトの仲間!さすが!ユウトの仲間!!」
「こりゃ拙者らも続かねば」
周りからの声が大きく聞こえる、それは先程とは変わってユウトとその仲間への感心や期待の声、知ってる声も聞こえている。
そうみんなが見てるのはきっとユウトなんだ……
「この先の階段を降った先から中層だ、気をつけて行けよ」
俺達の歩く先の方にいるアーデンが後ろの階段を指差してアドバイスの言葉をかけてくる。
そして俺達はその階段に横一列となり並びそのまま降って行くのだった。
ディハンジョンに入る時のような雑談はない、全員が全員ここから先の危険を理解しているからだ。
降りてく最中で空気が冷たくなり背筋が凍る、それはここから先の脅威を知らせているようだった。
内心ドキドキしている俺がいた、でもみんなでこの先乗り超えればきっと……俺やみんなは他の人達から認められる!
階段の終わりが見えてくる。
「そろそろ着くぞ」
「っ!デイ!!」
みんなにそう声をかけた瞬間、パートリーが反応する。
つまりこの先にいる!
「……ふっ、ちょうどいい!俺が行く!!」
「あっデイ!」
階段を駆け降りる、その先の魔獣を倒す為に。
全員で戦った方がいいというのはわかっている、けれどこれは俺のわがままだ。
俺はここで成果をあげなきゃ……
階段を降りきり見えるは複数の蟲型魔獣、こちらを見てすぐさま戦闘態勢へと移るがその時には既に俺は地面を蹴り上げ人器を高く掲げ宙へと飛び上がっていた。
「くらえっ!!」
中層攻略開始を告げる轟音が周囲に響き渡った。
中層のとある地点、そこにも下層の魔獣であるヤリンボーは到達していた。
だがこの中層にいたのは彼らだけではない、ヤリンボーの甲殻は砕かれ破片が地面に散らかる。
甲殻のなくなった中身を無数のツタが集まって出来たような腕が掴みそのまま口へと運ばれ捕食される。
ここにはいるのだった、下層の魔獣よりも強大で邪悪なモノが……
0
あなたにおすすめの小説
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
スター・スフィア-異世界冒険はお喋り宝石と共に-
黒河ハル
ファンタジー
——1つの星に1つの世界、1つの宙《そら》に無数の冒険——
帰り道に拾った蒼い石がなんか光りだして、なんか異世界に飛ばされた…。
しかもその石、喋るし、消えるし、食べるしでもう意味わからん!
そんな俺の気持ちなどおかまいなしに、突然黒いドラゴンが襲ってきて——
不思議な力を持った宝石たちを巡る、異世界『転移』物語!
星の命運を掛けた壮大なSFファンタジー!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜
九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます!
って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。
ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。
転移初日からゴブリンの群れが襲来する。
和也はどうやって生き残るのだろうか。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる