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5.モルバーン学園(一年生編)
5-27.
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「甘い物を絶つ!」
そう、粋がって宣言した。
よくよく考えれば、食べる量も減らさないとマズイ。
これまで、日々、結構な運動していたのに、それをピタッとやらなくなった。
走る事すら億劫になる程、体を動かすのが大変なのだ。
そして、朝のランニングを再開した。
会計のダグラスは久しぶりの俺を見て、「少し丸くなったか?」なんて言い出した。
そうじゃない、指摘するところが違うだろう、胸が膨らみ始めてるんだぞ。
まだ、俺の手にすっぽりと収まる程度だが、明らかに膨らんでいる。
何度でも言う、膨らんでるんだ!
超膨らんでるんだ!(しつこい)
だがしかし、膨らみ始めたらブラジャーを着けると思うのだが、どれくらい膨らんだら付ければ良いのだろうか。
娘はその基準に達してない上に、そこそこ放任していたのでそのあたりの事を知らないのだ。
というより、父親がそのデリケートな部分に口を出すと嫌がると思い、何も言えなかったのだ。
いや、これは言い訳に過ぎない。
放置していたと言われればそれまでだ。
村の女性に相談しておくべきだったかもしれない。
まさに、後悔先に立たずだ。
とはいえ、早々に付けて気が早いとか、おませだと言われたくはない。
そうして着けずに走っていみたが、さして服が擦れると言う感じはしなかった。
不具合がないのだから問題は無い、と言う事で良いのだろうかと思い始めた矢先、ダグラスが動揺してこちらを指差す。
「お前、汗で透けているぞ!せめてブラを着けておけ!」
「このサイズ程度じゃ見た所で興奮しないだろう?気を使わなくていいぞ」
「だがな・・・、貴族ばかり通う学園の生徒なんだから、身だしなみとしてそこは隠せ」
「・・・ああ、そうするよ、次からな」
そうは言いつつも、発汗が尋常ではない事は気になっていた。
体力が落ちていて走る速度が落ちているだけでなく、持久力も落ちていて少し走っただけで汗だくになったのだ。
軽い運動のつもりが全力疾走を長時間続けた様な感覚だ。
有り得ない程の息切れも発汗に繋がっているのかもしれない。
あの首輪が全てマイナス方向に働いているのだから致し方がない事ではあるが、日常で走る事くらいは許してほしいものだ。
服の胸当たりを少し浮かして少し扇いだ。
暑さを和らげるための換気と、発汗から肌に張り付く服を乾かそうとしたのだ。
すると、真横に立っていたダグラスがさらに動揺する。
「何故服を浮かす!」
「暑いから・・・と言うか、服が透けていると言ったのはダグラスじゃないか、こうやって乾かせばマシになるだろ」
「だからと言って中が見えない様にしてくれ!まる見えになってるぞ!」
「じゃあ見るなよ」
「仕方がないだろ、気になるから目が行くんだよ」
「はは・・・、気になるってなんだよ」
「今や時の人だ、遠くに行くとなると惜しくもなる」
「よくわからんな・・・」
「分からんでいい」
お前が赤面してどうする。
中が見られて恥ずかしいと思うのは本来女の方だぞ。
それとも、俺に羞恥心がないからいかんのか?
