ドラゴニック・ブラッド ~竜騎士だった俺の転生先は死んだ公爵令嬢だった。令嬢なんて面倒くせえ!勝手気ままに生きてやる!~

なのの

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4.迷宮都市ルグランジ(再び)

4-1.ルグランジ地下迷宮より(2フロア目のフロアボス)

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 少し話は飛ぶが、カーティスと俺はルグランジ地下迷宮に入って5日目の2フロア目のも終盤に差し掛かろうとしていた。
 途中、大きな出来事は無く、コアが二つ程、中ボスが2匹を潰し、キャンプ地に1泊したくらい。
 中ボスはどちらも大した歯ごたえも無かった。
 それもそのはずだ、あのドワーフから貰った剣に強化された加護によって俺は格段に強くなっていたのだ。

「カロリーナ様、絶好調ですね」
「ああ、もう、無敵といっても過言ではないかな!わっはっはっはー」

 そう、剣技を使うまでもない。
 剣が軽い。体も軽い。
 敵の背後に回るのも容易で常に先手先手先手。
 からの、一撃必殺。

 バトラーズ・ハイとでも言うのだろうか。
 敵が止まって見える。
 負ける気がしない。
 勇者なんて目じゃないくらいに強い。

 そして、フロアボスにたどり着いた。
 出て来たのはジャイアント・デフィート・ヘッドレス。
 頭の無い人型の大きな魔物で身長は大人の人間の二倍、普通の腕とは別に人間の大人サイズの腕が腰に付いている。
 目がない代わりに、気配を敏感に察知するらしい。
 そして、奴の武器は巨大剣に、人サイズの腕が持つ小刀2本を構えている。

 巨大剣。めっちゃ欲しい。
 こういうのって男のロマンだよな?
 今でこそ扱えないかもしれないが、前世で使っていた剣よりも少し長いのが魅力的だ。

 問題は魔物を倒すと魔物は装備していた物を含めて消滅する事だ。
 ただ、時々だが何かの気まぐれで魔物が落とした武器がそのまま残る事がある。
 一般的にはレアドロップと呼ばれているが、それを狙いたい所だ。
 分かっている条件は、戦闘中に魔物が武器を落とした後に倒すという事だけだ。

 カチッとどこからが音がした。恐らく俺の物欲センサーが発動したんだ。
 イカン。落ち着くんだ。
 嫁が言ってたんだ。

『物欲センサーが働いている間は、いいモノが出ないよ』
『物欲センサーってなんだよ』
『人間にはね、物欲センサーって機能が備わっていて、何か欲しい物がある時にそれが邪魔するのよ』
『じゃあ欲しがらなければいいのか?』
『そうよ。無心で欲張ることなく仕事をしていれば、自然に手に入る様になるのよ』
『そうか・・・じゃあ欲しい物を思い浮かべなければいいのだな』
『うん』
『・・・』
『何を欲しがらないようにしたの?』
『嫁の愛』
『もうっ、ばかっ、もう手に入ってるでしょ!』

 そんな話をした数日後には、物欲センサーが入る時の音が聞こえる様になってしまったのだ。
 しかも、センサーなのにスイッチみたいな音なんだよな。
 まぁ、仕方ない、無心でやるか。

「カーティス、手を出すな」
「承知しました、武運を」

 先手必勝──

 俺は俊足を生かして相手の懐に飛び込み、剣を突き刺そうとした。
 それを華麗なバックステップで距離を開けられた。

「ボスの癖に、フットワークが軽いなっ」

 そんな事を言っている間に一瞬で間合いを詰められた!
 上から大剣が、左右から小刀が俺を襲う。
 受け止めるには武器の本数も腕の本数も足らねえ。
 仕方なく突撃し、相手の股に向かっ肘打ちを入れる。
 オスかメスかもわからない何もない股間に入れてダメージがあるのかいまいち不明だ。
 結果、零距離まで近づいた事が功を奏し、相手の武器はこちらには届かなかった。

 だが、相手も踏ん張ると同時に、左右の手で俺を捕まえようとする。
 俺は相手の股の間をすり抜けて背後に回る。

 回ったつもりだった。

 相手は後方に向けて大きくジャンプし、俺のさらに後ろに立っていた。

 背後から冷たい刃が襲い掛かって来る。
 小刀が俺の首を跳ねる。

 *

「俺は、死んだのか──」
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