聖女は記憶の残滓に恋焦がれる ~男体化してしまった聖女の妹が私を汚そうとするんですが誰か助けてください~

なのの

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26.脱走騒動(後編)(ウィルバート目線)

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 私は最高のシナリオを思いついた。
 ジェイミーが姉を殺害し、妹は悲しみのあまり失踪するという物。

 どうせ女に戻れないのなら、何もかも無茶苦茶になればいい。
 ブキャラン侯爵様が死んだ今、何もかも無に帰すべきだ。
 ブキャラン侯爵様の仇は、姉の死を以て父への復讐とした。

 これまでは公の場で姉が妹として死ぬことを望んでいた。
 クリストン男爵邸襲撃事件を嗾けたり、植物に興味津々な姉をアイスローズで死なせようとしたり。
 ブキャラン侯爵に招待状を出させ、公然の場で毒殺をしようとも考えた。
 あの時は招待状が届いた事が分からず、実行できなかった。
 本当なら、あの時終わっていた筈だと思っていたのにだ。

 それが今になって、姉の消息が消えるという異常事態。
 私の心は尋常じゃなく焦っていた。

「ウィルバートは牢屋をくまなく調べよ、何か手がかりがあるやもしれん」

 ジェイミーの命令で、牢屋の中に入り、周りをくまなく探すも何もない。
 ヒントの欠片くらいあってもいいものなのに、世の中はどれだけ不公平なのか。
 姉ばかりが優遇される。
 姉が聖女になった途端に、奇跡が起きる。
 姉が王妃様に認められ、止まっていた筈のジェイミーとの結婚話が進み始めてしまった。
 もう時間はない、どうにかして見つけないと姉が幸せを掴んでしまう。

 落ち着いて考えようと壁にもたれて、観察した。
 密室脱走事件とでも言うべきか、鍵をあらかじめ持っていた?
 魔導具──の存在。
 もしかすると、姉はどんな鍵でも開け閉めできる鍵を作ってしまったのかもしれない。
 だとすると、ここにはもう居ない。

「殿下、もしかするともう居ないのかもしれません」
「なんだと!」

 壁に手を付け、勢いで歩きだそうとした時、壁についた手が何かを感じとった。

「・・・隙間風?」
「どうした」
「ここの壁から、隙間風が出てきているのです」
「もしかすると隠し通路があるかもしれん、だとすれば、どこかにスイッチがある」
「探しましょう」

 壁をベタベタと触っているとそ何か押し込めそうな部分があり、それを力いっぱい押してみる。
 すると、ゴゴゴゴと言う音と共に、壁が開き、中には質素な個室、そこに姉の姿があった。
 悠長にも本を読んで寛いでいるではないか。

「居た!!!」

 姉の手首を抑え、床に押し付ける。
 もう逃がさない。
 いっそ純潔も奪ってやろうかと考え、ジェイミーに聞いてみた。

「このまま犯しても構いませんか、どうせすぐ死ぬ運命、最後くらい凌辱で絶望してから死ねばいい」
「ああ、それくらいは構わぬ、俺も手伝うぞ」

 手首をジェイミーが抑え、私が服を脱がす。
 暴れる姉にてこずる所、ジェイミーが剣を見せれば大人しくなる。
 そのまま剣で服を引き裂き、次第に露わになるは、綺麗な裸体。
 殆ど変わらない肉体を私も持っていた筈なのに、どうしてこうなったのだと誰かに問いたい。
 だが、私の体は男性として機能していた。
 彼女の中に入りたいと、言い出す熱いモノを彼女の股間に押し付けた。

 泣き叫ぶ姉の姿を見て更に興奮した。
 もっともっと泣きさけべばいい。
 こんな大きな物が入るなんて、姉は壊れてしまうかもしれない。
 そう考えるだけで、口角が自然と上がっていった。

 男性としては初めての経験のせいか、中々入らない。
 それは濡れていないからだと、ジェイミーが言い出した。
 ジェイミーが唇を奪い胸を揉むと、次第に湿り気を帯びてきてくる。
 そういえば、そんな手順も踏んでいたと、過去を回想する。
 それにしても唇を奪われただけで、随分と泣き叫ぶようになった。
 いい気味だ。

 女性としてブキャラン侯爵様と交わった時でさえ、恥ずかしさにアソコは見れなかった。
 それが今や私の股間に生え、姉の中に入ろうとしている。
 先っぽが入りそうになり姉は断末魔にも似た声を上げる。
 もう、本当に愉快でたまらない。
 中に入ればどんな叫び声になるのか、想像するだけで興奮でどうにかなってしまいそうだった。

 そんな最高の瞬間を迎えようとした時。
 そう、後はぐっと押し込むだけだと言う時に、突然体が痛み出した。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
「どうした、ウィルバート!」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!」

 永遠い続くかと思えた痛みで床を転がっていたが、次第に体の痛みが治まり、ぐったりとして床の冷たさを感じ取っていた。
 だが、その時、姉とジェイミーが私をじっと見つめてこう言った。

「「アリアナ・・・」」

 二人が同時に私の名前を呼ぶ。
 鏡こそないけど、手や足、胸、股下、声までもが元のままだ。

「私・・・元に戻ってる・・・」

 呪いが解かれた事に、涙が止まらなかった。
 だけどそれは、私のしでかした事が露見した瞬間でもあった。


 □□ □ □ □□

 時を同じくして、ダリアの元に身を寄せていたエイダの腹部に剣が突き刺さっていた。
 その事をエリアナが知るのはずっと先の話だった。
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