花蓮と智恵実「それぞれの夢に向かって」

佐々蔵翔人

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私の夢、街の夢

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国語の授業
中学2年生の夏、国語の授業である課題で原稿用紙が配布された。それは将来の夢というタイトルだった。
私はお菓子作りが好きだからカフェや洋菓子屋になりたいと描いていた。しかし調理科のある学校に進むのかそれとも普通科の学校に行って専門学校に行くのかどうするべきなのか悩んでいた。
授業が終わるチャイムが鳴ると智恵実ちゃんは原稿用紙を先生の教卓に置いた。私は智恵実ちゃんもう書き終えたのかさすが小説を書いているだけあって書く内容も考えて短い時間で仕上げる。そのことに長けている。寧ろ智恵実ちゃんからしたらこれくらい当たり前だと言われるのかな。
授業内で終わらなかった私はこの日の宿題が1つ増えて大変だなと思っていた。
放課後、私は今日の国語で授業内で原稿用紙書き終えてた智恵実ちゃんだけだったよ。スゴいね。
智恵実はそんな買いかぶらないでよ、人にはそれぞれペースがあるから人と比べる必要はないよ。小説書けるから国語が得意かって言われたらそれはまた別の話だからね。また花蓮ちゃんのクッキー食べたいな。
私はいつでもウチに来てよ。クッキー焼くからさ。でも今日は宿題終わってないから明日以降でお願いね。
智恵実は分かった。都合のいい時誘ってね。
1週間後、私は智恵実ちゃんを家に招き入れて私の部屋で待ってもらうことにした。手作りクッキーを何種類か焼いてリンゴジュースと共に運んだ。
智恵実はこのクッキー美味しい、食べやすくて何枚も食べたくなる感じでクセになる味だね。花蓮ちゃんよかったらこのクッキー持って帰ってもいい?私のパパやママにもこのクッキー食べさせてあげたいからさ。
そんなに喜んでもらえて私も嬉しいよ。持って帰っていいよ。なんならクッキー焼いて智恵実ちゃんの家に届けに行ってもいいよ。冗談抜きで。
智恵実はさすがにそこまでしてもらったら申し訳ないから遊びに行って花蓮ちゃんがクッキー焼いてもいいかなって気が向いた時にしてもらえたら嬉しいからさ。
私はそっか、分かった。でも試作品で作ることとかもあるかも知れないからその時はまずくてもクッキー食べてもらえると嬉しいな。
智恵実は呼んでもらえればいつでも食べに行くよ。こんなこと言うとダダで食べたいがめつい人みたいになるかと笑っていた。
私はまた智恵実ちゃんに喜んでもらえるようにするね。それよりも今度宿題で提出した原稿用紙の将来の夢をみんなの前で発表するのイヤだよね。先生が勝手に呼んで感想なり添削なりしてくれればいいのにね。
そして国語の授業で先生から七瀬さんお願いしますといわれて私は原稿用紙を持った。
「私の将来の夢は1人でも多くの人に愛されるパティシエになることです。甘いものが苦手でもここのお店のケーキなら食べたい。1度食べたらクセになるそんなカフェのお店を作りたいです」
私は原稿用紙を発表したが緊張してその先何を言ったか覚えていない。そしてクラス全員の発表が終わり先生から特に茅川と七瀬の発表がよかったとつたえられてこれが叶えられるように頑張らないという気持ちになった。
放課後、智恵実ちゃん先生に褒められてスゴいじゃん。私なんかよりも内容が濃くて説得力があったよ。智恵実はありがとう。でも私は花蓮ちゃんの甘いものが苦手でもここのお店のケーキを食べたいっていうところ、スゴく分かりやすかったよ。実際に花蓮ちゃんのクッキー食べたことの私から言わせてもらえれば今でもお店にクッキー売っても繁盛するよ。味は私が保証するからさ。
私は昔からの友達でもある智恵実ちゃんにそう言ってもらえてスゴく心強いよ。

進路
私は高校をどこに行くのか悩んでいた。智恵実ちゃんは絵に書いたような才色兼備の美少女。対照的に私は進学校を狙えるような学力もなく内申点も27といたって平均であった。
智恵実は私に声をかけた。花蓮ちゃん、何処の高校に行くか決めた?私は特に勉強が出来る訳でもないし調理科のある学校ならもう少し頑張れば市立那古野総合高校に行けそうだからそこを狙おうかな。智恵実ちゃんはどこの高校に行くか決めた?
