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1.アバークロンビー家
1-8.
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もう我慢できねえ、俺は自由になるんだ!
「という訳で、家を出たいんだけど、いいかな?」
「駄目……って言って聞かないタイプだよな」
父親とはそれなりに打ち解けたつもりだ。
酒を酌み交わして話をしたい所だったが「カロリーナちゃんには、お酒は早いからメっ!」って早口で怒られた。
仕方なくぶどうジュースを飲んでいる訳だが、これがまた美味い。
貴族ってなんでも贅沢するんだよな、もうさ……。
ぐぴぃ~。
「ようやく寝たか──」
*
ボリボリと腹を掻きながら目を覚ました。なんだか寝苦しいと思えば自分の部屋ではない。
「ここ、地下牢じゃーん!」
「おはよう、カロリーナちゃん。暫くこの部屋で我慢なさい」
こんな鉄格子…。
「ふん、ぬー!」
思いっきり力を込めたら開くだろう、なんて甘かった。
全くびくともしやしねえ。
「どうなってる……」
「その力は封印させてもらった」
「このブレスレットか!」
「そうだとも、言う事を聞かない子供に付ける、貴族御用達の魔道具だ、あと数刻もすれば見えなくなって外せなくなる。そうなったら、パパの言う事に歯向かえなくなるよ、大丈夫だ、何も怖くないからね」
「畜生!それって隷属の腕輪と同じ効果じゃねえか!」
「あんな下品な物と一緒にしないでくれ、こっちは純粋なオリジナルだからね」
やっぱり隷属の腕輪じゃねえか!
ご丁寧にも地下牢には少し大きいベッドがあった。
そして、壁には血の跡がちらほら。
一体どんなプレイを楽しんでいたのかと思うと考えるだけで頭が痛い。
これが貴族様の闇か…なんて考えていたが、そもそもこの牢屋の前に父親が居る必要は無い。
なぜ、ここに居る?
「父よ、私に何を求めるのだ」
「知性と教養と女性らしさだな」
「成程、俺に足りないのは女性らしさだけか」
「どうだかな、知性も足りないんじゃあないか?」
「だとして、竹とんぼを壊す父はそれ以下だな。こういうのは子供の自主性を重んじるものだ」
「ははっ、ならばパパに見せてみろ、クイズその1!グレイマンラードの主要魔導を三つあげろ」
「簡単だ、加速魔導、次元魔導、もう一つは……隷属魔導だ」
「ほほう、少しは勉強したようだな、では次──」
その10までクリアした所で、父のネタが尽きた。
「では反撃させてもらう、セプトライゼンの──」
「領主に地理学で挑もうなんて、100年早いわ!」
「基礎理論を元を提唱したグランノップ・スティーブンが提唱する操竜術の三大技術を挙げよ!」
「操竜術だと!?それは竜騎士秘伝の物だ!問題を無効とさせてもらう!」
「いいや、王宮図書館の一般貸出本にこれに関係する本がある以上一般常識の範囲内だ!これが分からないなら、ブレスレットを外してもらうからな!」
「キコエナーイ!パパナ~ンニモキコエナーイ!ミミ遠クナッチャッター!」
「あー酷いな大人!卑怯だぞ!」
「はぁ………仕方がないな、外してやる。腕をだせ」
落ち着いた感じに手を差し伸べる父親は何処か寂しそうだった。
というか、そんなにあっさり諦めれるなら子供みたいな真似をしなければいいのに。
「随分と素直だな」
「ああ、諦めてフランチェスカ君を変え玉として使う事にするよ」
「おおおおい!それは絶対駄目だ!約束しろ!フランチェスカには手をだすな!」
「ならば、一つ条件を出そう、14の誕生日を迎える年、学園に通い始めなさい。そして無事に卒業する事」
「なんだ、それだけか?楽勝じゃないか、その代わりそれまでと卒業してからは自由にさせてもらうからな!」
「ああ、精々退学にならないようにな、あ、停学もだめだぞ」
「何!?」
そうして解放された訳だが、停学もダメって厳しすぎやしないか?
