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序章
2.嫌いな妹と継母
しおりを挟む自部屋へ戻ろうと廊下を歩いてたら、あの子がやって来ました。
「あらお姉さま、今回も婚約を断られたの?」
縦ロールのプラチナブロンドをこれ見よがしに揺らし、私を見下す様に笑うこの子はマリーナ、一つ下の妹。
初めて会ったのはお母様が亡くなった数日後…五年前でしたわね。
あの時は驚きましたわ、まさか私が産まれた時には他の女に子種を残していたなんて…
まぁ、お母様は体が悪かったから、貴族として後の事を考えると正しかったのかもしれませんね。
一緒に来た継母のリエートは…私を嫌ってましたね、プラチナブロンドの髪色ではないから。
お父様のスカーレットの瞳も受け継げてない私とは違って、マリーナはちゃんとスカーレットの目……
顔立ちが私より優れている訳ではありませんが、私より魅力的で豊満な体つき。
外見的な魅力は引き分けとしましょう。
「何?聞いているの?」
「あらごめんなさい、聞いてなかったわ」
だっていつも私を馬鹿にするばかりで時間の無駄ですもの。
……"馬鹿"にする"ばか"り…?
「…っとにかく、お姉さまには期待されてないのよ 、さっさと結婚して何処かに行ってよね!」
「善処はしているんですけどね…」
一方的に話終えると、マリーナはそんなに狭くないのに肩にぶつかって離れていった。
マリーナは社交界では良い子何ですがね、私や階級の低い令嬢さんを下に見てることや自分勝手なのが問題……良い子ではありませんでしたね。
「ティヴァン、婚約を断ったそうね」
次から次にやって来ますね、私の敵は。
「すみませんお義母様」
「すみませんってねぇ……」
継母のリエート、私の事が嫌い。
私も嫌いですよ。
「貴女が婚約を決めないと、マリーナの婚約が決められないのよ?」
「そうなんですが……」
「そうそう、決めるにしても伯爵程度にしなさいよ?マリーナの方が上の階級に嫁ぐんだから」
「そうですか……」
正直この人と話す時は頭の中が空っぽになります。
馬鹿馬鹿しくて。
何故私を目の敵にするのか気になったのですが、どうやら彼女は没落した男爵令嬢だったらしいから、生まれつき侯爵令嬢の私に八つ当たりしてるんじゃないのかって考えてます。
実際のところどうなんですか?
「はぁ…本当に貴女にはうんざりするわ」
「同意します」
「チッ…」
反抗してくる私が気にくわないのでしょうか、舌打ちしてどっか行きましたね。
舌打ちって唾飛んでくるので嫌いです。
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