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12.私に出来る事
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その日、自室で昨日の話を回想していた。
比較的歳の近いメイドのダリアが紅茶を淹れてくれるのも気づかない程、回想にのめり込んでいるとダリアの声が徐々に大きくなっていった。
「お嬢様!大丈夫ですか!?」
「あ、ええ、大丈夫よ」
「もう、みなさん、唐突に居なくなってばかりで私どもも暇が過ぎるのですよ」
「どういう事?」
「旦那様やアリアナ様、ウィルバート様、そしてエリアナお嬢様はまるで順番交代かっていうくらいに外出しているのですよ」
私やアリアナは入れ替わりだから仕方がない事。
でも、突如居なくなるってのは今後マズイのかなぁ。
「ウィルバートまで外に出てるの?それっていつから?」
「さぁ・・・いつからでしたか、わりと初めの頃から居なくなる事がありましたよ」
「大方、寝ててノックの音に気付かなかったとかじゃないかしら?」
「いいえ、部屋に入って確認しましたから間違いありません。他のメイドに聞いたら外出するところを確認した者がいましたから」
てっきり、部屋の中でウジウジと枕を濡らしている物だと思ったのに意外だわ。
案外、教会とかで赤っ恥をかくのを見て喜んでいたりして?
いやいや、あの子の事だから、舞踏会にだってこっそり参加してたかもしれない。
考えれば考える程、何かやらかしてるって可能性が出てきて不安になる。
監視をダリアに頼もうかと考えたけど、相手は今、男なんだからレッドに頼んだ方が良いかなと考え直した。
「いつ頃、外出したかって分からないかな、あと、今後、外出している時間帯覚えててほしいのだけどお願いできる?」
「分かりますよ、えーと、初めてお見えになった翌日は14時から──」
思った以上に外出が多い。
何をしているのか、一度調べる必要を感じた。
所謂、嫌な予感がするってヤツです。
「もしかして、ウィルバートと仲が良くなった使用人っていたりする?」
「そうですね、たしか、マーガレットがウィルバート様が使用する客室に出入りするところを見かけています」
「そう、その二人の関係も、ちょっと注視しててくれないかな?」
「承知しました」
その後、ウィルバートに直接会う事にした。
部屋に行くと、ウィルバートの雰囲気が変わっている事に気が付いた。
口調に男性の色が付いている事に少しぞわざわしたものを感じた。
「やぁ、今日はエリアナなんだね、どうしたんだい?」
「新しく公爵家の騎士になったレッドを紹介しようと思ってね、貴方も知っていた方がいいでしょう?」
「いや、特に用はないし関わる気もないから会わないよ」
「彼は護衛として優秀よ?元の姿に戻った時に関係は必要でしょう?それに、貴女が元アリアナだと言う事は伝えているわ」
「どうしてそんな勝手な事をするんだ!私の事は放って置いてくれ!」
既に物を投げて来そうなくらい、唐突に怒るのを見てすぐさま退散した。
今、我が家には二つの騎士団が居る。
今まで父の元で動いていた、騎士団を第一騎士団とし、先日のテロに参加した者達を第二騎士団とした。
その第二騎士団は、私の裁量で動かしても良いという父の承諾を経て、団長のレッドを私の護衛として連れ回すというのが現状になる。
表向きの話になると、聖女であるアリアナの護衛という事になるので、ウィルバートが元に戻れば裁量権を渡す必要が出てくる。
その事が気に入らないというのは、意味が分からない。
ちなみに、第一騎士団は大半の人員を領地に残している。
それは王都の屋敷にそれ程の人数を収容できないからという理由がある。
それ程までに人数が多く、戦争向きの兵員だったがそれだけに、練度はまちまちだ。
対して、第二騎士団は少数精鋭で構成されている。
全体の練度が高く、王都の屋敷にも収容できる程度だった。
ただ、その事が第一騎士団との軋轢となり、二つの騎士団は一発触発状態にだと言う。
なんというか、面倒な話です。
そこで、第二騎士団の方々は上位三名を屋敷に残し、王都を取り囲む様に八か所に分散して頂いた。
この際だから、私の魔導具の実験に付き合って貰う事にした。
彼らには相互通話できる魔導具を持たせた。
その実証実験の指示を与えて各自自由行動としたのは、平民になりすまし、情報収集をする為だった。
今回、その指示にウィルバートを陰ながらの護衛を追加した訳だ。
「と言う訳なの、レッド、お願いできるかしら」
「人相書き、確かに預かりました」
レッドはウィルバートの姿を見て、少し怪訝な顔をした。
騎士なだけに守りたいのは姫であるとでも言うのかしら?
