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序章
3.婚約成立
しおりを挟むあれから数日が経ちました…が、特になにも変わりませんでした、
「ティヴァン、婚約が"決まった"ぞ」
と思ってました。
「"決まった"…?私は何も許可してないのですが……」
「いや、今回はお前の願いは聞き入れられない」
「そうですか…」
お相手様は余程位が高いのですね…公爵?
「メルシャン様だ」
「えぇ…?」
メルシャン様といえばこの国…フィオーレ王国の第一王子、王位継承権もある。
礼作法も学問も運動能力も魔法も一流、オマケにイケメン…と。
確かに私の好みではないですが、王国からの命なので好みとか言ってられませんね。
「うん…はい、分かりました」
「嗚呼、明日見合いとして此方に来てくださるから、恥ずかしい所は見せないでくれ」
「分かりました」
好みとかで国に逆らう馬鹿ではないので、私。
あぁ…忘れてました。
「ちょっと!どうしてお姉さまがメルシャン様と結婚するの!?」
「知りませんよ…選んだのは相手ですから」
うるさい妹が駄々をこねるし、
「ティヴァン、マリーナを困らせないの」
「困ってるのはこっちですよ、国で決まったとこに口付けて」
継母は文句言うし。
「どうして可愛い妹に優しくしないの?」
仇を恩で返せと?
「優しい、優しくしないの問題じゃないんですよ」
「お姉さまばっかり!私の方がメルシャン様を好きなのに!」
「それは本当ですよ。まぁ選ばれたのは私なので、こればっかりは諦めてください」
「ずるいずるいずるいずるいずるい!!!」
継母はため息を吐いて、「貴女の所為よ」と言いたげに睨んでから部屋を出た。
てか勝手に私の部屋に入ってきて文句って何様ですか?
「最悪、メルシャン様は本当は私が良かったのに、お姉さまが居るから国が間違えたのよ。きっと明日分かるわ、メルシャン様が"本当はマリーナだった"って言ってくれるのよ」
「へぇー」
そう言い残してマリーナは出ていきました。
いや、それはないでしょ。
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