前世から続く底辺転生者の這い上がり〜転生してもハズレスキルでまた底辺に〜

赤井水

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少年期

3章1話

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俺は、何してたんだっけ?
目を開けるとそこは穴の底だった。

ヤツらに襲われ落ちて痛みで気絶してたのか。

とりあえず腕を見てみる槍が貫通してるが骨は避けてる様だ。
身体強化を掛けていた為他の場所も打撲はあれど骨折はしてない。

そうなると俺はヤツらへの憎しみで心を支配されていた。

「まずはここを出ないとな。」
罠である以上ここを出る術は無いかもしれないとは思いながら穴の底を1周まわってみる。

「はぁ、無いか。んじゃ次は【零氷】」
俺はスキルを使い溶けない氷を階段代わりにしようと使い始めた。

上を見ると出口は遠く20m位の高さから落ちた事がよく分かる。

今まで強力すぎるスキルの為使い慣れてない。
慎重に慎重に登り始めた。

しかし1/3程登った所で急に目眩がしてきた。
出血のせいか?それとも氷のせいで体温低下のせいかどちらかは分からない。
俺はここで死ぬのかと戦々恐々としながら寒いのでは無く恐怖でガチガチ歯が鳴っていた。

多分今ここで槍を抜いたら出血多量で死ぬ事くらいわかっているので。
血がこれ以上出ないようにする為俺は治癒魔術をかけた。
『ヒール』
治ろうとする力が働く為腕がズキズキと痛む。
この痛みによって気付けがわりになるだろうと俺はまた【零氷】を使い登って行った。

気力の限界に達した為。
俺は縦穴の中腹に『ロック』を何回もぶつけ子供1人分入れる程の穴を掘り。

カバンの中の薬草を取り出し。
口の中に入れ細かく噛み飲み込んだ。
ポーション素材なのである程度効果があればいいなあと期待をしながら俺は眠りに着くのであった。


~冒険者ギルドside~

今、ギルドの会議室で3人の人間が話し合いをしていた。

「ふむ、それでEランクダンジョン群で何か気になる事でも?」
迷宮街冒険者ギルドマスターのウォー・グレンだ。
元S級冒険者で片目を失った事で引退した。
40代の赤髪のオールバックのおっさんだ。

「えーっとですね。Eランクダンジョン群にCランクパーティーの斧一鉄が姿が現す事自体おかしいので何かギルドの方で依頼でも出しましたか?」

そうこの人はダンジョン群の門番をしていてC~Eランクダンジョン群の門番を持ち回りでしている為それなりに付近の冒険者の顔を知っていた。

「ん?そんな報告あったか?ミーナ誰か頼んだ奴が居るかもしれんから一応確認しといてくれ。あったとしてもヤツらには頼まんがね」

「はい!分かりました確認して来ます!」
そう言うとミーナは受付に戻って行った。

はぁ、とため息をつくギルドマスター。
「今朝は直営店の宿で窃盗、次は冒険者達の不審者。そして世界のスキルへの激動。厄介事だらけだな」


そうギルド本部からスキル変質があった者は居ないのか確認が入って。今日は一応聞いて回る事に業務を逼迫させられてたのだ。

コンコンコン
ノックをされミーナとランが入ってくる。

「どうだった?」

ミーナとランは首を横に振り
「その様な報告も無ければ、依頼もしてないそうです。」

ギルドマスターはその時ふと閃く。
「ミーナは今朝窃盗があった宿の名簿を貰ってきてくれ。」

「はいっ!」
すぐに出ていくミーナ。

「推測に過ぎんがな。斧一鉄はアロウとやらを襲いに行ったんじゃないか?
金貨17枚も持っていた小僧だぞ?
貴族の子女と勘違いした可能性もある。ラン、すぐに今居る冒険者でBランクは一応斧一鉄達の同行を調査してくれ。
  そしてアロウという白髪の少年がどこのダンジョンに潜ったか調べてみてくれ。
ミーナの報告を聞くと、気に入っていたみたいだからな」

「はい、すぐに手配します。この事は口外禁止ですよ?」

ランはすぐさま門番へ口止めと門番達にもしアロウが出てきた場合。
保護する様に頼み。

2人共出ていった。

「彼が見た限りでは斧一鉄は荷物も持ってなかった様だしもう……いや考えておくのはよそう。10年振りに起きてしまった不祥事だな」


そう言うとウォー・グレンは葉巻に火を点け紫煙を吐き出すのであった。




俺は腕の痛みで朝目覚めた事に感謝した。
「良かった生きてた」

それだけだった。

俺は今日こそこの穴から抜け出す事を目標に【零氷】を使い始めた。

このスキルを使い始めてから頭が冷えていく気がする。
物事の思考を冷酷に巡らせ奴らをどう八つ裂きにするかアイディアが浮かぶ。

昨日と同様に慎重に登り始めて体感的に3時間位経った時にまた目眩がしてきた。
これはスキルか?
スキルは神から与えられた能力であり一般的に疲労すると言うのは聞いた事がない。

でも魔力を使っても無いのに目眩はおかしい。
スキル力でも言うのか人間に眠ってる仙気と言うのかチャクラと言うのかは分からないが何かしらの力は使ってると見るべきだな。

少し休む為にまた薬草を、口の中ですり潰し俺はうげぇってなりながらも口の中に生活魔術の『給水』を使い薬草を流し込んだ。

昨日はそこまで苦味を感じて無かったけど今日は出口が後、5m程まで見えてきてる為、
心に余裕が出来て味がしっかりと分かってしまった。

「クソ苦い。昨日はボロカス泣いちまったからもう恥ずべき事は?事は、事は……漏らした事くらいか」

あぁそうだよ痛みで下からも涙も噴水の如く流しちまったよ。
思い出したら恥ずかしい。

上に上がったら湖で体を洗った後、着替えないとな。


休みをとった更に3時間後俺はやっと……やっと穴から這い出てきた。

しめて2日か。
気絶した時間がわからんから3日かもしれない。

とりあえず洞窟を出て近くの湖へと向かう。

魔物が居ないことを確認して俺は下半身だけ水に浸かった。
「ダンジョン内の気候が温暖で変わらなかったのも助かった要因だな。」

搾取しまくってる俺たちがダンジョンに生き残らせてくれてありがとうって言うのも何かおかしいけどな。

俺は上半身は槍が貫通している為脱げないので下半身だけを着替えてその服は洗えないのでその辺の草原に捨てて燃やした。

洞窟に居た為体温が下がってる上に水に浸かったからな。

多少えぐい臭いはする物の。
火に当たって多少は温まった。

ここに太陽は無いはずなのに疑似太陽光を浴びると体が暖まるのは不思議だ。

そうここから出れるとなると腹の底からふつふつと怒りが込み上げてくる。

「ヤツらタダで死ねると思うなよ【獄炎】」
俺は出口までの道の草原を一直線に焼き払った。

この炎を見た連中は火を吐きながら街を破壊するあの怪獣の様に見えているだろう。
そもそもこのスキルの威力はEランクでは防げんからな。

あ?巻き込まれた奴が居たら?知らんよ
俺の打つ方向に居たのが運の尽きだよ。

一瞬で蒸発するんだどうでもいいだろう?

俺は運良くダンジョンボスを倒せていたら一瞬で出れたのになーなんて悪態をつきながら出口に向かって歩いて行くのだった。


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