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学園編
29話
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俺は可もなく不可もなく学園生活を過ごし初めての休日を迎えた。
入学式思いついた研究成果が本当に進級に使えるかを確認しにハビスの元に手紙を出して父上に確認を取ってもらっていたのだが……
「ノォォォォ」
俺は今返事をハビスに聞いて膝を着き、落ち込んでいた。
「ハビス、どういう事だ? 父上からソレダメが着くなんて悲しいぞ俺は!」
ハビスは大笑いしている。ちくせう。
「ケビン坊っちゃま。当主様はダメとは仰っておらず、それを提出したら貴族まっしぐらだぞ? という忠告でございます」
そうなのだ。
俺が提出しようと思っていた内容は“優秀過ぎ“たらしい。
俺の年齢でそんな物を提出したら次の年からSクラス飛び越えて囲い込みが来るぞ? と呆れていたらしい。
「ハビス!俺はどうしたら良いんだ!? 魔法もダメ、知識もダメと来たら俺には何も無いぞ?
算術何てもっとダメなんだぞ? 俺の全てが国の根幹を揺るがす何ておかしいだろ!?
クロス家の書庫にあった内容だぞ?」
この世界の算術に数字を文字に置き換え予想数値を表す数式を考えただけでも表彰されてしまうらしい。
アホか!?Xと仮定として大体これぐらいだろうと予測した数値を入れる前に税率を決めて置けば
いちいち悩む必要何てないだろ? って昔言ったら絶対今後するんじゃ無いぞ? と父上に脅されたのが懐かしい。
そもそも毎年取れ高やお金の流通量で税金や税率変動させるのが間違ってるんだ。
まぁそもそも税率という概念がなかったので提案した時に大騒ぎになったんだけどね?
貴族にはピンポイント、商人には薄利多売、平民や農民には固定税率が発展のキモだと昔力説してやったのだ。
取れ高の固定税率というのが重要なのだ。
飢饉や環境のせいで農作物が採れない時は減税してやれば良いのだ。
その時に手厚い補償をするからこれ位、欲しいと言って
本当にキツい時は助ければクロス家は安泰という人情の動きと
魔が差した奴には徹底的に地獄を見せるという飴と鞭が1番効くのだ。
商人だってガメツイが人なのだ。
良い商人を集めるにもまずはふるいにかける前に商人を集める必要があると話した。
それが薄利多売の精神だ、領の境目の関税を全てハビスに洗い出して貰いクロス領内に来る時は減らして貰った。
その代わり禁制品のチェックを厳しくしたのだ。
そうするとあら不思議、商人はこぞってクロス領内を通って行こうとする。
するとその護衛に冒険者が増えて領内の雰囲気が良ければ人が更に集まるという好循環。
その代わり徹底的に悪循環に陥りやすい荒くれ共の対処に費用をかける。
その結果、治安が良くなり逆に収益が増えたのだ。
その効果を俺はハビスと父上に聞き取りをしながら資料を分類して
作ったうちの1つが清潔と病の関係性なんだよねぇ。
理解しづらいから生活と清潔と健康状態の関係にしてるけど。
薬師や錬金術師が平民達の傷薬や風邪薬の依頼が減った代わりに
戦略物資のポーションの作製に精を出せる様になったと話してる。
ポーションが多く作れれば冒険者や兵士達の依頼が捗るのだ。
領地の周りの魔物の狩りが効率良くなり更に安全度も上がる。
平民用の薬の使用度が減る? そりゃそうだわ。
街が綺麗になれば今度は自分達や自分の住んでる場所の汚さが気になる。
そうすれば埃や不清潔で起きていた鼻炎や未病が消えるのだからな。
そしてゴミが気になる様になるとゴミ集めという面倒だが必要な誰でも出来る仕事が出来上がる。
今まで厄介者扱いだったスラムの冒険者登録出来ない歳の子や武器が買えずに困っていた子供や青年達に仕事が出来る。
今の所は鬼が目を凝らし見てるから問題が起きてない。
ケースバイケースで他の領では既にスラムの闇が肥大して手に負えない所では上手くいかないだろうな。
利権を取り合う権力者が居らず父上のカリスマが成せる領地改革により領内は発展を続けているし人が増えている。
長々と話してしまったが……そんなここ数年の俺の努力の結晶が、資料が、使えるよね? って聞いたら鼻で笑われ。
「領主にでもなるのか?」
と一蹴されたのであった。
俺はハビスに定期報告を受けて逆に自分の報告をした後、学園の寮を出て図書館へと向かった。
その時にハビスの言葉が耳に残る。
「坊っちゃま、ほどほどにしないと目をつけられますぞ?」
意味が分からないとは言わない。
簡単な人や領内の整理整頓でさえ、ここまで効果を出しているのだ。
他の分野でもやり過ぎたらアウトという事だ。
この国はどう見ても帝都以外は文明の世代が違う気がする。
下水道完備してるのが帝都だけで発案者が初代皇帝。
アンタ絶対転生者か転移者だろ!と叫びたい。
俺と同程度の文明圏内から来たらそこら辺の道にンコあれば顔を顰めるよな。
そんな初代皇帝のチートさには驚くが、料理の勉強位しとけと思う事もある。
いくら戦火が酷い時代だろうと塩と胡椒だけの料理って地獄すぎるだろうさ。
多分、内政(建造物)と戦闘チートのみ持ってこちらの世界に来たと予想してる。
税金や利権関係に穴が多いのは既得損益者の存在が邪魔をしたのか?
