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第一章.転生、ペンギンになる
ステータス、崩壊
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ペンギンに転生した涼雅改めペンガは、氷河地帯の探索を開始した。
少しゆっくりしていたいのだが、場所が場所なのでペンギンの羽毛を持ってしても流石に寒い。
元が人間なので尚更で、そろそろ凍死しかねないので已む無くそうしたのだ。
大体察するに、ここは表現するならば異世界であり、全く未知の世界。
今まで培ってきた知識や常識が通用しないのは衆知の事実でもある。
地球には無いような超常的な力の一つや二つあっても可笑しくないだろう。
要は魔法があるのだろう的な。
「なんか、なんかないのか?」
先程からこの調子でずっと魔法の使用方法を探している。
まず魔法があるかどうかも分かっていないのに。
本当に滑稽である。
つまらないより幾分もマシではあるが。
すると突然、涼雅は体全体を駆使して何かをしだした。
手を上に突き上げたり、はたまた下に振り下ろしたり、あらゆる行動をとった。
これは以前に読んだ小説で、主人公が自分のステータスを見るためにとった行動なのだが、最終手段でもあるのだが。
「あ、出た」
予想外。
涼雅が腕を右に振ると同時に何かが表示された。
見慣れた、パソコンのウィンドウのような。
再度腕を振ればウィンドウは消える。
「ほうほう」
興味深々にそれ、一応スキルウィンドウ(ペンガがそう言ってるだけ)を覗くと、それはそれは面白い事が記されていた。
『攻撃力一万
防御力一万
魔力∞
〈特性〉
全物理攻撃反射
全魔法攻撃反射
全属性魔法威力増加
魔力自動再生
自動魔力結界生成
全スキル修得
全言語翻訳
身体能力強化
〈スキル〉
スラッシュ
転移
ヒール』
一度中二病を患っていた涼雅でも、つい顔がニヤついてしまう程の崩壊っぷり。
ここまで来るともう清々しい。
その中でも特に目を釘付けにさせたのは、【全物理攻撃反射】【全魔法攻撃反射】。
大体がチートのこの中で異彩を放つそれは、文字だけでも効果が想像できとても面白い。
二つ合わせれば全攻撃を反射出来る、言わずもがな本当のチート能力だ。
また、今涼雅が最も欲していた魔法ではないがスキルもある。
【転移】だ。
条件があれば都合が悪いが、現状一番有難いスキルで、今すぐにでも使いたい。
「よし、まずは転移だ!」
勿論、使用方法なんて知っている訳がない。
なので少し考え込む。
(‥‥‥‥)
けれども、結局何も思い付かないので適当に。
「転移」
ポツリと呟くように言うと、自身の周囲を囲うように淡い光を放つ粒が集まり円を作る。
次第に広がり、十秒もすれば体全体を包み強い光を発してペンガを別の地点に転送した。
転送が完了すると、光は辺りに散りばめられ、自然に戻る。
「これ凄いな」
自分で発動させたが初回であることも重なり、抱いた感心は強い。
何度でも発動したくなるような、幻想的な光景だった。
ところで、物語によくある定番な出来事の一つに、【転移】を行ったら変な場所に転送されるというものがある。
何も考えずに【転移】しようとすると、女の子の友達のお風呂場に行ってしまう某少年のパターンは、悪化して異世界に受け継がれている。
そう、今の涼雅のように。
何も考えず、【転移】した代償は大きい。
そんな生ぬるさは微塵も存在していない。
(な!?)
「え!?」
予想していなかった分、驚きは大きい。
湯煙が立ち込めるこの空間、嫌な予感しかしない。
ペンガの目の前には前世で見たことのないような美少女が驚き、同様の表情をしていた。
初めて見てしまった。
異性の裸体というものを、隅々まで。
同時に申し訳なさが立ち込み、その場で堂々と日本で染み着いた奥義を繰り出した。
「すみませんでした!!」
「え!?」
土下座である。
必死に非を謝罪するペンガの姿をみて、少女は唖然とする。
言葉が出せても「え!?」だけだ。
僅かな沈黙が場を支配する。
少しして、ようやく出来事を理解した少女は頬を朱に染めた。
「どうしてここに魔物が!?」
「いや、これはあの、【転移】が!あぁ、なんて説明すればいいんだ!?」
恥ずかしさが頂点に達し、謎の魔法を発動しかける少女に、ペンガは危機感を感じ即座に弁解する。
このままでは本当に殺され兼ねない。
(ヤバい)
対応策を考える時間すら与えられず、少女の魔法は発動する。
頭上に現れる何千もの文字が刻まれた魔方陣が現出され、瞬時に電撃が撃ち落とされた。
ペンガは多少ダメージを緩和させるため、両手を電撃に突き出した。
と、その瞬間。
ペンガに電撃が直撃する直前に、何かによって電撃が魔力共々破壊され、少女に向けて再構築される。
再構築されたそれは、一直線に少女へ跳ね返る。
「私の攻撃を打ち消した!?」
たった数秒の間に起こった事を、少女は見破り被弾までに対応策を叩きだし実行する。
魔力を溜め込み変形させ、巨大な壁を作り電撃を相殺させた。
これが【全魔法攻撃反射】の能力。
ペンガの一センチ先に存在する魔力空間に魔法攻撃が触れることでそれ消滅させ、それと同等のものを再構築し相手へ放つ。
加えて自動追尾昨日付き。
「今のが、【全魔法攻撃反射】‥‥」
両者が両者をまともではないと悟る。
