大量チートスキルをイマイチ使いこなせない勇者〜それは召喚に巻き込まれた私でした〜

MIILU

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16断罪と謝罪と

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門番にギルドカードを見せ、走って宿へ向かう。

最上階に泊まっていると言っていた。

途中の階段で緋色を見かける。



「きゃっ」



今の私は、多分風よりも早い。

最上階に付き、王家の紋章が入った扉をノックする。急いで上がってきた緋色が私を見て驚いていた。

開かれた扉の先、窓の所にドラコが見えた。



「…!レーナ…!」



私を見るなり喜んで立ち上がり、腕を広げ、さぁ飛び込んでおいで!と待ち構える。



「ドラコォー!」



どうしても許せなかった。私の純潔を、夢の中で奪ったドラコが。次の日の朝の、私のモンモンとした、あの感情を!返せ!

気づくとドラコの鳩尾を殴っていた。

身体が吹っ飛んでいき、窓が、壁が壊れてそのまま飛んでいく。

それを受け止めたのは、カサトだった。

屋根の上でキャッチし、その場に倒れ込む。



「ぅわー!やっぱり!レーナ!やめぇ!」

「…やめれるわけないでしょ?ドラコは私の気持ちを無視して、あんな夢を…!」

「玲奈!待って!どうしたの?!」



壊れた窓枠に身を乗り出す。

緋色が私を止めようとしたけれど、私はドラコを許せなかった。

建物から向こうの屋根までは少し遠い。

だけどそんなの関係ない。身を持って教えてあげる!

蹴り出して向こうの屋根まで一直線。ドラコ目掛けて拳を振り上げた。



「あかんて!冒険者同士は決闘以外で殺したら牢獄行きや!!」



カサトはドラコを庇って、私の拳はカサトの言葉で止まった。

殺す?そこまでするつもりはない。だけど、眼下のドラコはヒューヒューと虫の息で、青白い顔で吐血もしている。鳩尾はベコっと減っこんでいた。



「…パーフェクトヒール…」



殺したいわけじゃない。

カサトがいてくれて良かった。今私を止められるのはカサトだけだから。

ドラコに、私の怒りを知ってほしかった。

もう多分、これで十分伝わったと思う。





「…申し訳なかった…」



王家御用達の部屋の中。

割れた窓と壁を元通りにして。

私は椅子に座り、腕を組み足を組み、ドラコを見下ろしている。

ドラコは私の目の前で土下座し、カサトは私の後ろに立っている。

緋色はドラコの横で私とドラコを交互に見るし、他のメンバーは遠巻きにベッドの所で正座していた。

私が怒ってるのはドラコだけなんだけど。

はぁ、とため息をついて、現実にされた事じゃないから。



「…いいわ、許します」

「レーナ…!ありがとう!もう見せないと誓うから」

「見せない、ではなく!入って!来ないでね!」



それは、と口籠っていたから睨んで制す。

イケメンドラコの面影はない。

イタズラがバレて叱られた子供の反応だ。



「まぁー、何の夢か俺はあえて聞かんけど、俺も怒ってないわけじゃないからな!」

「…貴様はあの時の借りがあるのではないか?」



そういえば、見せて貰ったとか言ってたな。

その事についても後で聞き出さないとね。



「助けたったやろ、貸し借りなしや」

「それに、僕はレーナを諦めた訳じゃない。カサトに先を越されたのは癪だが、僕だってまだ権利はある筈だ」



跪き、ゴムが嵌められた方の手で私の左手を取り、薬指の指輪に口付ける。

まるで騎士のように。



「…二番目は、是非僕を夫に迎えてほしい」

「えっ!?」

「ちょお、何勝手に触っとんねん自分!」



カサトはドラコの胸元を掴んでじゃれ合うし、緋色は喜々として私とドラコを交互に見るし。

はぁ。ずっっとため息が出てしまう。

そして何やらヒソヒソ話していた二人は意気投合して、



「ドラコの事も少しは想ったってくれな?」



と何か諭されたらしいカサトはドラコと肩を組んで親指立ててきてこんな事言ってくるしで。私の気持ちは無視か!!

緋色は小声で玲奈モテモテね。とか言ってくる。

イケてるのかダメンズなのかわからない人たちにモテられても!