直接聞けないにしろ、こんな気楽に話せる異性ってのは少ない。
卒業しても、このままの関係が続くと信じたいものだ。
「・・・まぁ、こんなラフな格好で動けるのも今の内だ、向こうに行ったら堅苦しい生活になるんだろうな」
「そうかもしれなんな」
「だから、こんな姿、レア中のレアになるんだぞ、見ないでどうする」
「だからって見せる物じゃない、隠せ」
「へいへい」
木陰で休憩していると風が爽やかに吹いて気持ちが良い。
結婚やそれに伴う話よりも、運動できないという事が俺に重くのしかかってきている。
運動をしてはならない、ではなく、運動する事がままならないって所が問題だ。
暴れたい衝動に駆られる。
魔物と戦う時の高揚感が懐かしい。
魔物と剣を交えた時の音が懐かしい。
魔物と速さを競った時に見える世界が懐かしい。
魔物と死を賭けて戦ったあの緊迫感が懐かしい。
もう一度、迷宮に入りたい。
そう思ってやまない。
まるで恋煩いの様だ。
「なぁ、ダンジョンで戦う術はないのか?」
「無い訳じゃない、一応魔操糸術が使える。それ以外は全然ダメだ」
「一度ダンジョンで、魔物を・・・いや、駄目か、もう、そんな事が出来る立場ではないな」
「・・・・そうなるか、寂しい限りだ、何かあった時の責任がな・・・、多分、死ぬ事は無いだろうが」
「死んだ方がマシという状況も有り得るからな、今は迂闊な事をするんじゃない」
最近は聖女の訓練よりも魔操糸術の訓練の時間を増やしている。
この体くらいなら木の上に引っ張り上げる事や、力に頼らない地面固定型の盾を構築する事も出来る様になった。
そういう意味では有意義な時間になっている。
これまで殆ど攻撃一辺倒の鍛錬をしてきただけに、俺の行動の幅が増えて行ってる感じだ。
魔操糸術を遠くに飛ばして、攻撃する、防御すると言った事もやってみている。
建物の3階くらい離れている場所への攻撃や盾展開が出来る所が出来る様になったのも最近だ。
動体視力が落ちていないのが救いで、もしダンジョンに行くとなっても、それなりに役に立つだろう。
だからこそ、さっき言われかけた話に少し期待してしまった。
もう、一生、魔物と戦えないのは辛すぎる。
「なぁ、今、泣くほど辛いのか」
「泣いてなんか・・・」
その否定は意味がなかった。
俺は、やはり暴れたいのだろう。
それが悔しくて涙が零れ落ちていた。
頬を伝うそれが俺の心の有り様を明確に示していたのだ。
*
「なぁ、背中貸してくれ」
「嫌だ」
「じゃあ、胸を貸してくれ」
「それならいいぞ」
「どうして抱きしめてくるんだ」
「胸を貸した者の特権だ」
「そりゃあ、好きにな奴に取っとけよ」
「だったら問題ないな」
「どういう意味だ?」
「さあな」
そう、粋がって宣言した。
よくよく考えれば、食べる量も減らさないとマズイ。
これまで、日々、結構な運動していたのに、それをピタッとやらなくなった。
走る事すら億劫になる程、体を動かすのが大変なのだ。
そして、朝のランニングを再開した。
会計のダグラスは久しぶりの俺を見て、「少し丸くなったか?」なんて言い出した。
そうじゃない、指摘するところが違うだろう、胸が膨らみ始めてるんだぞ。
まだ、俺の手にすっぽりと収まる程度だが、明らかに膨らんでいる。
何度でも言う、膨らんでるんだ!
超膨らんでるんだ!(しつこい)
だがしかし、膨らみ始めたらブラジャーを着けると思うのだが、どれくらい膨らんだら付ければ良いのだろうか。
娘はその基準に達してない上に、そこそこ放任していたのでそのあたりの事を知らないのだ。
というより、父親がそのデリケートな部分に口を出すと嫌がると思い、何も言えなかったのだ。
いや、これは言い訳に過ぎない。
放置していたと言われればそれまでだ。
村の女性に相談しておくべきだったかもしれない。
まさに、後悔先に立たずだ。
とはいえ、早々に付けて気が早いとか、おませだと言われたくはない。
そうして着けずに走っていみたが、さして服が擦れると言う感じはしなかった。
不具合がないのだから問題は無い、と言う事で良いのだろうかと思い始めた矢先、ダグラスが動揺してこちらを指差す。
「お前、汗で透けているぞ!せめてブラを着けておけ!」
「このサイズ程度じゃ見た所で興奮しないだろう?気を使わなくていいぞ」
「だがな・・・、貴族ばかり通う学園の生徒なんだから、身だしなみとしてそこは隠せ」
「・・・ああ、そうするよ、次からな」
そうは言いつつも、発汗が尋常ではない事は気になっていた。
体力が落ちていて走る速度が落ちているだけでなく、持久力も落ちていて少し走っただけで汗だくになったのだ。
軽い運動のつもりが全力疾走を長時間続けた様な感覚だ。
有り得ない程の息切れも発汗に繋がっているのかもしれない。
あの首輪が全てマイナス方向に働いているのだから致し方がない事ではあるが、日常で走る事くらいは許してほしいものだ。
服の胸当たりを少し浮かして少し扇いだ。
暑さを和らげるための換気と、発汗から肌に張り付く服を乾かそうとしたのだ。
すると、真横に立っていたダグラスがさらに動揺する。
「何故服を浮かす!」
「暑いから・・・と言うか、服が透けていると言ったのはダグラスじゃないか、こうやって乾かせばマシになるだろ」
「だからと言って中が見えない様にしてくれ!まる見えになってるぞ!」
「じゃあ見るなよ」
「仕方がないだろ、気になるから目が行くんだよ」
「はは・・・、気になるってなんだよ」
「今や時の人だ、遠くに行くとなると惜しくもなる」
「よくわからんな・・・」
「分からんでいい」
お前が赤面してどうする。
中が見られて恥ずかしいと思うのは本来女の方だぞ。
それとも、俺に羞恥心がないからいかんのか?
直接聞けないにしろ、こんな気楽に話せる異性ってのは少ない。
卒業しても、このままの関係が続くと信じたいものだ。
「・・・まぁ、こんなラフな格好で動けるのも今の内だ、向こうに行ったら堅苦しい生活になるんだろうな」
「そうかもしれなんな」
「だから、こんな姿、レア中のレアになるんだぞ、見ないでどうする」
「だからって見せる物じゃない、隠せ」
「へいへい」
木陰で休憩していると風が爽やかに吹いて気持ちが良い。
結婚やそれに伴う話よりも、運動できないという事が俺に重くのしかかってきている。
運動をしてはならない、ではなく、運動する事がままならないって所が問題だ。
暴れたい衝動に駆られる。
魔物と戦う時の高揚感が懐かしい。
魔物と剣を交えた時の音が懐かしい。
魔物と速さを競った時に見える世界が懐かしい。
魔物と死を賭けて戦ったあの緊迫感が懐かしい。
もう一度、迷宮に入りたい。
そう思ってやまない。
まるで恋煩いの様だ。
「なぁ、ダンジョンで戦う術はないのか?」
「無い訳じゃない、一応魔操糸術が使える。それ以外は全然ダメだ」
「一度ダンジョンで、魔物を・・・いや、駄目か、もう、そんな事が出来る立場ではないな」
「・・・・そうなるか、寂しい限りだ、何かあった時の責任がな・・・、多分、死ぬ事は無いだろうが」
「死んだ方がマシという状況も有り得るからな、今は迂闊な事をするんじゃない」
最近は聖女の訓練よりも魔操糸術の訓練の時間を増やしている。
この体くらいなら木の上に引っ張り上げる事や、力に頼らない地面固定型の盾を構築する事も出来る様になった。
そういう意味では有意義な時間になっている。
これまで殆ど攻撃一辺倒の鍛錬をしてきただけに、俺の行動の幅が増えて行ってる感じだ。
魔操糸術を遠くに飛ばして、攻撃する、防御すると言った事もやってみている。
建物の3階くらい離れている場所への攻撃や盾展開が出来る所が出来る様になったのも最近だ。
動体視力が落ちていないのが救いで、もしダンジョンに行くとなっても、それなりに役に立つだろう。
だからこそ、さっき言われかけた話に少し期待してしまった。
もう、一生、魔物と戦えないのは辛すぎる。
「なぁ、今、泣くほど辛いのか」
「泣いてなんか・・・」
その否定は意味がなかった。
俺は、やはり暴れたいのだろう。
それが悔しくて涙が零れ落ちていた。
頬を伝うそれが俺の心の有り様を明確に示していたのだ。
*
「なぁ、背中貸してくれ」
「嫌だ」
「じゃあ、胸を貸してくれ」
「それならいいぞ」
「どうして抱きしめてくるんだ」
「胸を貸した者の特権だ」
「そりゃあ、好きにな奴に取っとけよ」
「だったら問題ないな」
「どういう意味だ?」
「さあな」
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