智恵実は東京にある私立の学校に通おうかなって思う。実は私の作品が出版社の目に止まって出版することが決まってそれなら東京に行って高校と作家の二足のわらじを履く形にしようと思ってさ。
私は智恵実ちゃんスゴいね。いつも智恵実ちゃんが前にいて私が追いかけるけれど決して追いつけない感じがする。私も智恵実ちゃんに負けないように頑張るね。
智恵実は中学校を卒業するまではこの街にいるから心配しないで。短い時間だけど沢山思い出を作ろう。またクッキー食べさせてね。
気がつけば私たちは中学3年生で受験まっしぐらとなっていた。私立高校を狙う生徒は3年生の1学期の成績が反映されるので今までちゃんと授業を受けてこなかった生徒も目の色を変えて授業態度、宿題をしっかり提出する生徒が多い。
私は真面目でも不真面目でもなく普通の生徒で目立つ生徒ではなかった。公立を希望している生徒は愛知県下では公立は2校受験することが出来てすべり止めで私立高校を受けることが多い。
私立高校の受験をどこにするか決めていなかった私は1学期の成績を見て決めることにしよう、公立のもう1校もその時に決めようと本命は市立那古野総合高校しか考えていなかった。
1学期が終わり夏休みに入った。10月に那古野総合高校の推薦入試の受験に向けて筆記対策や面接をやっていた。面接練習の対策本を買って練習したいが学校で出来るのは登校日だけでどうしようか悩んでいた。その時に家の電話が鳴った。
花蓮、智恵実ちゃんから電話だよ。私はママから電話を受け取った。
もしもし花蓮ちゃん、お願いがあって私が受験しようとしている学校の推薦入試が夏休み中にあって筆記と面接とあってその中でも面接の比重が大きくてよかったら面接練習手伝ってもらえないかな?
私は丁度面接練習したいなって思っていたから助かるよ。面接の対策本あるから一緒に練習しようよ。いつが都合がいい?
智恵実は明日でも大丈夫かな?ウチに来てよ。
私は分かった、じゃあ午前9時ぐらいでもいい?
智恵実はうん、いいよ。じゃあまた明日。
電話を切ってママに明日面接練習をするから智恵実ちゃんの家に行ってくるねと伝えてお風呂に入って寝床についた。
翌日、私は早めに起きてクッキーを焼いて面接練習をするために智恵実ちゃんの家に向かった。私は呼び鈴を鳴らすと千衣実ちゃん出て部屋に案内された。私は智恵実ちゃんにクッキーを渡すととても嬉しそうで面接練習が終わったら食べようと話していた。
お互いに面接官役と生徒役に分かれて練習をして対策本には時事問題について聞かれるとも書いてあり、2人で気になるニュースをそれぞれピックアップしてそのニュースについて詳しく調べた。
智恵実ちゃん、入試っていつなの?千衣実は8月のお盆前だよ。
私はそうなると時間がないね。明日からはウチで面接練習しようよ。いや、試験前日まで合宿じゃあないけれどウチに泊まりながら面接練習しようよ。
智恵実は気持ちは嬉しいけれど花蓮ちゃんのママやパパにも迷惑かけると思うから1度かくにんして。このクッキーもらうね。うん、今日も美味しい。
私は家に帰って聞いてみるからまた電話するねと智恵実ちゃんの家に出た。
そして私はママに事情を説明すると残り2週間もないからと許可が出た。そして智恵実ちゃんに許可が出たことを伝えた。
翌日から試験2日前まで練習をして智恵実は試験前日に前乗りをすることを告げられていたので私はささやかな気持ちとして手紙とクッキーを渡して送り出した。
