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8本当のこと2
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ふと目が覚める。いつの間にか寝ていたみたい。
もしかしたら昨日までの全ては夢だったのかもしれないな。
温もりに包まれて、この抱き枕気持ち良い。
「…っ、ちょ、ちょお…!起きたんやったらちょい離れて…っ!」
頭上からの声に覚醒する。
見上げるとそこには抱き枕と化したカサトがいた。
勢いよく離れると、一人用の狭いベッドだということを失念していた。
「きゃっ!」
「ちょ!危ないって!」
落ちる手前でカサトの腕が背中に回る。助けてくれたのはいいけど、キツく抱きしめられて距離が近いんですけど!!
「カサト…っ近い…って」
「ん?別にええやん。俺ら夫婦やで?」
いつの間にそうなったのだろうか。彼の黒い瞳に、真っ赤な顔の私が映る。
「…目、見たらわかるやろけど、俺は古の勇者の子孫やねん。日記が残ってるって事が子孫やっていう証拠やねんけどな。幽閉された後、同じパーティやった者たちが力合わせて魔法で勇者の分身を作って、城から脱出して、一生懸命勇者を改心させたそうや。まぁ、改心するのは幽閉された時点で参ってたからすぐやったらしいけど。そのパーティの人と夫婦になって…辺境の地に村を作った。そこが俺の故郷。現村長は俺の親父」
遠い昔に現れた勇者の末裔。サカトの瞳に色濃く残ってる。
「こんな目の色やから…森で会った時は、レーナの事運命やって大っぴろげに言われへんかった。でも…我慢できん…かった。あかんわ、そんな顔したら。我慢してたのに…っ」
身体を密着させられ、サカトの顔が近づいてくる。
瞳を閉じ、口づけを受け入れた。
啄む様なキスに、角度を何度も変えるキス。唇を全部覆われたキスと、色々とされるけど初心者の私は鼻で息をするだけで必死だった。
背中に指を這わされ身体が震える。電流が走ったみたいな感覚に口から吐息が漏れると、すかさず舌が入ってきた。
私の舌を絡めとると、吸ったり押したりされてお腹の辺りがむずむずとする。
くちゅくちゅとした水音が、部屋に、頭に響く。どちらとも言えない唾液が端から漏れ、それを舐めとるとまた口内を慾られた。
も、もう無理。キャパが超えている!!
「だ…めっ!」
「ぐふっ!」
両肩を力強く押す。壁に身体が思い切りぶつかり、部屋が揺れた。
「わ、カサトごめん…大丈夫?」
「…あかん…無理かもしらん…」
よく見ると吐血している。
ええー!!とりあえず、
「ヒール!ヒール!ヒールー!」
回復魔法を連発した。
「…酷いわ、自分。受け入れてくれたやん。なんであそこで拒絶するんかな」
「しょ、しょうがないでしょ!私、キス初めてだったし…!」
「え!ほんまに!!?マジで!?めっちゃうれしんぐっ!」
「…うるさい!静かにして!」
朝寝坊のお陰でお昼ごはんを食べる事になった、宿の中はあまり人がいなくて大声で話すカサトが恥ずかしい。
自分のお肉をカサトの口にほおりこんだ。
「んまい!これが初めての共同作業か~!」
「違います!もう、変な日本の影響受けちゃってるんだから」
周りは、くすくすとバカップルを見る目になっている。あー恥ずかしい!!
「…ちょっと、無理やりじゃないよね?」
ディグが追加の飲み物を持ってきてくれ、じろりとカサトを睨んだ。
「へへーん、あと5年遅かったな、ガキ!レーナと俺は今日から夫婦になりました~」
「嘘だ!昨日あんなに喧嘩してたのに!嘘だよね!?レーナお姉さん!」
話をふられ、二人は私に集中する。
俯いて何とか声を振り絞る。
「…本当の事みたい…」
「嘘だ…!!」
「本当の事みたいってなんやねん自分!ハッキリ言ったらんかい!俺のレーナになったって!」
「…」
「やっぱり無理やり言わせてるんじゃないの?!」
ぎゃいぎゃいと言い合いがまた始まった。
女将さんは微笑ましそうにこちらを見てるし、他の客は邪魔しないようにと帰っていく。
聞くに耐えかねた私はテーブルを拳で叩いて。
「あーもーうるさい!私の国では結婚は16歳になってからなの!私まだ15歳だからすぐには無理!」
それに心変わりあるかもだし!
