12 / 46
君についた嘘②
しおりを挟む
「まさか……。佐藤、お前もりとる君のファンだったりする!?」
めちゃくちゃ前のめりなその発言に、思いっきりブフォッと吹き出した。
でも僕の唯一にして最大の秘密がバレてはいなかったことがわかり、気持ちに余裕ができた。……ほんの、少しだけ。
「佐藤……?」
大路君が、期待したような目で僕のことを見つめている。
イエスと答えるべきか、ノーと答えるべきか?
その返答に困っていたが、そこで妙案が浮かんだ。
そうだ! 僕ではなく、母さんがりとるのファンということにしておこう。
そうすればこれまでのレシピも、自然な流れで彼に試すことができる。
それに彼だって、ただ動画を見るだけで自分で作る自信はないようだから、喜んでくれるはず。
……これってある意味、ウィンウィンの関係なのてまは?
「残念ながら、僕じゃないよ。母さんが彼のファンで、よく動画を観てるんだ。だから僕も、名前くらいは知ってるっていう程度だよ」
本当は名前くらいは知っているどころか、僕がそのりとる本人なわけだが。
我ながらナイスな回答だと思ったけれど、嘘をつくのが下手な僕は、緊張のためまたしてもちょっと早口になってしまった。
でも彼は同志を見つけた興奮から、それにはまったく気が付いていないようだ。
「そうなんだ? でも、たしかに。お菓子作りが趣味の人なら、たぶんみんな知ってるよなぁ。りとる君、まじで神過ぎるもん!」
……全然神なんかじゃないよ、りとるは。君の前でめちゃくちゃ動揺しながら変な汗を垂れ流してる、地味陰キャだよ。
そんな心のつぶやきは綺麗に包み隠して、僕も笑顔で答えた。
めちゃくちゃ前のめりなその発言に、思いっきりブフォッと吹き出した。
でも僕の唯一にして最大の秘密がバレてはいなかったことがわかり、気持ちに余裕ができた。……ほんの、少しだけ。
「佐藤……?」
大路君が、期待したような目で僕のことを見つめている。
イエスと答えるべきか、ノーと答えるべきか?
その返答に困っていたが、そこで妙案が浮かんだ。
そうだ! 僕ではなく、母さんがりとるのファンということにしておこう。
そうすればこれまでのレシピも、自然な流れで彼に試すことができる。
それに彼だって、ただ動画を見るだけで自分で作る自信はないようだから、喜んでくれるはず。
……これってある意味、ウィンウィンの関係なのてまは?
「残念ながら、僕じゃないよ。母さんが彼のファンで、よく動画を観てるんだ。だから僕も、名前くらいは知ってるっていう程度だよ」
本当は名前くらいは知っているどころか、僕がそのりとる本人なわけだが。
我ながらナイスな回答だと思ったけれど、嘘をつくのが下手な僕は、緊張のためまたしてもちょっと早口になってしまった。
でも彼は同志を見つけた興奮から、それにはまったく気が付いていないようだ。
「そうなんだ? でも、たしかに。お菓子作りが趣味の人なら、たぶんみんな知ってるよなぁ。りとる君、まじで神過ぎるもん!」
……全然神なんかじゃないよ、りとるは。君の前でめちゃくちゃ動揺しながら変な汗を垂れ流してる、地味陰キャだよ。
そんな心のつぶやきは綺麗に包み隠して、僕も笑顔で答えた。
0
あなたにおすすめの小説
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
雪解けを待つ森で ―スヴェル森の鎮魂歌(レクイエム)―
なの
BL
百年に一度、森の魔物へ生贄を捧げる村。
その年の供物に選ばれたのは、誰にも必要とされなかった孤児のアシェルだった。
死を覚悟して踏み入れた森の奥で、彼は古の守護者である獣人・ヴァルと出会う。
かつて人に裏切られ、心を閉ざしたヴァル。
そして、孤独だったアシェル。
凍てつく森での暮らしは、二人の運命を少しずつ溶かしていく。
だが、古い呪いは再び動き出し、燃え盛る炎が森と二人を飲み込もうとしていた。
生贄の少年と孤独な獣が紡ぐ、絶望の果てにある再生と愛のファンタジー
なぜかピアス男子に溺愛される話
光野凜
BL
夏希はある夜、ピアスバチバチのダウナー系、零と出会うが、翌日クラスに転校してきたのはピアスを外した優しい彼――なんと同一人物だった!
「夏希、俺のこと好きになってよ――」
突然のキスと真剣な告白に、夏希の胸は熱く乱れる。けれど、素直になれない自分に戸惑い、零のギャップに振り回される日々。
ピュア×ギャップにきゅんが止まらない、ドキドキ青春BL!
【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。
或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。
自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい!
そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。
瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。
圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって……
̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶
【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ
番外編、牛歩更新です🙇♀️
※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。
少しですが百合要素があります。
☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました!
第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!
僕の王子様
くるむ
BL
鹿倉歩(かぐらあゆむ)は、クリスマスイブに出合った礼人のことが忘れられずに彼と同じ高校を受けることを決意。
無事に受かり礼人と同じ高校に通うことが出来たのだが、校内での礼人の人気があまりにもすさまじいことを知り、自分から近づけずにいた。
そんな中、やたらイケメンばかりがそろっている『読書同好会』の存在を知り、そこに礼人が在籍していることを聞きつけて……。
見た目が派手で性格も明るく、反面人の心の機微にも敏感で一目置かれる存在でもあるくせに、実は騒がれることが嫌いで他人が傍にいるだけで眠ることも出来ない神経質な礼人と、大人しくて素直なワンコのお話。
元々は、神経質なイケメンがただ一人のワンコに甘える話が書きたくて考えたお話です。
※『近くにいるのに君が遠い』のスピンオフになっています。未読の方は読んでいただけたらより礼人のことが分かるかと思います。
親衛隊は、推しから『選ばれる』までは推しに自分の気持ちを伝えてはいけないルール
雨宮里玖
BL
エリート高校の親衛隊プラスα×平凡無自覚総受け
《あらすじ》
4月。平凡な吉良は、楯山に告白している川上の姿を偶然目撃してしまった。遠目だが二人はイイ感じに見えて告白は成功したようだった。
そのことで、吉良は二年間ずっと学生寮の同室者だった楯山に自分が特別な感情を抱いていたのではないかと思い——。
平凡無自覚な受けの総愛され全寮制学園ライフの物語。
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる