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共和国編〜好きに生きる為に〜
123話
クロと修行を始めて長い月日が経った気がする。
そこで俺は今まで魔力操作に自信があったがズタボロにされた。
『魔力総量の10分の1を上手く扱えた所で何の自慢にもならん』
と一言で一蹴され、尚且つそれは本当の事だった。
魔法は魔力操作とイメージで組み上げて使う物だが……
その先に密度を高める事があるなんて知らなかった。
それから俺は魔力を2倍3倍と生活魔法から密度を高める作業に入った。
初級魔法の土散弾ですら
密度を高めると、ダイヤモンド並になった。
かの魔王はアダマンタイトすら貫通出来たという。
ここは常に真っ暗いや真っ黒な世界なのでほんのり人型に縁が光ってるクロが居なければ発狂してたと思う。
しかも、数時間おきにご飯が出されて食べさせられた。
膨大な魔力の使用と何故かお腹いっぱいにならない程の食事量に不思議がっていると。
『当たり前だ。今まで使わない……いや使えない魔力が体に蓄積し過ぎて
体内に淀みが出来ていたんだ。本来なら魔力が枯渇すれば腹が減り補給しようとするが
お前が魔力枯渇や魔力が足りなかったのなんて5歳以来無いはずだ。
あ、皇国で使った魔法のせいで枯渇していたとお前は思ってるが……
あれは魔力回路が初めて大量の魔力を魔法に使って摩耗・疲労しただけだ』
まじか……あれが枯渇じゃなかったら俺はいつからそんなに大量の魔力を持っていたんだ?
『ふん、そんなの精神と魂が1つになった時に決まってるだろ?
片方は神界に居たのだそ? 普通の人間や魂になる訳ないだろ
淀みと常識の変化に合わせてお前の体も成長してるぞ?』
俺は首を傾げた。
正直、人と比べて初めて身長や体格は成長したと感じる物であって
正確な大きさが分からないクロに言われてもな。
『ふん、実感できないみたいだな?』
そういうとクロは前にもやった幻影を投射した。
『これがここに来た時のお前の大きさだ』
俺は目をひん剥いて驚いた。
「ま、マジかよ……頭1つ分は高くなってるじゃんかよ!」
130~140しか無かった身長が160位になっていたらそりゃ驚くと思う。
『体はまだまだ伸びるぞ?……多分』
「最後の言葉は要らないかなー? 父上が180位あるんだから俺もそれぐらい伸びるはずだ!」
『まぁ……希望は捨てるな。 よし、お前の弱点をこれから潰すぞ?』
俺の弱点……?
するとクロの輪郭がはっきり見える様になったと思ったら急に殴りかかって来た。
「うおっ!? あぶね!」
『ケビン、お前は近接戦闘が惰弱過ぎる。
そして慌て過ぎだ。毎回それで失敗してるだろ。
早く構えて反撃してこい』
そうは言うものの……これ勝てるか?
俺は身体強化を使いクロの蹴りを受け止めようとしたが無理で吹き飛ばされる。
『強化率が甘い。筋繊維1本1本を強化出来ないとまた負けるぞ?』
こうしてこの日? から長い月日を過ごす事になった。
どれ程時間が過ぎたかは分からないがどんどん熾烈な攻めを避けたり、受け止めたりと
どんどんと自分の感覚が研ぎ澄まされていくのがわかった。
『ほらほらほら。魔法使いに剣なんて要らないんだよ。
即席で魔力の密度を高めればミスリルよりは劣る位の剣を作れるんだよ!』
俺はかつて爪として使っていた魔力刃を今は剣として使っていた。
相対するクロは……デッカイ大鎌をブンブン振り回してる。
俺は死神に追いかけられてる気持ちになった。
クロは絶対に急所……つまり心臓や脳は狙わないが、横に真っ二つ位ならしてくる。
切った瞬間に空間固定され、血も流さずに治癒され
治るまでは説教とダメだしをされる何とも苦痛な瞬間だった。
最初は純粋な体術や剣術を実践的修行して合格が貰えると更に魔法の属性を付けた修行になった。
「クロさんや? その鎌についてる属性は何なんだ?