というのは口に出さないでおいた。
「え!待って!そういえば日記にも書いてたけど…!でもこの国では成人したらいいねんから、いいやん!」
「そ、それに、ここは一妻多夫制や一夫多妻制があるんだよ!僕だってレーナお姉さんの夫になりたいもん!」
「へ?」
「は?!」
思わぬ伏兵に間抜けな声が出てしまうのも無理はない。
「っ黙ってたのに!!こいつ~!」
「やっぱり!だろうと思ってたよ!ね、お姉さん!僕もお姉さんに一目惚れしたんだ。強くて美人で格好良くて可愛いレーナお姉さんが大好き!あと5年したら僕も夫にしてほしいな!」
えー!?
ヤバい。
本気でこの国の事を、イチから教わった方がいいかもしれない。
************
レーナにこれを貰って、一週間。
今日もパーティのみんなで、勇者と呼ばれるヒイロという女性を稽古している。
強く凛々しいヒイロ。儚く可憐なレーナ。似て非なるものなのに、どこか似ていると思ってしまうのは何故だろうか。
「そろそろ、ダンジョンや魔物の蔓延る森へ入ってもいいかもしれませんね」
この国の宰相が近づいてくる。
それに賛同し、次はここから一番近いダンジョンへ行く事に決める。
無意識に手首に収まるレーナから貰った物を、指先で引っ張ったり弾いたりする。
どういう造りで出来ているのか。鑑定が出来るキッキリでもわからなかった。
ただ、『レーナの加護』が付いていて。
僕だけに祈ってくれたレーナ。この想いが不用になる事などあるものか。
突然変わった態度を聞くまで。僕が納得出来る理由を聞くまで。それで僕がレーナを嫌いになるまでは。絶対に彼女を諦めないと誓う。
もしかしたら昨日までの全ては夢だったのかもしれないな。
温もりに包まれて、この抱き枕気持ち良い。
「…っ、ちょ、ちょお…!起きたんやったらちょい離れて…っ!」
頭上からの声に覚醒する。
見上げるとそこには抱き枕と化したカサトがいた。
勢いよく離れると、一人用の狭いベッドだということを失念していた。
「きゃっ!」
「ちょ!危ないって!」
落ちる手前でカサトの腕が背中に回る。助けてくれたのはいいけど、キツく抱きしめられて距離が近いんですけど!!
「カサト…っ近い…って」
「ん?別にええやん。俺ら夫婦やで?」
いつの間にそうなったのだろうか。彼の黒い瞳に、真っ赤な顔の私が映る。
「…目、見たらわかるやろけど、俺は古の勇者の子孫やねん。日記が残ってるって事が子孫やっていう証拠やねんけどな。幽閉された後、同じパーティやった者たちが力合わせて魔法で勇者の分身を作って、城から脱出して、一生懸命勇者を改心させたそうや。まぁ、改心するのは幽閉された時点で参ってたからすぐやったらしいけど。そのパーティの人と夫婦になって…辺境の地に村を作った。そこが俺の故郷。現村長は俺の親父」
遠い昔に現れた勇者の末裔。サカトの瞳に色濃く残ってる。
「こんな目の色やから…森で会った時は、レーナの事運命やって大っぴろげに言われへんかった。でも…我慢できん…かった。あかんわ、そんな顔したら。我慢してたのに…っ」
身体を密着させられ、サカトの顔が近づいてくる。
瞳を閉じ、口づけを受け入れた。
啄む様なキスに、角度を何度も変えるキス。唇を全部覆われたキスと、色々とされるけど初心者の私は鼻で息をするだけで必死だった。
背中に指を這わされ身体が震える。電流が走ったみたいな感覚に口から吐息が漏れると、すかさず舌が入ってきた。
私の舌を絡めとると、吸ったり押したりされてお腹の辺りがむずむずとする。
くちゅくちゅとした水音が、部屋に、頭に響く。どちらとも言えない唾液が端から漏れ、それを舐めとるとまた口内を慾られた。
も、もう無理。キャパが超えている!!
