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第三章 ギルド結闘編
第50話 魔法vs魔法
しおりを挟むエルフたちとの親善試合第二試合が始まろうとしていた。
対戦カードは、リーフィスさんvsトゥビーさん。
フィールドに立った二人。先に声を出したのはリーフィスさんだった。
「対戦相手は私です。よろしくお願いします」
「こちらこそ。私はトゥビーといいます。リーフィスさんでしたね。手加減はしないでくださいね」
「はい、お手柔らかにお願いします」
ドリアード様が二人に確認をする。
「では二人とも、準備はいいですか?」
「「はい!」」
二人はいい返事をした。そして、ドリアード様は手を挙げ、
「では、親善試合、第二試合トゥビーvsリーフィス……始め!」
手を振り下ろすと同時に親善試合が始まる。先に仕掛けるのは、トゥビーさんのようだ。
トゥビーさんは両手をかざし、魔法スキルを唱える。
「美しい水よ、気高い風の力を借り、旋風となりて大地をかけよ。『アクアトルネード』!」
かざした手から、激しく渦巻く水が発射され、その水は地面を削りながら、リーフィスさんへと迫る。
リーフィスさんも手をかざす。
「煌めく水よ、猛々しい風よ。旋風となりて大地をかけよ。『アクアトルネード』!」
リーフィスさんも同じスキル、『アクアトルネード』を放つ。二人のスキルはぶつかり合うが、リーフィスさんが少し押されているようだ。
「うぅぅ。押し返せない……」
「まだまだいきます! はあぁああ!」
トゥビーさんが力を入れると、『アクアトルネード』の威力が上がり、リーフィスさんの、魔法は押し返されてしまった。
「きゃぁぁぁっ!!!」
「リーフィス王女ーー! ご無事ですか!?」
リーフィスさんは吹き飛ばされるが立ち上がる。
ジークさんの声に、リーフィスさんは笑顔で答えた。
「はい。大丈夫です。ありがとうございます。ーー見ていて下さい、私の成長を」
「リーフィス王女……。無理はしないでください……」
ジークさんは彼女を心配して焦っている様子だ。もちろん、僕も心配だ。無理はしないでほしい。
リーフィスさんは立ち上がると、負けずにスキルを放つ。
「『フラッシュボール』!」
リーフィスさんが放ったスキルに、トゥビーさんも、対抗してスキルを放つ。
「光属性……。やりますね。『エアロボール』!」
光と風の玉がぶつかり合い、激しい爆発を起こす。ボール系スキルは五分五分だ。
「魔法の才能があるようですね。いい腕をしてます。でも、私は魔法で負ける訳にはいきません」
トゥビーさんはそういうと、祈るようなポーズを取った。
胸につけていたペンダントは緑色に輝き、無数の光を散らす。
右手をゆっくり前に差し出すと、無数に散らばった光は、その手のひらに一つの光となって集まってきた。
すると、ドリアード様がそっと呟く。
「あの技は……」
準備が終わったトゥビーさんは、手を動かし標準をリーフィスさんに定めた。
手のひらから溢れるその光は見るものを魅力した。でも、あの技からは危ない匂いがする。ただの感だけど。
「ふぅ。……私の大技です。ーー危ないので避けて下さいね。
碧色に輝く宝珠よ。一線の光となりて、敵を撃て! 古代魔法! 『クライノート=シュトラール』!」
トゥビーさんがその技を放つと同時に、ドリアード様は慌てた様子で言う。
「トゥビー! その技を使ってはいけません! 危険です!」
ドリアード様はそういうが遅かった。もう、その技は放たれていたのだ。
その美しい薄緑色の光線は、宝石のエメラルドみたいだ。
光線は、速くはないが、広範囲で地面を削りながら進む。
危険察知した、僕はリーフィスさんの元へと走った。
「守護する光よ。我を守りたまえ。『プロテクション』」
あれは、被ダメージを軽減する補助スキル。ダメージを軽減するだけで防げるとは思えない。