智恵実は花蓮ちゃんワガママばかり言ってゴメンね。ママやパパにもまたお世話になりましたって伝えておいてね。緊張すると思うけれど今出来る全力を尽くして頑張るね。また結果出たら伝えるね。
私は智恵実ちゃんの背中が大きく見えた。
智恵実ちゃんが帰るねと家を出ようとした時に私は冷蔵庫に入れておいたクッキーを渡して行く途中でも試験前でもいいから食べてね。こんなことぐらいしか出来ることないからさ。
智恵実は花蓮ちゃん何から何までありがとう。試験前に食べて花蓮ちゃんの思いも背負っていると思って試験を受けるね。私は智恵実ちゃんを見送った。
私は智恵実ちゃんスゴいな。負けてられないと入試とお菓子作りに励むことにした。
夏休みが終わり私は久しぶりに智恵実ちゃんの顔を見ると全てをやりきって清々しい顔をしていて合格したと勝手に思っていた。
智恵実は花蓮ちゃん、今日始業式でしょ?終わったらウチに来てもらってもいいかな?今日合否がネットを通して発表されるんだけれど1人で見るの怖いから一緒に見て欲しいの。ダメかな?
私はもちろんだよ、一緒に見よう。
始業式を終えて宿題を提出して私たちは学校を出た。私は荷物置いてから智恵実ちゃんの家に行くからちょっと待っていて、智恵実は待っているね。
私は荷物置いて冷蔵庫に冷やしておいたチョコとクッキーを包装して智恵実ちゃんの家に向かった。
呼び鈴を鳴らして智恵実ちゃんの部屋に案内された。私はチョコとクッキーを差し出すと智恵実ちゃんは食べようとしていたから待ってと声をかけた。
先に結果を見て少ないけれどお菓子パーティーみたいな感じでしたいからさ。
すると智恵実はか細い声でやるだけのことはやったけれど心配でしょうがない。花蓮ちゃん代わりに結果を見て欲しい。いつもと様子が違っていた。
私は智恵実ちゃんの手を握りやるだけのことはしたから後は自分を信じるだけだよ。
智恵実はノートパソコンに受験番号を入れて恐る恐る検索をクリックした。
結果は合格と表示されていて智恵実ちゃんは私に抱きついた。花蓮ちゃんありがとう。応援、そしてあの美味しいクッキーのおかげだよ。
私は横に首を振ってそんなことないよ、千衣実ちゃんが頑張りの賜物だよ、合格が分かった事だしお菓子パーティーしようか。チョコとクッキーしか持ってきてないけれど。
智恵実はじゃあジュース持ってくるねとリンゴジュースを取りに行って時間的にもおやつの時間でお菓子パーティーをしていた。
次は私の番だね。智恵実は面接練習でも勉強で苦手な所とかあったら言ってもらえればいつでも教えるから言ってね。私は心強いよ。そんなに勉強が得意じゃないからホントに助かるよ。
次は私が勉強と面接練習を見てもらうことになった。

合併のウワサ
智恵実ちゃんの合格で今度は私が頑張るぞと切り替えようとしていた時にテレビから流れていることに耳を疑った。
「数年後に下村市は明富市と合併を検討」
久しぶりにテレビを見た私は明富町だったのが市になっていたことに驚いた。合併するとなったらこの街はどうなるのか。中学を卒業したらこの街から出なくては行けないがそれでも地元がホントの地元といえなくなるのが寂しくて仕方がなかった。
晩御飯の時に私はこの話題を家族に話した。
ママもパパも合併はいささか仕方のない事だよ。この街には小学校と中学校が1校ずつで高校もなければ周遊バスを使わないと電車にすら乗れない。よく今まで合併の話が出なかったのが不思議なぐらいだよ。
私はそういえば明富って町だったのにいつの間に市に変わったの?いつの間にそんな発展したの?