「だ…めっ!」
「ぐふっ!」
両肩を力強く押す。壁に身体が思い切りぶつかり、部屋が揺れた。
「わ、カサトごめん…大丈夫?」
「…あかん…無理かもしらん…」
よく見ると吐血している。
ええー!!とりあえず、
「ヒール!ヒール!ヒールー!」
回復魔法を連発した。
「…酷いわ、自分。受け入れてくれたやん。なんであそこで拒絶するんかな」
「しょ、しょうがないでしょ!私、キス初めてだったし…!」
「え!ほんまに!!?マジで!?めっちゃうれしんぐっ!」
「…うるさい!静かにして!」
朝寝坊のお陰でお昼ごはんを食べる事になった、宿の中はあまり人がいなくて大声で話すカサトが恥ずかしい。
自分のお肉をカサトの口にほおりこんだ。
「んまい!これが初めての共同作業か~!」
「違います!もう、変な日本の影響受けちゃってるんだから」
周りは、くすくすとバカップルを見る目になっている。あー恥ずかしい!!
「…ちょっと、無理やりじゃないよね?」
ディグが追加の飲み物を持ってきてくれ、じろりとカサトを睨んだ。
「へへーん、あと5年遅かったな、ガキ!レーナと俺は今日から夫婦になりました~」
「嘘だ!昨日あんなに喧嘩してたのに!嘘だよね!?レーナお姉さん!」
話をふられ、二人は私に集中する。
俯いて何とか声を振り絞る。
「…本当の事みたい…」
「嘘だ…!!」
「本当の事みたいってなんやねん自分!ハッキリ言ったらんかい!俺のレーナになったって!」
「…」
「やっぱり無理やり言わせてるんじゃないの?!」
ぎゃいぎゃいと言い合いがまた始まった。
女将さんは微笑ましそうにこちらを見てるし、他の客は邪魔しないようにと帰っていく。
聞くに耐えかねた私はテーブルを拳で叩いて。
「あーもーうるさい!私の国では結婚は16歳になってからなの!私まだ15歳だからすぐには無理!」
それに心変わりあるかもだし!
というのは口に出さないでおいた。
「え!待って!そういえば日記にも書いてたけど…!でもこの国では成人したらいいねんから、いいやん!」
「そ、それに、ここは一妻多夫制や一夫多妻制があるんだよ!僕だってレーナお姉さんの夫になりたいもん!」
「へ?」
「は?!」
思わぬ伏兵に間抜けな声が出てしまうのも無理はない。
「っ黙ってたのに!!こいつ~!」
「やっぱり!だろうと思ってたよ!ね、お姉さん!僕もお姉さんに一目惚れしたんだ。強くて美人で格好良くて可愛いレーナお姉さんが大好き!あと5年したら僕も夫にしてほしいな!」
えー!?
ヤバい。
本気でこの国の事を、イチから教わった方がいいかもしれない。
************
レーナにこれを貰って、一週間。
今日もパーティのみんなで、勇者と呼ばれるヒイロという女性を稽古している。
強く凛々しいヒイロ。儚く可憐なレーナ。似て非なるものなのに、どこか似ていると思ってしまうのは何故だろうか。
「そろそろ、ダンジョンや魔物の蔓延る森へ入ってもいいかもしれませんね」
この国の宰相が近づいてくる。
それに賛同し、次はここから一番近いダンジョンへ行く事に決める。
無意識に手首に収まるレーナから貰った物を、指先で引っ張ったり弾いたりする。
どういう造りで出来ているのか。鑑定が出来るキッキリでもわからなかった。
ただ、『レーナの加護』が付いていて。
僕だけに祈ってくれたレーナ。この想いが不用になる事などあるものか。
突然変わった態度を聞くまで。僕が納得出来る理由を聞くまで。それで僕がレーナを嫌いになるまでは。絶対に彼女を諦めないと誓う。
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