このままだと怪我をしてしまう! しかも、『ダメージプロテクション』や『セイクリッドバリア』などの下位互換のスキルだ。
僕は、リーフィスさんの前に立ち、光線を剣で突き刺した。
くぅぅっ。ものすごい威力だ。剣を両手で持っているが、体ごと持っていかれそうな威力だ。
そして、数秒経つと、ピタリと光線が止んだ。
そして、リーフィスさんは怯えた声で僕に話しかける。
「ト、トワさん……?」
「はい、トワです。リーフィスさん大丈夫ですか?」
橘さんの返事を真似してみた。気づいてくれてるかな? まあ、そんなことはどうでもいいんだけども。
先程の技でリーフィスさんは、腰が抜け、怯えているようだ。
あんなものまともにくらっていたら、消し炭だろうし、仕方ない。
リーフィスさんの状態を確認した僕は口を開いた。
「ドリアード様。リーフィスさんは棄権します」
「分かったわ。親善試合第二試合はトゥビーの勝利。
リーフィスちゃん大丈夫? ごめんね、うちのトゥビーが調子に乗ったみたいで」
すると、トゥビーさんがこちらに走ってきて言った。
「すみません。大丈夫ですか? お怪我はありませんか?」
その言葉にドリアード様は子どもを叱るような口調で言った。
「こらっ! トゥビー! あの技は使ってはいけないって言ったでしょ!?
怪我をさせたらどうするの? それにあなたの体にもダメージがあるはずよ!」
「すみませんドリアード様……。魔法に関しては負けたくなくて……。ちょっと驚かそうと……。ーーそこの君、ありがとう!」
さっきの大技はトゥビーさんの体にもダメージがあるのか。いや、本当に危なかったよ。
僕は、腰が抜けたリーフィスさんを抱え、みんなが待つ場所に連れて行った。
特にジークさんが半泣きになっていた。泣きたいのはリーフィスさんの方だろうにね。
そんな事を思っていると、エルフの大男がフィールドに立って、僕たちを挑発するかのように言った。
「さぁ! 人間族ども! 次は俺様が相手だぁぁ! 捻り潰されてぇやつはでてこいやぁ!」
エルフの人たちは、いちいち僕たちを挑発しないと気が済まないのか。
リーフィスさんをジークさんに任せて、僕はゆっくりフィールドへと向かう。
そして、エルフの大男と対峙し、僕は落ち着いた様子で言った。
「お待たせしました。最後は僕が相手です」
「ほぉ。チビが相手か。てっきり、あの赤髪ライオンが来るかと思ったぜ。踏み潰して終わりだな」
この大男は本当に身長が高い。ドリアード様より身長がある。
190センチ以上はあると見た。僕からしたら巨人だよ。
本当に、踏み潰されそうだ。物凄い覇気らしきものを感じる。
まあ、僕も負けるつもりはないんだけどね。
すると、突然、心配そうにドリアード様が話しかけてきた。
「坊やさっきの魔法を受け止めてたけど大丈夫? 回復魔法をかけるわ」
「僕は大丈夫ですよ。お気遣いありがとうございます」
「おいおい、ドリアード様に回復してもらわなくていいのかぁ? 負けた時の言い訳にでも使うつもりか?」
仲間を侮辱されたままでは、僕のプライドが許さない。苛立ちを隠せない僕は挑発するように言った。
「分からないんですか? 回復しなくても僕は勝つんですよ。それより、そんな状態の僕に負けた時の言い訳でも考えたらどうですか?」
「ほぉ。チビのくせに態度はでかいようだな。謝ってももう許さねーからな」
まあ悪いことだとは思うけど、挑発してきたのはそっちからだからね。
おあいこだ。僕の事を悪く言われてもいいけど、仲間の事を悪く言われるのは腹が立つ。
そんな中、僕は剣を構える。
そして、ドリアード様が口を開く。
「ではこれより、親善試合第三試合、ウェーンvsトワ……開始!」
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