前世から続く底辺転生者の這い上がり〜転生してもハズレスキルでまた底辺に〜

赤井水

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青年期

2章9話

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領主館を後にしようとした時に、俺はギルドマスターに話しかける。
「ギルドマスター、今回の昇格試験についてトラブルがあった。
エルフ族の長が居るし、治療が終わり次第報告する」

ギルドマスターは頭が痛いと言った顔をしながら
「お前、呪われてるんじゃないのか?本当にお祓いに行った方がいいぞ。話はわかった」

そう言うとさっさと立ち去って行った。

「俺もローデン老と話があるから屋敷には後で戻るぜ」
とシルムと爺さんも去って行った。

「じゃあ行くか?カルナ。あ、そう言えばネロは?」

「ネロちゃんはエルフの里に来たなら仕入れをすると言って残っちゃいました」

2人で笑い合い帰りながら話そうと思ったが。
カルナは相当な美人だ。
周りから注目を浴びすぎるし、種族的にも狙われやすい。

俺は収納袋からフードを出し。
「カルナ、目立つのは宜しくないから被っててくれ」

すると、カルナは悲しそうな顔をしながら。
「昔とは時代が違うのですね。分かりました」

いやあんたどうせ昔も勇者のパーティーメンバーなら英雄扱いで物凄く慎重に扱われてただろ?と思ったが言わなかった。

ちょっと気まずくなりながら。2人で屋敷に戻っていくのだった。

屋敷に戻ると。
ヤミとエミールが出迎えてくれた。

「アロウ君帰ってきたんだね。あれ?お客さん?」

そう言うとカルナはフードを取り自己紹介していた。

「わぁ~凄い綺麗な人だねアロウ君!」
この子は自分も綺麗な子だと自覚出来てないらしい。

俺はそれをそれでと置いておいて話を変える。

「ヤミそれでエミールの修行はどうだ上手く行ってるか?」

「今は7割位かな?順調だよ?」
首をコテンと傾げあざとい感じを普通にする。
天然娘だ。

「なら良い。クロウをカルナに治療してもらう。エミールは引き続き修行をしてくれ」

俺とカルナは屋敷のクロウを寝かせて居る部屋へと向かった。
クロウの姿を見ると、すぐにカルナの表情が曇った。

「よくこの状態で止めれましたね。スキルの力が最大限の出力を誇っていたはずですよ?」

「兄さんの力の強みは洗練にある。
スキルに呑み込まれ雑な力の出鱈目な出力じゃただのじゃじゃ馬だったよ。
強い力はやはり使い方が悪ければどんなに強力でもつけ込める隙があるって事さ。
しかも、今回は死んだと思われてた弟が目の前に現れてぶん殴られるっていう混乱付きだったからな」

カルナはクスクス笑いながら
「それでも私を頼ってくださった事はとっても嬉しいですよ?それでは治療を始めましょう。『プロテクションヒール』」

カルナは心に保護を掛け治療を開始する、俺ももしもの時に備えて身構える。

クロウがモゾモゾと動き出す。
「ん?ここは……どこだ?」

あまり記憶がないらしい。

「クロウ兄さん、ここはカノン領の迷宮街の屋敷だよ」
俺は質問に答えてあげる。

はっ!とした表情をして俺を見たクロウは泣き出した。
「本当にアロウだったのか。生きてたならどうして、どうして連絡をくれなかったんだよ。でも……生きてくれてて良かった」

俺も泣きそうになったけど。
「兄さん聞いてくれ。今、兄さんはスキルから干渉を受けている状況だ。
今治療してくれたカルナが兄さんに仙気を体に流す。
それを感じて操ってくれ。そうすれば派生スキルが手に入る。
それでスキルの干渉を防ぐ事が出来る様になるからそれが終わり次第状況確認をしよう」

俺はそれを伝えてカルナにその場を任せた。




俺はする事も無くなったので、クロウ兄さんが起きて修行が終わるまでに時間も空いたので料理を作ろうと思った。

キッチンに行くと
「どうなされたのですか?アロウ様?お茶か何か必要ですか?」

アメリが居た。

「あ!ならクロウの部屋に治療の為にお客さんが来てる。そこにお茶と茶菓子を持って行ってくれ。後、昼飯は俺が作る」

驚いた顔をしていたが、アメリは引き下がってくれた。
「かしこまりました」

アメリも最初のトゲトゲした第一印象も無くなり丸くなったななんて思いつつもアメリを見送った。

さーて、何を作ろうかなー。
そう言えばこの世界にはピーマンもトマトも小麦粉もチーズもあるのにピザって無いよな?
と思ったら食べたくなって来たのでピザにする事にした。

この世界は何故か各家庭に竈があるのにピザは無くパンを作る。
謎だ。

まずは竈に火を入れ。準備する。

沢山食べてもらう為種類は複数用意する予定だ。

調味料はヒノ村とエルフの里のおかげでバッチリ揃ってる。

生地を作り、具を作り、ソースを作った。
料理は前世から好きだったから少しは自信がある。

生地を伸ばしていると後ろから、
「本当に元貴族なのですか?恐ろしい程に手際が良いのですけど」
とアメリが引いていた。

「慣れだよ、慣れ」
俺は気にせず生地を伸ばし、ソースを塗りピーマンとベーコンを乗せた後チーズをナイフでガッツリ掛ける。
もう1つは醤油ベースのソースを塗り照り焼きした肉と芋を乗せチーズを乗せる。

それを各3枚ずつ計6枚作り、竈に入れて焼き加減を見ながら焼いていると……

「お醤油の匂いだー!」「ん、いい匂い」

腹ぺこ2人組が匂いに釣られキッチンに来た。

「おー、そろそろ出来上がるからエミールとクロウとカルナを呼んできてくれ」
と頼んだ。


アメリを含め6人が食堂に集まる。
俺と、アメリで食堂にピザは持ってきて居て。
皆で食べる事にした。

「んー美味しい!」「アロウ、もっと他の料理も作って!」

「後でレシピを教えて頂けますか?」
等ヤミ、リール、アメリの順に賞賛を貰った。

「アロウ逞しくなったな…」
クロウは涙腺が崩壊してるらしい。
料理を作ったくらいで泣き出すなんて。

「これはエルフの里でも作らないと!」
なんてカルナは言っている。

エミールは最初食べ方が分からずあたふたしてたが次第に周りを見て食べてる様だった。

「それでカルナ終わったか?」
俺はすぐにマスター出来たからカルナならもう終わらせているだろうと思い聞く。

「はい!バッチリですよ!」
やっぱりな。

それとクロウにはエミールとクロウが今どの様な状況なのかを説明した。

「そうか、アロウ迷惑を掛けたようだ。
私はエミール様が守れれば国は関係ないよ既にカインには見切りをつけていたからね」

言い切ったが、何とも奥手というかなんというか。

「んー、好きなら好きって言い切った方が良いぞ?どうせ地位の差なんて無くなったんだから」
なんて言うと。2人はむせていた。

「お前はいつからそんなに大胆になったんだ?そんな言葉軽々しく言うものではないよ」
クロウは顔を赤くしながら言っているが説得力は無い。

ヤミとカルナは微笑ましく見ている。

「まぁ、俺には関係ない事だから良いけど。2人でその辺は話し合ってくれ」

俺はその後、カルナに話しかけた。
「カルナ、さっきの魔術についての話がしたい。術式の構築と理論を俺の推測で合ってるかどうか確認したい」

そうすると明るく笑顔を向けて、
「勿論ですよ、アロウ様!基礎を学んでいる以上。ヒントはありましたからね」

俺達は楽しく食事をするのであった。

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