パパは花蓮覚えていない?当時明富町での万博を。
私は万博?愛知で万博なんてやったっけ?
ママは家族みんなで「あいちスイーツメルヘン万博」行ったの覚えていない?
私は思わずかわいい。何その万博、全然覚えていないな。
パパは当時も花蓮はかわいい万博だね。行きたいって強請(ねだ)って家族で車で行ったじゃん。出店している各国のお菓子を全部食べるって意気込んで1つしか食べれなくて泣いてた~。
私はそんなことがあったんだ。なんか恥ずかしい。
面接の対策本には時事問題も出ると書いてあったため、私は時事問題が出たら故郷下村市について話すことを決めた。
翌日、私は智恵実ちゃんに万博があったことを覚えているか聞いた。
昔、あいちスイーツメルヘン万博ってあったみたいだけれどそんな万博あったの覚えている?
千衣実は知っているもなにも学校の遠足で行ったじゃん。遠足で行くってなった時に女子全員でかわいい万博だね、みんなで色んなお菓子を食べようって話になったじゃん。花蓮ちゃん覚えてないの?
私は昨日家族に言われてそんなのあったのかって感じ。当時どんな感じだったか覚えている?
千衣実は花蓮ちゃん何も覚えていない感じだね。下村小学校でただ1人、各国のお菓子を全部食べて私たちは花蓮ちゃんスゴいって崇めていたよ。
私はそうだったのか。遠足で行ったのも今思い出した。放課後、面接練習と勉強を教えてね。
千衣実は出来ることは何でもするね。
私は試験前日まで智恵実ちゃんに面接と勉強を教えてくれた。優等生にありがちな難しい説明ではなく初めて聞いても分かるような丁寧に教えてくれてとても分かりやすかった。これで明日不安なく挑めると自分に言い聞かせた。
試験当日、私は2時間かけて市立那古野総合高校に向かった。筆記試験は千衣実ちゃんに教えてもらったこともあり全問解くことが出来た。午後の面接、志望動機、中学時代に力を入れてきたこと、卒業後に何をしたいか等を聞かれて私は緊張しつつも卒なく答えることが出来た。そして聞かれると思い用意をしていた質問が聞かれた。
あなたが最近気になっているニュースはなんですか?
私はこの質問が来た、
「私は故郷の下村市が隣の明富市と合併するニュースを知りどうしてそのような話になるのか考えました。そして私は1つの結論にいたりました。それは下村市には魅力が足りない。私は将来の夢はスイーツで地元を活性化させることです。そのために私はこの学校を受験しました」
私は高校の面接というより会社の面接のようになったなと思いつつ学校を出た。
電車に乗って帰ろうとしていたらある看板に目が止まった。名物の「バナナシュークリーム」
あいちスイーツメルヘン万博での商品を販売しています。私はバナナシュークリーム?どんな味なのか、これは自分の勉強のためだと言い聞かせてお店に入るとカフェスペースがあってシュークリームとショートケーキ、セットでホットコーヒーを注文をした。
まずはショートケーキを一口食べると美味しくて美味しさの秘密はなんだろう?イチゴはさっぱりで食べやすい。そしてこのクリーム甘すぎないからカロリーないんじゃないかと実感した。
そしてシュークリーム、普通ならばカスタードやチョコクリームがマストの中でどうしてバナナなのか、一口食べると斬新な味で美味しい。私も家でこれを作りたいと思いメモ帳とシャーペンを取り出した。
きっと教えてなんかくれる訳がない、聞くのはタダだから失礼を承知で聞いてみた。
すみませんショートケーキですがイチゴはさっぱりしていてクリームは甘すぎないなと思いました。そしてこのシュークリームですがバナナのクリームが美味しいのはもちろん、沢山入っているのに反対側からクリームがこぼれることなく食べられてとても美味しかったです。
女性店員はお姉さんありがとう。この案は私がこうしたらいいんじゃないかと提案して採用されたの。このお店には何度か来てくれてたりするの?
