ドラゴニック・ブラッド ~竜騎士だった俺の転生先は死んだ公爵令嬢だった。令嬢なんて面倒くせえ!勝手気ままに生きてやる!~

なのの

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6.モルバーン学園(二年生編)

6-16.廃墟ダンジョンにて

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 ダンジョン内でこの状態というのはかなり危険だというのは、正気であれば誰にでも分かる話だ。
 その正気なのが、私だけというのが問題だ。
 明らかな足手まといばかりが居る状態で、帰る事もままならず食料もない。
 そして、仲間は正気を失って、魔物が来たらどうなる事やらだ。
 いっそ私も正気を失って入れ楽だったかもしれん。

 この状況に身動きが取れず、周囲の警戒をしながら状況の打破を考える。
 そもそも、匂いなんて何もしない。
 焼き菓子の匂いは兄の食に対する願望なのだろう。

「願望か・・・」

 願望・・・みんなそうだろうか?
 サーシャは喉を潤したいという願望、リリーはなんだ?構って欲しいのか?わからん。
 エリーは好きな相手とじゃれつきたい・・か?
 ウェンディは睡眠欲。
 そこから導き出せる答えは・・・なんて、すぐに答えが出る筈がない。
 そもそも、頭を使うのは苦手なんだ。

 そもそも、そう言う呪いなら私にも影響が出る筈だ。
 私に影響がないという事で考えららえるのは毒くらいだ。
 それが毒だとすれば、そんな悪趣味な物を誰が使う?・・・ってゴブリンくらいか。
 だが、ゴブリンの目線はなんとなくわかる。
 視線を感じ次第、休憩する度に尻尾を飛ばして始末して回っている。
 ならばどうしてか。

 答えは簡単だ。
 より上位の狡猾なゴブリンが居るという事だ。
 風上から毒を散布してるとすれば、説明がつく。
 ならば、私も毒にやられたフリをして、そのゴブリンをおびき出せばよいのか?
 だが、毒散布のゴブリンとおびき出されるゴブリンが別だったらどうなる?
 それはそれで危険だ。
 ならばとれる方法は一つ───

 眠るウェンディに抱き着いて私も眠る事にした。
 精神体になると同時に、尻尾に掴まり待機する。
 すると、ぞろぞろとゴブリンが現れた。
 さらにホブゴブリンまでが一緒に出てくる。
 で、その数100体をはるかに超えている。
 これはこれで熟成したモンスターパラダイスにしか見えない。
 だが、仲間はその敵に気付く事は無かった。

 要するにこのまま尻尾で倒しまくらなければならない訳だ。
 とはいえ、ホブゴブリンの大軍程度が私に敵う訳がなく、次々と轢き殺してゆく。
 それはもう、暗い緑色のゴブ畑を真っ赤に染めるゲームのような物だ。
 まるで作業を行うように塗り残しのないように全てを赤く染めていくのは爽快感がある。
 もし、妻が名付けるならゴブリトゥーンと言うだろうな。

 そんな作業の最中、その大軍の中にツボを持ったゴブリンを見つけた。
 いわゆるポインズンゴブリンと呼ばれる、毒を専門に扱うゴブリンだ。
 だが、その壺を潰すと毒があたりに蔓延するので壊してはいけない。
 ポインズンゴブリンの頭部を飛ばし、転がっていた蓋を跳ねてふたを閉めた上で、割れないように地面に着地させる。
 繊細な操作を必要としたが、それを難なく成し遂げた。
 すべてを倒し終わった頃、その集団の真ん中に死体に埋もれていたコアがあった。
 それを潰すと瞬く間にセーフティーエリアの展開が始まり、あたりは赤色が鮮やかな緑色に。草原へと変化してゆく。
 そして、空中に現れる報酬箱を器用に開けると出てきたのはまたもや植物の種だった。
 またもや、外れアイテムだと思ってその場に捨てて体に戻る事にした。
 ちなみに、この半年で尻尾は固くなっているので、痛みのフィードバックはなくなっている。