調子を戻したドラコが真面目な顔をして口を開いた。



「それで良ければ、魔王討伐にレーナとカサトも協力してほしい。一緒に旅が出来ないだろうか」



それは、どうしよう。

私は嫌だな。

ドラコたちと一緒が嫌とかではなく、国王の所に私の話がいけば何かしら仕掛けてきそうで嫌だ。

最低限の物は貰えたけど、見知らぬ土地に放り出された私の心の傷は、すぐには癒えない。



「うーん…それはなしやな!俺らまだ蜜月やから、当分二人がいいわ」



私の表情を汲んでくれたカサトは、ドラコから離れて私に近づいてきてくれる。

ドラコを抱いていた腕が、今度は私の肩に回る。



「ほな、この話はなかった事にしてー。じゃあな!」

「待ってくれ!」



立ち上がり部屋を後にしようと肩を押される。

ドラコの必死な声に驚き振り返った。



「では、魔王を討伐したら…僕を夫に迎えてくれる事を前向きに検討してほしい…」



その姿があまりにも真剣だったから、



「…わかった。それまでに、私を好きでいてくれたらね?」

「ありがとう!なるべく早く討伐するから…!」



胸の真ん中に握り拳を作る。

清々しい程真っ直ぐ私を見るから、少し見惚れてしまった。



「はいはい!それまでに死なんよーにな!」

「お互いにな!レーナを守ってくれよ!」

「言われんでも」



変な友情が芽生えたのかな?

緋色に手を振って、部屋を後にした。





自室へ戻り、何故かベッドに押し倒されてしまった。そしてキスの雨が降ってくる。



「んっ、それにしても、よく打ち解けた、ね?」

「ん…?あぁ、やっぱり…なぁ…は…っ」



キスの合間に聞きたい事を問う。

やっぱり、『冒険者はなぁ!冒険しとったらいつ死ぬかわからんねん!そんな時に自分の好みの女見つけたら必死になって口説くに決まってるやろ!』だからなんだろうか?

同じ男として、同じ冒険者として思う事があったのだろう。



「くすくす…」

「…何、笑うてんねん、自分…そんな余裕なくしたる」

「あっんっ、まだ、聞きたい事…あるのにぃ…」



下着の中に手が入り、茂みに隠れた核を摘む。

甘い声が出ちゃう。



「…嫌やったんやろ?実際…あいつらの事つけとる奴もおるみたいやしな…」

「そ、それって…!」

「はぁ…っ多分国王の影か何かやろ…っマッピングつこて扉のとこ見てみ」



言われた通りマッピングで扉を見ると、誰かが扉の前に立っている。聞き耳でも立てているんだろうか。



「ぃやぁっ」

「…おるやろ?多分レーナ…が同じ名前やけど見た目違うから、どう報告しようか迷ってんちゃうか…っとりあえず」



『遮音』せぇ。と耳元で、耳たぶを舐めながら言うから、声が出てしまった。



「ふぁ…んっ『遮音』…っ」

「あーあ、俺だけのレーナの声やのにぃ。聞かせてもたやんか」

「…じゃあ触らない…っでよぉ」

「…それは無理や。さっきまでドラコとの事でイライラしとんねんから、こっちは」

「あぁぁーっ!」



ズボンと下着を脱がし、慣れさせるのもそこそこに、あそこにカサト自身が入ってくる。

無理矢理開かれたそこは、十分に濡れていてカサトを受け入れた。

まだ慣れていないのに私の腰を持ち、激しい挿入を繰り返すカサトは怒りを私にぶつける。



「はは、俺のをきゅうきゅう締め付けて離さん。あぁ、俺の、俺だけのレーナやったのにっ」

「ぁっあっあぁんっ」



気持ちいい所に突いてくる。ずっと、ずぅっと。



「ナニ見せられたか聞かん、聞きたくないっ。俺だけのレーナや…っ!気持ちえぇやろ?あいつよりも!」

「やっ!そんなの…!」



覚えてないよ!私の夢に勝手に入ってきて、寝たままの私にあんな事!



「コラ!なに!思い出しとんねん!今締まったのは、思い出したんやろ!」

「ぃやぁっ!ち、違うぅっ!」

「じゃあ俺を安心させぇ!俺ので感じまくってるって、気持ちいいって言えや!」

「やぁぁぁっ!イク、イッちゃうからぁぁぁ!」

「俺のでイケや!」



身体が一層跳ね、息も絶え絶えなのに舌を絡められて矯声がくぐもる。



「はっ、はぁっ、やっ!まだ!」

「…残念やな、俺はまだイッてない」



あぁ、この表情になったカサトは私には手がつけられない。イタズラっ子の様に笑う、カサトには。



真っ昼間から致してしまい、誰かに聞かれていたかと思ったら余計に感じてしまった。

嫉妬の鬼と化したカサトは、夕食を部屋で取った後も私を抱いた。

それは、私の意識がなくなるまで続いた。
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