52 / 62
番外編
番外編 キリヤとユーリその後
俺は入学パーティの時に呪われて眠っていたから、目が覚めてからそのまま通うことになったんだけど、そりゃあもう呪いから目が覚めたってことで凄い騒ぎになった。
悲劇の宰相の息子が愛の力で目が覚めたとか、なんかまあ好き勝手噂され本にまでなったって俺で楽しむのはやめてほしい。
問題はこれ以上にキリヤが過保護になりすぎたことだ、王宮騎士団団長という立場を辞して俺の護衛役として片時も離れなくなった。
誰がこんな未来を想像しただろうか、呪われてるとき長い長い夢を見ていた気がするけど内容まで覚えてない。
呪いが解けたことで記憶から抜けたんだなとみんな納得していたが、俺はなにか忘れてる気がしてならない、だってさ、俺の呪いを解いた方法を全員がわからないってそんなのおかしくないか?
それを訴えても忘れてるものはどうにもならないから、気にするなって終わってしまったけど。
と現実逃避をいくらしても、現実は変わらないわけで、キリヤが護衛役だときかなくてついてきたんだよな。
学園にまでついてきて、そこで帰るのかと思えば授業中にも俺を見守るなんてなにを考えてるのか理解できない。
俺そこまで恨みを買う人間じゃないじゃん、呪われるほど憎まれた俺が言うのもおかしいかもだけどさ。
それなのになんでこんな…、真剣に魔法学の授業に耳を傾けてるというのに突き刺さるような視線を背中に感じて気が散ってしょうがない。
キリヤは俺が起きてから独占欲と過保護が悪化したようだ、俺が少しでも他の人に視線を向けるのが気に入らないみたいで困るのに、それがちょっと嬉しいって思っちゃう俺ってイカれてんのかな?
キリヤの視線を浴びながらゾクゾクする自分の性癖なんて知りたくなかったよ、興奮しちゃいそうで勘弁してほしい。
おそるおそる自分の股間に視線を向けるとまだ大丈夫だ、反応してないようだ。よかったとほっと胸をなでおろした。
キリヤの視線に丸裸にされてるような気分で授業が終わるとすぐに抗議のためキリヤのほうに近づく。
すると、キリヤに顎を掬われ視線が重なり合って、ここが教室だとか、みんな見てるとか忘れて俺は頬を染めて潤んだ瞳で見つめる。
「ふっ、物欲しそうな顔してるな、そんなに俺がほしいのか?」
耳元に寄せられた唇が触れそうなほどの距離で低く囁かれる言葉にゴクリと喉が鳴る。
欲しい、でも、今はまだダメだ、このあと実践訓練とかあるし、授業に集中できなくなっちゃう。
ふるふると頭を振って「ダメだよ、まだ…」とキリヤの腕を掴んで上目遣いで言葉を紡ぐ。
キリヤが眉間に皺を寄せて、欲を孕んだ瞳で俺を見るから体が昂りそうで視線を思わず逸らした。
教室にいた生徒から視線を浴びて幾分か冷静になれるかと思ったのに、ますます興奮しちゃって、キリヤと1つになりたい欲が頭をもたげはじめると楽しげに笑ったキリヤが頭をポンポンと撫でてきた。
「そんな顔するな、俺以外に見せていい顔じゃない」
「はっ…、だって、キリヤのせいじゃん」
「そうだな、すまない、帰ったらたっぷり可愛がってやろうな?」
意地悪く笑うキリヤの言葉に頬に熱が集まって火照る。
顔が真っ赤なんて想像に容易くて、むっと唇尖らせ拗ねたような表情でキリヤを睨みつけた。
「ほんっとそういうことだよ!キリヤのバカ!」
「悪い悪い」
反省なんて全然してないくせに心にもない謝罪をしながら、俺のことを抱きしめてきて教室内がザワつく。
真面目な元騎士団長が人目もはばからずイチャイチャするなんて誰だって予想していなかっただろう。
俺だってそうだ、でも、この瞬間は俺の心は歓喜に溢れるんだ、だって、あのキリヤが俺に夢中なんだって見せつけるのができるから。
あなたにおすすめの小説
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます
クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。
『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。
何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。
BLでヤンデレものです。
第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします!
週一 更新予定
ときどきプラスで更新します!
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。
あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。
だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。
よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。
弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。
そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。
どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。
俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。
そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。
◎1話完結型になります
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。