私は初めてです。今日は市立那古野総合高校の受験で来て帰りにあいちスイーツメルヘン万博での商品があると書いてあって気になってお店に入りました。とても美味しかったです。すみません失礼を承知で聞きますがこのショートケーキのレシピを貰うことは出来ないですか?お願いしますと頭をさげた。
女性店員は普通のショートケーキとショートケーキスペシャルってあるけれど普通のやつはレシピを渡すことが出来ないけれどショートケーキスペシャルは私がアレンジ作ったやつだからそれでよければ教えてあげられるよ。そして手書きのレシピをもらい連絡先を教えてもらった。
私はまだ中学生なのてパソコンのメールで返します、電話される時は家でお願いしますとお店を出て家に帰った。
早速私は店員さんからもらったレシピをもとにショートケーキスペシャルを作ってママとパパに食べてもらった。
ママはこんな美味しいケーキを食べたのは始めて、パパはまるでお店で売っているケーキみたいと賛辞でとても嬉しかった。千衣実ちゃん食べたらなんて言うのかな?早く食べさせてあげたいと思った。
いつものように学校帰りに千衣実ちゃんを呼んで食べてもらうのでもいいがせっかくなら土日にゆっくりお喋りしながら食べたいと考えていた。
翌日、私は智恵実ちゃん土日って空いてる?
千衣実はうん、空いているよ。何かあった?
私は智恵実ちゃんに食べてもらいたいものがあって土日ゆっくりお喋りしながら食べようかなって思ってさ。
智恵実はそういうことね。前にママとパパに花蓮ちゃんのクッキーを一緒に食べて美味しいって言ってたよ。土日花蓮ちゃんの空いてる日でいいからウチに来て作ってもらってもいいかな?また花蓮ちゃんの作ったやつを食べたいってママとパパが言っていたからさ。
私は喜んで貰えるなら智恵実ちゃんの家で作るよ。じゃあ土曜日の午前10時に千衣実ちゃんの家に行くね。あまり期待しすぎないようにね。
金曜日の夜、私はクッキーを焼いて冷蔵庫で一晩冷やしておいた。智恵実ちゃんやお父さん、お母さんにも喜んでもらえてるって嬉しいなと思いつつ寝床についた。
土曜日、私は必要な材料と道具を持って千衣実ちゃんの家に向かった。呼び鈴を鳴らしてお邪魔すると早速クッキーを渡してショートケーキスペシャルを作り始めた。私、智恵実ちゃん、智恵実ちゃんのママとパパの分の4人分食べられるように作った。
2時間後、ショートケーキを作り終えて8等分のに切り分けてリビングに並べた。千衣実ちゃんのママは紅茶を煎れて4人でケーキを食べた。
私はこの前お店で食べた時の方が美味しかった、分量も同じにしたのにどうしてなのか。もっと追求していかないといけないと思った。
智恵実は花蓮ちゃんのケーキ美味しい。前に1人でも多くの人に食べてもらえるようなパティシエになりたいって言ってたの思い出した。ママとパパはこのケーキを食べてどう思った?
ママは智恵実と同い年の子が作ったとは思えない程美味しい。お店で売っていたら買うよ。
パパはこんな美味しいケーキ食べたのは始めてだよ。前にクッキーも食べさせてもらったけどいい感じに冷えていてサクサク感があってよかった。ネットで売っていたら送料払っても買うよ。
私は褒めていただきありがとうございます。味がどうなのか心配だったのでもっといいものを作れるように精進します。しばらく智恵実ちゃんの家で小説を読んで日没までゆっくりしていた。
私は少し自信を持って家に帰った。

合格、体験入部
推薦入試からから2週間が経ち先生に職員室に来るように言われた。私は一体何をしたのか全く身に覚えがなくとりあえず職員室に行くと受話器を取った。
市立那古野総合高校の市本です。七瀬さんですか?
はじめまして七瀬花蓮です。私に用事と言うのは?
