ぼくは君には殺させない

黒瀬

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第3話

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あれから暫くして落ち着いた僕に新がお茶を入れてくれた。
「落ち着いたか?まったく…どうしちゃったかと思ったぜ」
「あ…ごめん」
僕だってどうなるかと思った。うまく息ができなくなって、視界が暗くなってぐるぐるした。
それはもう、このまま死んじゃうんじゃないかってくらい。
「いや、でもさ、おまえは一緒にくら」
ガタン!大河が言いかけていたことを新が机をけって阻止し僕を最後に起こった時のような顔で睨みつけた。

あぁ、そうだよな。おじさんはもういないんだよ。

僕はもう泣きだしたいような、怒鳴りたいような、悲しいような、抑えられない何かがおなかの底からこみあげてくるようで気分が悪かった。



その夜、僕が寝たのをみとどけた新と大河は隣で話し始めた。
まあ、昨日の今日で僕が眠れるわけがない。
たぶん、僕の話だろう。おじさん達とのことか、あるいはこの先僕をどうしようとかいう話かもしれない。

なんでもいいや。あの二人からここを追い出されたっていい。そのまま山の中で死んでもいいや。
だって、僕は母親や父親のことは覚えてないし、おじさんたちの名前だってしらない。

そういえば、いつかおじさんが話してくれたっけ。
「罪を犯して償わずに過ごして死んでいくと、生まれ変わった時にその天罰がくだるんだ。だからな零十。どんな小さなことでも悪いことをしたら謝らなきゃだめだ。ごめん、の一言だ。生まれ変わった時、前世での記憶があるとは限らないから何も知らないのに天罰が下るのはかわいそうだろ?」

きっと、僕は前世で大罪を犯したんだ。
償わないで死んでいったから、天罰が下ったんだ。

そしたら、前世の僕はすごく悪い奴だ。だって、僕だけじゃなくおじさん達にまで迷惑かけてしまったんだから。

そんなことを考えているうち、いつの間にか僕は眠ってしまっていた。
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