前世から続く底辺転生者の這い上がり〜転生してもハズレスキルでまた底辺に〜

赤井水

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青年期

3章9話

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~ギルドマスター室~
「んで、お前達がザジス王国から来た。冒険者と護衛対象か?
俺に至急伝えたいと言う事は何だ?」

ギルドマスターは葉巻に火を付け紫煙を吐き出す。
「それは、私が説明致しますわ。初めまして、ギルドマスターさん。
私はサラ・ガードザジス王国のガード侯爵家の長女になります」

ギルドマスターのまゆがピクっと動く。
「ほう、王国の侯爵令嬢がこんな荒くれ共の街に何の用だ?」

「それは……王国の新国王の圧政が酷く複数の貴族家が手を取り、クーデターを起こしました。
私達が王国を出立した日の事になります。ここに来るまでに1週間かかっておりますので成否は分かりません」

その話をギルドマスターはガタッと席を立ち
「それは本当か!?」
と大声を出す。

2人の冒険者達もコクコクと頷く。
「多分成否に関わらず流れてくる冒険者も多数居ると思います。
俺達はサラ様の依頼があっていち早く情報を得てここに拠点を移そうと一緒に来てます。まぁ言ってみれば巻き込まれたくないので亡命してきました」

そう伝えると、ギルドマスターは受付嬢を呼び、廊下に出て話をしている。

戻って来て
「すまんな、狭い部屋だがお茶を出そう。すぐに情報を精査する為に領主のカノン侯爵に伝令を出した」

そう伝えると1人のギルド員が入って来て、お茶とお菓子を出した。

「お菓子は最近迷宮街で人気が出ているものだ。今までの甘いだけの砂糖菓子とは違い美味いぞ!
発案者は多彩な奴でな本当にアイツは生意気なクソガキだがこういうのは一流だぞ」

最後の言葉に3人は不思議に思いつつも

「お心遣いありがとうございます。カイ、メイラ頂きましょう」

3人はお菓子を食べると大変驚いていた。

「迷宮街は進んでるな……こんな美味いもんがあるなんて」
「これが食べれるんならここに永住しちゃうのも理解出来るわ」
なんて冒険者達は会話している。

ギルドマスターは2人を見て話す。
「こっちに拠点を移すのなら、ランクは1つ落ちるぞ?
一応戦える事が分かっていてもダンジョンで通用するか確認する為の冒険者を守る為の規則だからな。
まぁ、実力があればCランクまではすぐに上がれるから気にするな」

「あー……大丈夫っすよ、ランクが上がっても嫉妬されるし、ランクが低くてもバカにされるのが王国の冒険者だから。慣れてるっす」

緊張が解れたのか。固い喋り方から、冒険者らしい喋り方になっていた。

ペシッと女の冒険者のメイラがカイの頭を叩く。
「ギルドマスターになんて口きいてるの!失礼でしょ!」

ギルドマスターは同じ王国の人間でも全く違うなと白髪の問題児を思い出しながら。
思っていた。
「気にするな。この国では、貴族に対しても敬語は使わないのが基本だ。護衛で敬語を使ってたら護衛対象を相手に知らせるヒントになるからな」

なんて言うと、2人は驚いていた。
「国によってこんなに違うのか……王国で敬語を使わずに貴族様に話したら王国では打首なのに…」

そんな苦しい状況にギルドマスターも笑うしか無かった。

4人は話をしながら2人の冒険者の所属を迷宮街へと変更手続きも同時進行して。
カノン侯爵の領主館から目的の彼が来るまで、待つのであった。

20分程経過すると、扉がノックされた。
「ギルドマスター、領主館から使者が来ました。お通ししても宜しいですか?」

「あぁ、通してくれ。」

少し経つと、茶髪の好青年が入ってきた。

「ギルドマスター、お久しぶりですね。私にお客さんとは?」
と言いきる前に

「クロウお兄様!」
フードを被っていた、フードが取れ金髪の女の子がクロウへと飛びついていた。


カイとメイラとギルドマスターは驚く。
金髪の女の子がクロウへと目尻に涙を浮かべ、いきなり抱きついたのだから。

「え?サラどうしてここに?」
ギルドマスターはホッとしていた。

ちゃんと双方が知り合い同士で仲も良さそうだと。
「王国でクーデターが起きて……使用人や…爺やが逃がしてくれて」

と言葉を詰まらせながらたどたどしく事情を話し始めるサラ。

「クーデター?結果はどうなったか分かってるかい?」
落ち着いた様子でクロウは問いかけるがその質問にサラは首を振る

「そうか…すぐに密偵を放って情報を集めないとね。それと難民が出るかもしれないね。すぐに動ける様に体制を整えないと」

そう会話をしていると。

「あー、すまん。俺達はサラ様を護衛してきた冒険者のカイ。
おたくはサラ様のお兄さんという事はわかったんだが立場はどんなあれなんだ?
そんなここで決定の様な案を出しても大丈夫で俺達が聞いても良いのか?」
カイはそう質問した。

クロウは2人へ向き直ると、頭を下げた。
「ここまで、サラを送り届けてくれてありがとう。
私は、サラの兄クロウだ。
今はこの領の政務官で主に迷宮街の経済や領の発展の為の人材の育成をしている。
後は私達に任せてくれて大丈夫だよ。
えーっと確か、サインが必要だったよね?依頼の達成って?」

そう言うと、ギルドマスターは
「いや、要らんぞ。俺の目の前で依頼達成をしているからそのまま報酬を受け取れる。
安心してくれ、それでサラ嬢は、どうする?クロウがこのまま連れて行くか?うちで夕方まで預かる事も出来るぞ?」

クロウはいい笑顔を浮かべ
「情報が沢山必要なので領主館で聞き取りします。それで夜はあの屋敷に行きます」

そう伝えると、
「あーそういえばアイツもか。サプライズだろうな」
と笑っていた。

「お兄様?サプライズとは?」
サラは首を傾げて居るがクロウは

「夕方までのお楽しみだよ!ギルドマスター手紙を届けて貰う事って出来ます?多分ダンジョンに潜ってると思うので伝言を伝えときたいのですけど」

「あぁ、助かる。ランクFの冒険者の依頼として扱えるぞ?」

そう聞くと、クロウはすぐに手紙を書き。
ギルドマスターへと渡す。

「今回はありがとうございます。今回は助かりました手紙をお願いします。ギルドマスターの方で冒険者の亡命が出てくる人数の予想だけは報告をお願いします。ては、失礼します」
「失礼致しました。カイ、メイラありがとう。また時間が合えば会いましょう」

ギルドマスターが頷くのを見てからクロウとサラが2人揃ってギルドマスター室を出ていった。

「ギルドマスター俺達もこのまま行くぜ?」
「あぁ、悪かったな情報提供助かった」

2人が出て行くとギルドマスターは、
「世界の異変、均衡の崩壊か……」

エルフのカルナの言っていた、均衡の崩壊が起き始めているのかもしれない。
自分達冒険者を守らなければならないし更に底上げが必要と感じていた。

「自信を失った奴らのケツの叩き時なのかもなぁ」

ギルドマスターはお茶とお菓子の容器を重ね片付けをしに行く。

ギルドは冒険者から魔石やドロップ品を多く買取、それの選別や商人へと卸し作業と金銭管理等もあり超多忙だ。

客が来ている時は、お茶を出す事は見栄を張る為にしてくれるが。
片付けは洗う事も含め自分でやるのだ。
世知辛い、最近は洗い方が荒いと受付嬢に怒られる。

「前任の爺はこんな事してたんだなぁ」
なんてゴチりながら洗い物をするギルドマスターであった。
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