 体に戻るとサーシャが私の胸の谷間に顔を埋めていた。
 さっきまで、ウェンディと抱き合っていたのに、サーシャはそれを押し退けていたのだ。
 更に毒も抜けてる頃合いなのに、胸に顔をぐりぎりと押し付けてきた。

「いい加減にはなれろ!」

「えー・・・ちょっとだけ吸っていいよねぇ?」

「絶対ダメだ」

「ちぇー・・・・■■だから、ま、いっかぁ」

「なんか言ったか?」

「ううん、なーんでもないよぉ」

 それからサーシャは二人っきりになりたいと言って少し離れた場所に移動する。
 サーシャは少し照れながら私に告白した。

「実はね、サーシャさぁ、カロリーナちゃんのお姉さんになりたいなぁ」

 それはつまり兄の嫁になりたいと言う意味なのだろう。
 それを私に言うのか理解できない。

「あん?そんなのは好きにすればいいだろ?誰とくっつくのかは兄が考える事だ」

「だからぁ、そこを協力して欲しいのぉ」

「どうして私が協力する事になるんだ、正々堂々と告白すればいいだろう?」

「まぁ、そうだよねぇ。うん、それはそうだ。じゃあ今言った事はカロリーナちゃんのその胸にしまっててくれるかな?」

「まぁいいが・・・あっ・・・」

「どうしたのかなぁ?」

 こんなタイミングで、あるモノがない事に気が付いてしまった。
 折角半年もかけてイメージ向上を頑張って来たのに、ここでバレる訳にはいかない。
 そしてそれを抜き取った者はあきからだった。

「な・・・なぁ」

「なぁに、カロリーナちゃん?」

「協力・・・してもいいぞ」

「ありがと、そう言ってくれると思ってたよぉ。うふふぅ」

 すぐに手を取って握手してきたが、その手の中には柔らかい物が握られていた。

「だめだよぉ、こんなもので誤魔化してたらぁ、触られるだけですぐにばれちゃうよぉ?」

「だ、だが、女王としての威厳がだな・・・」

「そんなカロリーナちゃんの為にぃ、良い魔法を教えてあげるよぉ。それはね────」

「───そ、そんな魔法があったのか!」

「ずっと魔力を消費するから使う時は気を付けてねぇ。こういうの大手の風俗じゃ常識なんだってぇ」

「!!!!」

 教えて貰ったのは豊胸魔法だった。
 実はこの半年をかけて胸への詰め物を徐々に増やしていっていた。
 そうして、そこそこの大きさに見えるようになったのだが、実際のところ掌に収まり過ぎて一般的に言えば少し膨らんでる程度で、とてもじゃないが『胸がある』とは言えないサイズだった。
 それで教えて貰った魔法を使うと理想の大きさに変化するし、触った感覚もちゃんとあって気持ちがいい。
 それは半年の悩みが吹き飛んだような感覚だった。
 私はこのダンジョンでかけがえのない物を得たのだ。

 だが、それと同時に一つの懸念がある。
 前世でこれまで関係を持った女が何割かは偽乳だって事だ。
 そんな複雑な心境を見抜いてか、サーシャは胸丸出しの私に詰め寄った。

 *

「ははーん、どうですかどうですかぁ。これが揉まれるという感覚ですよぉ~」
「んんんんんっ、やめ、やめて」
「へへへ、ここがええんかぁ、ここがえええんかぁ」
「やめろっていってるだろ!」
「もう・・・、本気でぶたなくてもぉ」
「本気が見たいなら、死ぬ覚悟してくれ。まぁ、感謝はしてるから、例の件は少しだけサーシャに協力してやる」
「もぅ・・・っ、お姉様って呼んでいいのよ?」
「まだはえーよっ」

 これはもしかすると、悪魔との取引だっただろうか・・・まいっか。
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