市本先生はご自宅に合格通知を送らせてもらいました。七瀬さんの面接で言っていた言葉に感銘を受けたのでよければ調理部と一緒に活動しませんか?
私はありがたいお話ですが高校に入って何部に入るかまだ決めてないのですがそれでもよろしいですか?
市本先生はあくまでも七瀬さんの腕前を見たいので。1つの部活を3年間する生徒もいれば兼任している生徒もいるので気にしないでください。何か気になる点とかありますか?
私は放課後でも大丈夫ですかその後だと学校に行くのに2時間ぐらいかかります。どうしたらよろしいですか?
市本先生はもちろん学校まで送り迎えさせてもらうのでその辺は安心してください。早速ですが今日からお願いします。
私は放課後に校門で待っていますと電話を切った。
放課後、智恵実ちゃんに帰ろうと言われたが市立那古野総合高校の人が迎えに来て行かなきゃ行けないから帰れないんだ。ゴメンね。
千衣実はそっか花蓮ちゃん頑張ってねと見送ってくれた。
私は校門に行くと軽自動車の前に女性が立っていた。きっとこの女性が私を迎えに来てくれた人だと思い声をかけた。すみません、七瀬花蓮です。
ちゃんと話すのは初めてだね、先程電話で話した市本です。早速車に乗って高校に行くよ。
私は車で送り迎えしてもらうのはホントに助かります。この前高校に行くのに2時間ぐらいかかるので行き帰りだけでも大変で……。
市本先生はそうだよね、車で来るのにも高速使って1時間だからかなり遠いなって思うよ。この辺りにも早く電車が通るとかなり通学もしやすくなるのにね。
私と市本先生は他愛のない話をして高校に着いて2人で調理部の部室兼調理室に向かっていた。
市本さんはここが部室だよと部屋を開けた。
そこには20人近くの女子生徒がいて手際よく調理をして洗い物をしている姿を見て中学生の私がやっていけるのかと肌で感じた。
重くしい雰囲気に圧倒されつつ挨拶をした。
下村中学校の七瀬花蓮です宜しくお願いします。
部長の村上芽依(むらかみめい)は花蓮ちゃん宜しくね。分からないことがあったら私も含めここにいるお姉さんになんでも聞いてね。
私は芽依さんが優しく声をかけてくれたおかげで安心することが出来た。芽依さんにところで今日は何を作りますか?体験入部みたいな形でと市本先生から聞いたのですがどうしたらいいのか分からなくて……。
芽依はそうだよね、市本先生から花蓮ちゃんが熱弁してた話聞いたよ。そうだ、来てもらっていきなりで悪いけれど今から何か作ってくれるかな?
私は分かりました、帰りの時間もあるので手軽に作れるクッキーにしますね。美味しいかどうかは分かりませんが一生懸命作りますねと一言添えた。
私は塩バタークッキー、チョコレートクッキー、はちみつクッキーと3種類用意した。先輩たちはどれが美味しいって言うのかな。全部美味しくないってもうここに来ることは出来ないのか、不安でいっぱいだった。しかし心配は杞憂で済んだ。
部長の芽依は花蓮ちゃんクッキー作りどこかで習ったの?どのクッキーも美味しくてクセになる味だね。
私はネットと独学です。どこか改善した方がいいですか?
芽依はスゴいね。私たちより才能あるかも。改善か~、今のところないかな。他のも食べてみたいからまた何か作って欲しいな。
私は是非ともお願いします。すみません明日も学校があるので今日はこの辺りで失礼します。市本先生に中学校まで送ってもらおうとすると夜も遅いから自宅まで送るよと家まで送ってもらった。
私は優しい先輩たちでもっと喜んでもらえるように頑張ろうと改めて感じた。
それから数日、私は放課後に高校に行くのが日課となっていて先輩たちのお菓子を食べているとやっぱり美味しい私ももっと先輩たちに近づきたいと思った。

学園祭参加!?
