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第二日
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昨日の友人の誕生日が終わって、朝4時ごろに家に帰ってきた。2月10日、今日は惰眠を貪った。ひたすら眠った。眠って、食事をとりまた眠って食事をとる。何もせずに生きている。でも俺はこれを悪いとは思わない。生きているだけで偉いのだから。それに、二酸化炭素を生産しているのだから光合成の役には立っているだろう。それだけで生きている意味はある。夕食の時、両親に進路を聞かれた。物書きになりたいと真面目な顔で言ってもすんなり承諾してくれるわけはないので、何と言おうか考えていると、父親が務めている会社を勧められた。なんと、父親の会社に就職すると会社が車代を負担してくれるらしい。クルマが好きな俺は直ぐにカーセンサーを開いて車を探し始めた。ん? 何かおかしいぞ? 危ない危ない、自分は小説家になりたかったんだった。今はまだ学生だから小説家になりたいなんて思っているけれど、大人は安定している職に就くことを第一に考える。それってとってもつまらない考えだな。そして、父親の会社を少しは進路に考えている自分が居ることに気付いて、自分もつまらない人間になっているなぁと無性に悲しくなった。
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