「何か、ありますか?」
「この人相書きですが・・・いえ、ただの気のせいでしょう」
「私の渡した魔導具は役に立ちそう?」
「ええ、これは画期的ですね、戦争ともなれば、尚の事、大変な戦果が上げれそうです」
「これ、大型化すれば遠い領地との通話も出来るのよ」
「それは凄い、いつか王都中がこの魔導具を使う様になるのでしょうな」
結果、耐久試験は十分だという事が立証された。
尚、連続通話試験で10時間も歌を歌い続けた猛者が居たそうです。
比較的歳の近いメイドのダリアが紅茶を淹れてくれるのも気づかない程、回想にのめり込んでいるとダリアの声が徐々に大きくなっていった。
「お嬢様!大丈夫ですか!?」
「あ、ええ、大丈夫よ」
「もう、みなさん、唐突に居なくなってばかりで私どもも暇が過ぎるのですよ」
「どういう事?」
「旦那様やアリアナ様、ウィルバート様、そしてエリアナお嬢様はまるで順番交代かっていうくらいに外出しているのですよ」
私やアリアナは入れ替わりだから仕方がない事。
でも、突如居なくなるってのは今後マズイのかなぁ。
「ウィルバートまで外に出てるの?それっていつから?」
「さぁ・・・いつからでしたか、わりと初めの頃から居なくなる事がありましたよ」
「大方、寝ててノックの音に気付かなかったとかじゃないかしら?」
「いいえ、部屋に入って確認しましたから間違いありません。他のメイドに聞いたら外出するところを確認した者がいましたから」
てっきり、部屋の中でウジウジと枕を濡らしている物だと思ったのに意外だわ。
案外、教会とかで赤っ恥をかくのを見て喜んでいたりして?
いやいや、あの子の事だから、舞踏会にだってこっそり参加してたかもしれない。
考えれば考える程、何かやらかしてるって可能性が出てきて不安になる。
監視をダリアに頼もうかと考えたけど、相手は今、男なんだからレッドに頼んだ方が良いかなと考え直した。
「いつ頃、外出したかって分からないかな、あと、今後、外出している時間帯覚えててほしいのだけどお願いできる?」
「分かりますよ、えーと、初めてお見えになった翌日は14時から──」
思った以上に外出が多い。
何をしているのか、一度調べる必要を感じた。
所謂、嫌な予感がするってヤツです。
「もしかして、ウィルバートと仲が良くなった使用人っていたりする?」
「そうですね、たしか、マーガレットがウィルバート様が使用する客室に出入りするところを見かけています」
「そう、その二人の関係も、ちょっと注視しててくれないかな?」
「承知しました」
その後、ウィルバートに直接会う事にした。
部屋に行くと、ウィルバートの雰囲気が変わっている事に気が付いた。
口調に男性の色が付いている事に少しぞわざわしたものを感じた。
「やぁ、今日はエリアナなんだね、どうしたんだい?」
「新しく公爵家の騎士になったレッドを紹介しようと思ってね、貴方も知っていた方がいいでしょう?」
「いや、特に用はないし関わる気もないから会わないよ」
「彼は護衛として優秀よ?元の姿に戻った時に関係は必要でしょう?それに、貴女が元アリアナだと言う事は伝えているわ」
「どうしてそんな勝手な事をするんだ!私の事は放って置いてくれ!」
既に物を投げて来そうなくらい、唐突に怒るのを見てすぐさま退散した。
今、我が家には二つの騎士団が居る。
今まで父の元で動いていた、騎士団を第一騎士団とし、先日のテロに参加した者達を第二騎士団とした。
その第二騎士団は、私の裁量で動かしても良いという父の承諾を経て、団長のレッドを私の護衛として連れ回すというのが現状になる。
表向きの話になると、聖女であるアリアナの護衛という事になるので、ウィルバートが元に戻れば裁量権を渡す必要が出てくる。
その事が気に入らないというのは、意味が分からない。
ちなみに、第一騎士団は大半の人員を領地に残している。
それは王都の屋敷にそれ程の人数を収容できないからという理由がある。
それ程までに人数が多く、戦争向きの兵員だったがそれだけに、練度はまちまちだ。
対して、第二騎士団は少数精鋭で構成されている。
全体の練度が高く、王都の屋敷にも収容できる程度だった。
ただ、その事が第一騎士団との軋轢となり、二つの騎士団は一発触発状態にだと言う。
なんというか、面倒な話です。
そこで、第二騎士団の方々は上位三名を屋敷に残し、王都を取り囲む様に八か所に分散して頂いた。
この際だから、私の魔導具の実験に付き合って貰う事にした。
彼らには相互通話できる魔導具を持たせた。
その実証実験の指示を与えて各自自由行動としたのは、平民になりすまし、情報収集をする為だった。
今回、その指示にウィルバートを陰ながらの護衛を追加した訳だ。
「と言う訳なの、レッド、お願いできるかしら」
「人相書き、確かに預かりました」
レッドはウィルバートの姿を見て、少し怪訝な顔をした。
騎士なだけに守りたいのは姫であるとでも言うのかしら?
「何か、ありますか?」
「この人相書きですが・・・いえ、ただの気のせいでしょう」
「私の渡した魔導具は役に立ちそう?」
「ええ、これは画期的ですね、戦争ともなれば、尚の事、大変な戦果が上げれそうです」
「これ、大型化すれば遠い領地との通話も出来るのよ」
「それは凄い、いつか王都中がこの魔導具を使う様になるのでしょうな」
結果、耐久試験は十分だという事が立証された。
尚、連続通話試験で10時間も歌を歌い続けた猛者が居たそうです。
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