知らなかった為に朧気な知識で組み立てたのかどっちかだからな。
図書館へと向かう途中の少し広い広場に知ってる顔が居たが何か少し暗い顔をしてるのが気になった。
入学式思いついた研究成果が本当に進級に使えるかを確認しにハビスの元に手紙を出して父上に確認を取ってもらっていたのだが……
「ノォォォォ」
俺は今返事をハビスに聞いて膝を着き、落ち込んでいた。
「ハビス、どういう事だ? 父上からソレダメが着くなんて悲しいぞ俺は!」
ハビスは大笑いしている。ちくせう。
「ケビン坊っちゃま。当主様はダメとは仰っておらず、それを提出したら貴族まっしぐらだぞ? という忠告でございます」
そうなのだ。
俺が提出しようと思っていた内容は“優秀過ぎ“たらしい。
俺の年齢でそんな物を提出したら次の年からSクラス飛び越えて囲い込みが来るぞ? と呆れていたらしい。
「ハビス!俺はどうしたら良いんだ!? 魔法もダメ、知識もダメと来たら俺には何も無いぞ?
算術何てもっとダメなんだぞ? 俺の全てが国の根幹を揺るがす何ておかしいだろ!?
クロス家の書庫にあった内容だぞ?」
この世界の算術に数字を文字に置き換え予想数値を表す数式を考えただけでも表彰されてしまうらしい。
アホか!?Xと仮定として大体これぐらいだろうと予測した数値を入れる前に税率を決めて置けば
いちいち悩む必要何てないだろ? って昔言ったら絶対今後するんじゃ無いぞ? と父上に脅されたのが懐かしい。
そもそも毎年取れ高やお金の流通量で税金や税率変動させるのが間違ってるんだ。
まぁそもそも税率という概念がなかったので提案した時に大騒ぎになったんだけどね?
貴族にはピンポイント、商人には薄利多売、平民や農民には固定税率が発展のキモだと昔力説してやったのだ。
取れ高の固定税率というのが重要なのだ。
飢饉や環境のせいで農作物が採れない時は減税してやれば良いのだ。
その時に手厚い補償をするからこれ位、欲しいと言って
本当にキツい時は助ければクロス家は安泰という人情の動きと
魔が差した奴には徹底的に地獄を見せるという飴と鞭が1番効くのだ。
商人だってガメツイが人なのだ。
良い商人を集めるにもまずはふるいにかける前に商人を集める必要があると話した。
それが薄利多売の精神だ、領の境目の関税を全てハビスに洗い出して貰いクロス領内に来る時は減らして貰った。
その代わり禁制品のチェックを厳しくしたのだ。
そうするとあら不思議、商人はこぞってクロス領内を通って行こうとする。
するとその護衛に冒険者が増えて領内の雰囲気が良ければ人が更に集まるという好循環。
その代わり徹底的に悪循環に陥りやすい荒くれ共の対処に費用をかける。
その結果、治安が良くなり逆に収益が増えたのだ。
その効果を俺はハビスと父上に聞き取りをしながら資料を分類して
作ったうちの1つが清潔と病の関係性なんだよねぇ。
理解しづらいから生活と清潔と健康状態の関係にしてるけど。
薬師や錬金術師が平民達の傷薬や風邪薬の依頼が減った代わりに
戦略物資のポーションの作製に精を出せる様になったと話してる。
ポーションが多く作れれば冒険者や兵士達の依頼が捗るのだ。
領地の周りの魔物の狩りが効率良くなり更に安全度も上がる。
平民用の薬の使用度が減る? そりゃそうだわ。
街が綺麗になれば今度は自分達や自分の住んでる場所の汚さが気になる。
そうすれば埃や不清潔で起きていた鼻炎や未病が消えるのだからな。
そしてゴミが気になる様になるとゴミ集めという面倒だが必要な誰でも出来る仕事が出来上がる。
今まで厄介者扱いだったスラムの冒険者登録出来ない歳の子や武器が買えずに困っていた子供や青年達に仕事が出来る。
今の所は鬼が目を凝らし見てるから問題が起きてない。
ケースバイケースで他の領では既にスラムの闇が肥大して手に負えない所では上手くいかないだろうな。
利権を取り合う権力者が居らず父上のカリスマが成せる領地改革により領内は発展を続けているし人が増えている。
長々と話してしまったが……そんなここ数年の俺の努力の結晶が、資料が、使えるよね? って聞いたら鼻で笑われ。
「領主にでもなるのか?」
と一蹴されたのであった。
俺はハビスに定期報告を受けて逆に自分の報告をした後、学園の寮を出て図書館へと向かった。
その時にハビスの言葉が耳に残る。
「坊っちゃま、ほどほどにしないと目をつけられますぞ?」
意味が分からないとは言わない。
簡単な人や領内の整理整頓でさえ、ここまで効果を出しているのだ。
他の分野でもやり過ぎたらアウトという事だ。
この国はどう見ても帝都以外は文明の世代が違う気がする。
下水道完備してるのが帝都だけで発案者が初代皇帝。
アンタ絶対転生者か転移者だろ!と叫びたい。
俺と同程度の文明圏内から来たらそこら辺の道にンコあれば顔を顰めるよな。
そんな初代皇帝のチートさには驚くが、料理の勉強位しとけと思う事もある。
いくら戦火が酷い時代だろうと塩と胡椒だけの料理って地獄すぎるだろうさ。
多分、内政(建造物)と戦闘チートのみ持ってこちらの世界に来たと予想してる。
税金や利権関係に穴が多いのは既得損益者の存在が邪魔をしたのか?
知らなかった為に朧気な知識で組み立てたのかどっちかだからな。
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