放課後、私は高校に行って好きなお菓子作りをして先輩たちの作ったお菓子を食べてとても楽しい日々を過ごしていた。
ある日、部活に行くと部長の芽依さんからある提案がなされた。ハロウィンの日、今年は日曜日だけど学園祭があるけれどよかったら花蓮ちゃんも私たちと参加しない?休みだし無理強いは出来ないけど。
私は部外者なのによろしいですか?是非とも参加させてください。中学校の友達も呼びますね。
学園祭に出演することは決まったがスマホがないと不便だなと感じていてママとパパにお願いをすると土曜日買ってもらうことが決まった。
土曜日、私はスマホの機種にこだわりはなくどれにしようか悩んでいたら水色のパステルカラーのスマホが目に入りかわいい、私これにすると意外と早く決まった。
スマホを手にすると私は早速芽依さんの連絡先を追加して明日の予定を確認した。智恵実ちゃんにメールをして明日、那古野総合高校で学園祭に出るからよかったら来て欲しいとメールを送った。
パパに明日那古野総合高校で学園祭に参加させてもらえることになるけれど予定時間に行くには始発のバスで行かなきゃ行けないと伝えるとそれなら車で送るよ、ママとパパも学園祭行きたいし。私はじゃあお願い。
学園祭当日、私は午前7時に家を出て途中コンビニでサンドウィッチと紅茶を飲んで高校に向かった。
私は調理室に行っていつもの3種類のクッキーを作り始めた。先輩たちもクッキーを作り終えて冷蔵庫で冷やした。模擬店の準備を終えて私は校内で呼び込みをしていた。
時間になるとママとパパが来てクッキーを買っていった。そしてしばらくすると千衣実ちゃんが私の焼いたクッキーを1枚ずつ買っていってくれた。
芽依は花蓮ちゃん、店番しているから色々回って来ていいよ。私は有難いですがなんの部活があって何をしているのか分からないので店番しているので先輩たち回って来てもらって大丈夫ですよ。
芽依は提案した。花蓮ちゃんも仲間だから遠慮しなくていいよ。じゃあまず私と花蓮ちゃんが店番するからみんな行ってきていいよ。どこでなにをしているか分からないと思うから花蓮ちゃんは私と一緒に回ろう。色々と案内するからさ。
私と芽依さん2人で店番をしていると午前中分のクッキーは全て売り切れた。芽依さんはホワイトボードに午前中分販売終了と書いてお店を後にした。
2人で歩いていると芽依のクッキー美味しかったよという声が聞こえてホント人気者なんだな。私も芽依さんのようになりたいと憧れをもった。
色んな部活の模擬店、催しを体験して午後の分のクッキーを焼くために調理室に向かった。
他の先輩たちは先に模擬店に書いてあった午前中分販売終了のホワイトボードを見て先にクッキーを焼いていた。私たちは焼きあがったから先に冷蔵庫で冷やしておくね。芽依も花蓮ちゃんも焼いていいよ。
2人でクッキーを作っていると先輩が2人ともお腹空いたでしょ、焼きそば買ってきたから食べなよ。
芽依はありがとう。クッキー冷やしている間に食べるね。私は調理部の方々って優しい方々ばかりですね。2人で焼きそばを食べた。
お昼を食べて午後分の販売を始めて開始1時間で売り切った。テントを畳んで片付けをして午後3時には完全に撤収した。
芽依は今からカフェでパーティしようよ。もちろん花蓮ちゃんも参加して。近くのカフェで2時間、女子会を行うと花蓮ちゃんはここから家まで遠いからカフェで解散でいいよ。後片付けしておくから。
私はスマホで調理部の人達と写真を撮って再びパパにカフェに迎えに来てもらった。
月日が流れて中学を卒業して智恵実ちゃんと中々会えず寂しいなと思っているとお互いに忙しいけれど年に1回は会おうよ。
私は作家、花蓮ちゃんは洋菓子屋の店員とお互いに夢を叶えよう。連絡先を知っているから常時お互いの報告をしようと写真を撮って別れを告げた。
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