*
「爺や、俺は明日にはここを発つ」
「どこへ行かれるので?」
「ここから一番近い、迷宮都市ルグランジだ、そこで俺は冒険者になる」
「なるほど、では手配させていただきます」
「うん?手配?」
「ちなみにですね、旦那様より、月に1度はパウンドケーキを作りに帰ってくるようにと言われております」
「うわ、あんなもん作るんじゃなかった」
「1の日ですぞ。お忘れなきよう」
「ん?それって、明日じゃね!?」
「という訳で、家を出たいんだけど、いいかな?」
「駄目……って言って聞かないタイプだよな」
父親とはそれなりに打ち解けたつもりだ。
酒を酌み交わして話をしたい所だったが「カロリーナちゃんには、お酒は早いからメっ!」って早口で怒られた。
仕方なくぶどうジュースを飲んでいる訳だが、これがまた美味い。
貴族ってなんでも贅沢するんだよな、もうさ……。
ぐぴぃ~。
「ようやく寝たか──」
*
ボリボリと腹を掻きながら目を覚ました。なんだか寝苦しいと思えば自分の部屋ではない。
「ここ、地下牢じゃーん!」
「おはよう、カロリーナちゃん。暫くこの部屋で我慢なさい」
こんな鉄格子…。
「ふん、ぬー!」
思いっきり力を込めたら開くだろう、なんて甘かった。
全くびくともしやしねえ。
「どうなってる……」
「その力は封印させてもらった」
「このブレスレットか!」
「そうだとも、言う事を聞かない子供に付ける、貴族御用達の魔道具だ、あと数刻もすれば見えなくなって外せなくなる。そうなったら、パパの言う事に歯向かえなくなるよ、大丈夫だ、何も怖くないからね」
「畜生!それって隷属の腕輪と同じ効果じゃねえか!」
「あんな下品な物と一緒にしないでくれ、こっちは純粋なオリジナルだからね」
やっぱり隷属の腕輪じゃねえか!
ご丁寧にも地下牢には少し大きいベッドがあった。
そして、壁には血の跡がちらほら。
一体どんなプレイを楽しんでいたのかと思うと考えるだけで頭が痛い。
これが貴族様の闇か…なんて考えていたが、そもそもこの牢屋の前に父親が居る必要は無い。
なぜ、ここに居る?
「父よ、私に何を求めるのだ」
「知性と教養と女性らしさだな」
「成程、俺に足りないのは女性らしさだけか」
「どうだかな、知性も足りないんじゃあないか?」
「だとして、竹とんぼを壊す父はそれ以下だな。こういうのは子供の自主性を重んじるものだ」
「ははっ、ならばパパに見せてみろ、クイズその1!グレイマンラードの主要魔導を三つあげろ」
「簡単だ、加速魔導、次元魔導、もう一つは……隷属魔導だ」
「ほほう、少しは勉強したようだな、では次──」
その10までクリアした所で、父のネタが尽きた。
「では反撃させてもらう、セプトライゼンの──」
「領主に地理学で挑もうなんて、100年早いわ!」
「基礎理論を元を提唱したグランノップ・スティーブンが提唱する操竜術の三大技術を挙げよ!」
「操竜術だと!?それは竜騎士秘伝の物だ!問題を無効とさせてもらう!」
「いいや、王宮図書館の一般貸出本にこれに関係する本がある以上一般常識の範囲内だ!これが分からないなら、ブレスレットを外してもらうからな!」
「キコエナーイ!パパナ~ンニモキコエナーイ!ミミ遠クナッチャッター!」
「あー酷いな大人!卑怯だぞ!」
「はぁ………仕方がないな、外してやる。腕をだせ」
落ち着いた感じに手を差し伸べる父親は何処か寂しそうだった。
というか、そんなにあっさり諦めれるなら子供みたいな真似をしなければいいのに。
「随分と素直だな」
「ああ、諦めてフランチェスカ君を変え玉として使う事にするよ」
「おおおおい!それは絶対駄目だ!約束しろ!フランチェスカには手をだすな!」
「ならば、一つ条件を出そう、14の誕生日を迎える年、学園に通い始めなさい。そして無事に卒業する事」
「なんだ、それだけか?楽勝じゃないか、その代わりそれまでと卒業してからは自由にさせてもらうからな!」
「ああ、精々退学にならないようにな、あ、停学もだめだぞ」
「何!?」
そうして解放された訳だが、停学もダメって厳しすぎやしないか?
*
「爺や、俺は明日にはここを発つ」
「どこへ行かれるので?」
「ここから一番近い、迷宮都市ルグランジだ、そこで俺は冒険者になる」
「なるほど、では手配させていただきます」
「うん?手配?」
「ちなみにですね、旦那様より、月に1度はパウンドケーキを作りに帰ってくるようにと言われております」
「うわ、あんなもん作るんじゃなかった」
「1の日ですぞ。お忘れなきよう」
「ん?それって、明日じゃね!?」
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