前世から続く底辺転生者の這い上がり〜転生してもハズレスキルでまた底辺に〜

赤井水

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少年期

1章1話

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俺が崖から飛び降りて6年が経った。

「坊っちゃま流石にございます。流石ガード家の神童でございますね!」

この人は家庭教師のガーベラさんだ。

そう俺は転生した。
剣と魔法の世界に!

「ありがとうございます!ガーベラ先生。これからもガード家に相応しいように精進します!では失礼します!」


俺はガード家の三男として転生した。
今世の名前はアロウ・ガードだ。

神童なんて呼ばれているが、当たり前だ。
算術や読み書きは日本での知識があれば多少は出来てしまう。


この世界では俺は恵まれた家に生まれた。
ガード家は、ここザジス王国の伯爵家だ。
建国史からある伝統ある家柄だ。

代々家の者は9歳で教会から受けるスキル授与の儀式で優秀なスキルを受け取り王国の繁栄に協力してきた。

俺もガード家の名に恥じない様に勉強や剣と魔法の訓練をし。
スキル授与までの間研鑽していこうと決めて打ち込んだ。

「おや、今日も精が出るねアロウ。」

「クロウ兄様!ありがとうございます!僕も兄様の様になりたいですから!」

この人は俺の5歳上の兄様でガード家の長男だ。
スキルは【雷】と言うとても強力なスキルだ。

剣に付与する事も出来て、雷魔術も扱え更に自身の体を雷化する事も出来て。

今年、学園を飛び級で卒業した後は軍に入る事が決まっている優秀な兄だ。
学園は貴族子女や商人子女が10歳から5年間通う場所だ。


「ふふふっ、そんなに慌てなくてもアロウのペースでやっていけばいいよ。そんなアロウにご褒美だ。私と剣を合わせようか?」

「はい!お願いします!」

俺たち2人は剣の訓練所へと向かった。


少し距離を置き、互いに木剣を持って向かい合った。

「よし!アロウ身体強化を使っても良いから全力で来なさい!」

「はい!クロウ兄様!」
俺はそう言うと全身に魔力を循環させ、身体強化をかけてクロウ兄様へと木剣で切りつけた。


「ふふ、良いね前よりも踏み込みが鋭くなってるよ」

そう言いつつ簡単に返して来るのがクロウ兄様だ。
俺は神童と呼ばれているけど実際は前世の記憶があるからだ。
本当の神童は間違いなくクロウ兄様の方だろう。

俺は何度も攻め込もうと木剣を振るうがクロウ兄様はいとも簡単に受け流されてしまう。

「くっ、ならば」

俺はクロウ兄様へと突っ込んで行く途中に重心移動でフェイントを仕掛けた。

「おっと、危ない危ない。そろそろ体力の限界かな?」

そう言うとクロウ兄様は忽然と目の前から消え。

「これで勝負ありだね」

後ろから聴こえた声で俺は初めて背後を取られたことに気が付いた。

「降参です」
まさにショボーンと言った効果音が出る程凹んでいる俺だが。

「いやいや、こんなに私と打ち合いの出来る人の方が少ないからアロウはそんなに落ち込まなくても大丈夫だよ」

そう言って頭を撫でながら慰めてくれた。

「はい!もっと兄様に追い付ける様に頑張ります!」

「アロウもスキル授与すれば色んな道が見えるさ。それまで沢山の道が見える様に頑張るんだよ?」

「はい!兄様!」

俺とクロウ兄様はそんな会話した後。クロウ兄様は学園の寮へとまた帰って行った。


「あんなにかっこいい兄様みたくなりたいな」



俺はクロウ兄様との手合わせを終えた後、父に呼び出され父の執務室に来た。

コンコンコンッ

入れ

「失礼します」

俺は執務室に入室すると、父は笑顔で出迎えてくれた。

「おぉ、来たかアロウ先程クロウから中々剣術も様になってきたと話が上がっていたぞ」

「ありがとうございます父上」

この人はルドルフ・ガード俺の父親だ。
前世の父親とは違いしっかりと働いていて俺を気に入ってくれている。

「それで父上、何か御用が有ったのでしょうか?」

「あぁ、その事なんだがなお前の柔軟な思考を借りてアドバイスが欲しくてな」

この間たまたま父に排水口の詰まりが頻発するって言うから
何処か途中にゴミ取り用の網を置いて定期的に取り除けば円滑に行くのでは?と答えた所絶賛されたんだよな。
前世の知識からの浅知恵だ。

「それで今回はどの様な事で困ってらっしゃるのでしょうか?」

父に俺は今回の問題を聞く。

「あぁ、この我々も使っている照明の魔道具があるだろう?陛下がいちいち布を付けて部屋を暗くしても微妙に漏れて眠りづらいと仰られてな」

この世界の照明事情は基本的に貴族や金持ちは魔道具の照明を使い。
庶民は魔物や獣の脂を使ったランタンを使っている。

この魔道具は魔物から取れる魔石に雷系統の刻印を入れて魔力を込めることて刻印を通して魔力を雷に性質変化を起こして使う訳だ。

電気で言うと直接電気を流すのと同じだから直流だ。

「そういう事ですか…ならこう言うのはどうでしょうか?」

俺は父ルドルフに1つ提案した。

「魔石を2つにすると言うのはどうでしょう?」

「ふむ?それでどうなるんだ?」

「父上も大規模魔術を使う時に魔力譲渡や連結魔術を使いますよね?」

「あぁ、そうでなければ魔力が持たんからな」

「ならそれと同じです。魔力供給源を新たに取付けた魔石にして、使わない時は雷系統の刻印には一切魔力を入れなければ照明は付かないという訳です。つまり使う時は供給、使わない時はその流れを分断してしまえば雷系統の刻印が付いた魔石は魔力が無いので照明は消えるという訳です」

「ほう。そういう事か、実現可能か魔道具技師に聞いてみよう。アロウ助かったぞまた頼む」

「お役に立てたのであれば良かったです。それでは僕はこれで失礼します」

俺はそう言って父の執務室から出て自室に向かった。


その執務室では、

「ふふふっ、こんな考え方があったとはな。これで陛下の覚えめでたくば儂も陞爵出来るかもしれん」


その後も、父ルドルフは何かとアドバイスを求めてきてその都度会話や、アイディアを出した。

俺の案は全て父の多大なる功績になっていて、
その功績により爵位まで上がったとは露知らず俺はのほほんと楽しく過ごしているのであった。

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