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11話 国と教会とギルトとそれから脱出
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ソラがガルダル達との食事を楽しんでいる頃。
ギルト職員や冒険者達は頭を抱えていた。
「おい!早く俺を助けろよ!」
「いやぁぁ!! このままここに居たくないっ!」
10人の黒髪黒目の少年少女達がしっかりと奴隷市場に居たのだから。
そして……その半分が心に深い傷を負わされて再起不能に近い状態になっていたのだ。
「胸糞わりぃなぁ……」
Bランク冒険者のアルドルドは舌打ちをしてしまう。
少年達の販売元はスラムよりの裏や地下組織だとすぐにわかるが。
少女達の販売元が教会だったのだ。
神を崇め、布教をしているもの達は欲望に塗れた行動しかしてないのだ。
こちらの世界に拉致されてなんのスキルも持たない少女達が通常の8倍の価格で売られているのだ。
しかも異世界の少女と身バレまでされて。
「彼女達の解放はいつになることやら。
それにギルドマスターのアドバイスにあったわがままし放題とは聞いてなかったら全員殴り飛ばしてたわ……」
奴隷市場ではキャンキャン吠える様な声にベテラン冒険者が肩を落とすのであった。
◇
「みんな行くよ!!」
同時刻。
複数人の少女達が暗くなって視界の確保が難しい時間にとある建物からの脱出にチャレンジしていた。
「勇者の少女達が消えたぞ!? 聖女様誘拐だぁぁぁ!!」
その叫びに頭が痛くなるのは古城菖蒲だった。
1人の少女が顔を顰める。
「メイドさんより先に教会の人が気づくってことは……」
それより先は誰も言葉を紡げなかった。
何故なら監視されていた証拠でもあったからだ。
ここ最近は料理にも薬が混ぜてあったりお風呂場では眠り香を焚かれていたなんてこともしばしばだったのだ。
つまり王宮側からの攻撃ではなく、教会絡みだと判断するには十分だった。
そんな時、自分達が居る場所とは遠く離れた所で爆発が起きる。
これは最近教師役になった冒険者達が今回の脱出の件に協力してくれているからだった。
古城菖蒲は爆発と同時に魔力を練り込み1つのオリジナル魔法を唱える。
「光の精霊よ、汝の姿に憧れを抱く我々を光の存在にそして我らと精霊のみに見える姿に変えてくれ『光学迷彩』」
闇に潜む暗殺者や盗賊系職業やスキルとは真逆の発想で科学の力を魔法で再現したのだ。
菖蒲以外の少女達は複数人でしか発動出来ない程の消費魔力量だったりする。
癒しのスキルのおかげで菖蒲は特化型になっており本来のレベルでは使えない高難度の魔法だったりする。
この魔法が発動したら闇に紛れるのは逆に非効率的なので王宮の廊下を突き進む。
正面の門を見ると100人近い騎士や兵士たちが集まっていて最初からこちらを選んで居たと思うとゾッとする状況だった。
色々な状況を想定してきたが教会に邪魔されるのは予想外だった。
しかし脱出出来るチャンスは今日しかなかったのだった。
国王が外遊で不在、尚且つ第1王女が公務により貴族領地への視察に向かった初日が今日で唯一のチャンスだからだ。
ギルドからの情報ではこれ以上長く王城に居ると搦手を使われ動けなくなるだろうという見立てだったのだ。
裏門の小さな勝手口から城から脱出する少女達はギルドの家庭教師が言っていた情報提供者が誰なのか気になっては居たが……
相手は絶対に会いたくないと拒絶していて匿名希望とのことだった。
菖蒲達は心に誓ったのだ。
「「「誰なのか知らないけどお礼は言いに行こう!!」」」
ソラは未だにこんなことになったことは知らずに食事中だったりする。
ギルト職員や冒険者達は頭を抱えていた。
「おい!早く俺を助けろよ!」
「いやぁぁ!! このままここに居たくないっ!」
10人の黒髪黒目の少年少女達がしっかりと奴隷市場に居たのだから。
そして……その半分が心に深い傷を負わされて再起不能に近い状態になっていたのだ。
「胸糞わりぃなぁ……」
Bランク冒険者のアルドルドは舌打ちをしてしまう。
少年達の販売元はスラムよりの裏や地下組織だとすぐにわかるが。
少女達の販売元が教会だったのだ。
神を崇め、布教をしているもの達は欲望に塗れた行動しかしてないのだ。
こちらの世界に拉致されてなんのスキルも持たない少女達が通常の8倍の価格で売られているのだ。
しかも異世界の少女と身バレまでされて。
「彼女達の解放はいつになることやら。
それにギルドマスターのアドバイスにあったわがままし放題とは聞いてなかったら全員殴り飛ばしてたわ……」
奴隷市場ではキャンキャン吠える様な声にベテラン冒険者が肩を落とすのであった。
◇
「みんな行くよ!!」
同時刻。
複数人の少女達が暗くなって視界の確保が難しい時間にとある建物からの脱出にチャレンジしていた。
「勇者の少女達が消えたぞ!? 聖女様誘拐だぁぁぁ!!」
その叫びに頭が痛くなるのは古城菖蒲だった。
1人の少女が顔を顰める。
「メイドさんより先に教会の人が気づくってことは……」
それより先は誰も言葉を紡げなかった。
何故なら監視されていた証拠でもあったからだ。
ここ最近は料理にも薬が混ぜてあったりお風呂場では眠り香を焚かれていたなんてこともしばしばだったのだ。
つまり王宮側からの攻撃ではなく、教会絡みだと判断するには十分だった。
そんな時、自分達が居る場所とは遠く離れた所で爆発が起きる。
これは最近教師役になった冒険者達が今回の脱出の件に協力してくれているからだった。
古城菖蒲は爆発と同時に魔力を練り込み1つのオリジナル魔法を唱える。
「光の精霊よ、汝の姿に憧れを抱く我々を光の存在にそして我らと精霊のみに見える姿に変えてくれ『光学迷彩』」
闇に潜む暗殺者や盗賊系職業やスキルとは真逆の発想で科学の力を魔法で再現したのだ。
菖蒲以外の少女達は複数人でしか発動出来ない程の消費魔力量だったりする。
癒しのスキルのおかげで菖蒲は特化型になっており本来のレベルでは使えない高難度の魔法だったりする。
この魔法が発動したら闇に紛れるのは逆に非効率的なので王宮の廊下を突き進む。
正面の門を見ると100人近い騎士や兵士たちが集まっていて最初からこちらを選んで居たと思うとゾッとする状況だった。
色々な状況を想定してきたが教会に邪魔されるのは予想外だった。
しかし脱出出来るチャンスは今日しかなかったのだった。
国王が外遊で不在、尚且つ第1王女が公務により貴族領地への視察に向かった初日が今日で唯一のチャンスだからだ。
ギルドからの情報ではこれ以上長く王城に居ると搦手を使われ動けなくなるだろうという見立てだったのだ。
裏門の小さな勝手口から城から脱出する少女達はギルドの家庭教師が言っていた情報提供者が誰なのか気になっては居たが……
相手は絶対に会いたくないと拒絶していて匿名希望とのことだった。
菖蒲達は心に誓ったのだ。
「「「誰なのか知らないけどお礼は言いに行こう!!」」」
ソラは未だにこんなことになったことは知らずに食事中だったりする。
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