風も雷も火も真っ二つにされたんだが?」
『ん? これか? 空間属性に決まってるだろ?』
おい……空間属性の付与して攻撃何て初めて聞いたぞ?
出来るか? つまり空間を開く時の様に空間を切り裂いてるという事なんだろうけど
俺は試してみるも失敗続きで何度も切られた。
「ちきしょー! 絶対に負けんぞぉぉぉ」
クロはこの時、ケラケラ笑っていた。
大鎌に負け続けて長い時間が過ぎた辺りで1つ試してみた。
複合属性の付与で魔力刃に火・雷・風の3属性付与をして大鎌にぶつかった時だった。
1つの属性が強制的に剥ぎ取られたのだ。
「うおっ!? 空間属性付与って空間に干渉してる訳じゃなくて
付与自体を引き剥がしてどっかに飛ばしてたのかよ!!」
この日ようやくクロに一撃与える事が出来た。
そこでクロは一言。
『見事なり。これにて私が教える全ての工程が終了した。
食事が終わり眠れば、じきに目覚めるであろう』
俺はクロに対してお辞儀をしていた。
「ありがとう。クロのおかげでかなり強くなれた気がするよ。
そういえば気になってたんだけど、眠らずに食べて戦ってを繰り返していたから
時間が分からないんだけどさ。何年経ってる? 感覚的には1、2年だと思ってるんだけどさ?」
クロは一瞬ポカンとした雰囲気を出した後笑い始めた。
『ククク、4年経ってるぞ? お前が思ったより魔力を溜め込んで居たからな?
これから魔物を倒すと更に魔力は増え続けるぞ?
その度に修行を繰り返すが良い』
その4年という言葉に俺が今度は驚いた。
クロから聞いた話に、魔物を倒すと経験値が入るみたいに魔力や気を扱う力を吸い取れるらしい。
その限界量が来るまでは永遠に吸い続けるらしく、俺は神がこの世界に転生させた事や魂が2つに別れていた事もあり有り得ない程の器をしてるそうで
際限なく吸収ばかりしていたのも今回のクロが出て来た理由の1つでもあったらしい。
つまり……魔力をこれ以上増やさずに扱う術や放出をさせなければ俺の方が危なかったらしい。
その後は最後という事でクロと一緒にめしを食った。
『ククク、お前の前世の知識に同じ釜の飯を食うのが良いのだろう?
最後くらいこうして一緒にやりきった感を出そうではないか!』
俺とクロはその後、長い間話していたがいつの間に眠っていたらしい。
久々に眠った感覚から瞼を開き起き上がり周りを見渡すと、そこは洞窟だった。
ガシャンという音にびっくりして肩をはね上げそちらを向くと涙を流していたタビだった。
「あぁ……ケビン様おかえりなさいませ、ご帰還お待ちしておりました」
俺は4年もの間眠っていたとは思えない程スっとベッドから降りて立ち上がれた。
「心配かけたな。悪かった。そしてありがとう。タビが小さくなっちゃったよ……」
そんな冗談めいた言葉を告げるとタビは立ち上がり笑いつつ
「ケビン様が大きくなられたのですよ……それにしてもこちらをご覧下さい」
タビはマジックボックスから手鏡を出して俺に見せると……
そこに居たのは黒髪と銀髪が混ざりあって灰色になった髪だった。
微妙に分かりづらいな、何て思いつつも俺はふと自分の服装に気付いた。
「成長に合わせて服まで用意して貰って悪いな?」
「いえいえ、と言いたいのですが……何分4年間も色々とお金を払っていてかなり切羽詰まってました!」
俺は適当にマジックボックスから革の袋を取り出してタビに渡した。
「これで足りるか? 足りなければおろしに……あれ?俺のギルド証ってまだ有効か?」
タビはその言葉に首を横に振る。
「冒険者ギルドは失効扱いか停止扱いになってます。商業ギルドは年会費だけは私の方で払ってるので大丈夫でしょう!」
「そうか!じゃあ街に帰ろうか!」
こうして俺は4年振りに街に帰る事になったのであった。
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