攻撃しようなんて考えは両者共にない。
あるのは、ただ一つ。
「話をさせてほしい」
「話をしない?」
少しゆっくりしていたいのだが、場所が場所なのでペンギンの羽毛を持ってしても流石に寒い。
元が人間なので尚更で、そろそろ凍死しかねないので已む無くそうしたのだ。
大体察するに、ここは表現するならば異世界であり、全く未知の世界。
今まで培ってきた知識や常識が通用しないのは衆知の事実でもある。
地球には無いような超常的な力の一つや二つあっても可笑しくないだろう。
要は魔法があるのだろう的な。
「なんか、なんかないのか?」
先程からこの調子でずっと魔法の使用方法を探している。
まず魔法があるかどうかも分かっていないのに。
本当に滑稽である。
つまらないより幾分もマシではあるが。
すると突然、涼雅は体全体を駆使して何かをしだした。
手を上に突き上げたり、はたまた下に振り下ろしたり、あらゆる行動をとった。
これは以前に読んだ小説で、主人公が自分のステータスを見るためにとった行動なのだが、最終手段でもあるのだが。
「あ、出た」
予想外。
涼雅が腕を右に振ると同時に何かが表示された。
見慣れた、パソコンのウィンドウのような。
再度腕を振ればウィンドウは消える。
「ほうほう」
興味深々にそれ、一応スキルウィンドウ(ペンガがそう言ってるだけ)を覗くと、それはそれは面白い事が記されていた。
『攻撃力一万
防御力一万
魔力∞
〈特性〉
全物理攻撃反射
全魔法攻撃反射
全属性魔法威力増加
魔力自動再生
自動魔力結界生成
全スキル修得
全言語翻訳
身体能力強化
〈スキル〉
スラッシュ
転移
ヒール』
一度中二病を患っていた涼雅でも、つい顔がニヤついてしまう程の崩壊っぷり。
ここまで来るともう清々しい。
その中でも特に目を釘付けにさせたのは、【全物理攻撃反射】【全魔法攻撃反射】。
大体がチートのこの中で異彩を放つそれは、文字だけでも効果が想像できとても面白い。
二つ合わせれば全攻撃を反射出来る、言わずもがな本当のチート能力だ。
また、今涼雅が最も欲していた魔法ではないがスキルもある。
【転移】だ。
条件があれば都合が悪いが、現状一番有難いスキルで、今すぐにでも使いたい。
「よし、まずは転移だ!」
勿論、使用方法なんて知っている訳がない。
なので少し考え込む。
(‥‥‥‥)
けれども、結局何も思い付かないので適当に。
「転移」
ポツリと呟くように言うと、自身の周囲を囲うように淡い光を放つ粒が集まり円を作る。
次第に広がり、十秒もすれば体全体を包み強い光を発してペンガを別の地点に転送した。
転送が完了すると、光は辺りに散りばめられ、自然に戻る。
「これ凄いな」
自分で発動させたが初回であることも重なり、抱いた感心は強い。
何度でも発動したくなるような、幻想的な光景だった。
ところで、物語によくある定番な出来事の一つに、【転移】を行ったら変な場所に転送されるというものがある。
何も考えずに【転移】しようとすると、女の子の友達のお風呂場に行ってしまう某少年のパターンは、悪化して異世界に受け継がれている。
そう、今の涼雅のように。
何も考えず、【転移】した代償は大きい。
そんな生ぬるさは微塵も存在していない。
(な!?)
「え!?」
予想していなかった分、驚きは大きい。
湯煙が立ち込めるこの空間、嫌な予感しかしない。
ペンガの目の前には前世で見たことのないような美少女が驚き、同様の表情をしていた。
初めて見てしまった。
異性の裸体というものを、隅々まで。
同時に申し訳なさが立ち込み、その場で堂々と日本で染み着いた奥義を繰り出した。
「すみませんでした!!」
「え!?」
土下座である。
必死に非を謝罪するペンガの姿をみて、少女は唖然とする。
言葉が出せても「え!?」だけだ。
僅かな沈黙が場を支配する。
少しして、ようやく出来事を理解した少女は頬を朱に染めた。
「どうしてここに魔物が!?」
「いや、これはあの、【転移】が!あぁ、なんて説明すればいいんだ!?」
恥ずかしさが頂点に達し、謎の魔法を発動しかける少女に、ペンガは危機感を感じ即座に弁解する。
このままでは本当に殺され兼ねない。
(ヤバい)
対応策を考える時間すら与えられず、少女の魔法は発動する。
頭上に現れる何千もの文字が刻まれた魔方陣が現出され、瞬時に電撃が撃ち落とされた。
ペンガは多少ダメージを緩和させるため、両手を電撃に突き出した。
と、その瞬間。
ペンガに電撃が直撃する直前に、何かによって電撃が魔力共々破壊され、少女に向けて再構築される。
再構築されたそれは、一直線に少女へ跳ね返る。
「私の攻撃を打ち消した!?」
たった数秒の間に起こった事を、少女は見破り被弾までに対応策を叩きだし実行する。
魔力を溜め込み変形させ、巨大な壁を作り電撃を相殺させた。
これが【全魔法攻撃反射】の能力。
ペンガの一センチ先に存在する魔力空間に魔法攻撃が触れることでそれ消滅させ、それと同等のものを再構築し相手へ放つ。
加えて自動追尾昨日付き。
「今のが、【全魔法攻撃反射】‥‥」
両者が両者をまともではないと悟る。
攻撃しようなんて考えは両者共にない。
あるのは、ただ一つ。
「話をさせてほしい」
「話をしない?」
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