高卒できなかったわたしは今日も時間が巻き戻る

赤衣 桃

文字の大きさ
15 / 41
ナイトプール

14話目

しおりを挟む
「心配をしてくれるのは嬉しいけど、そういうリスクも承知の上で人間関係は成り立っているものだとわたしは考えているし」
「裏切られてからじゃ」
「すでに何回も騙されているからわたしは平気だって」
 にしてもユニからそんなアドバイスを聞かされるとは思わなかった、なんてつぶやきアヤがにやつく。
「ハヤテ、どうかした」
 ツーブロックの男の名前を呼んだ、ブロンドの女性が近づいてきた。彼女のオレンジを基調とした花柄の三角ビキニに包まれた揺れる乳房をアヤが凝視する。
「こちらの方たちに一緒にミッドミッドナイトを楽しまないかと誘っている最中」
「男一人だとナンパにしか聞こえないわよ」
 ユニと目を合わせた瞬間ブロンドの女性がほほえむ。

 初対面のはずのアヤに見つめられる理由が分からないからかブロンドの女性は不思議そうにしていた。
「あの、そちらの女性は」
「友達の下北しもきたカホさん。実はミッドミッドナイトに参加したいと誘ってきたのは彼女でして」
「もう一組、カップルが来る予定だったんですけど急用で。そのへんのこともあって彼なりに気を利かせようとして迷惑をかけたようですね」
 軽く頭を下げるカホの姿を見るとユニの顔つきが柔らかくなっていく。
「すみません。こちらこそ邪推してしまったみたいで」
「当たり前の反応ですよ。仮に今の話を聞いていても、わたしがいなければ信じてもらえなかったでしょうし」
 カホに突然……力強く両手を握られてかユニが驚いている様子。

 わたしと同じぐらい細腕なのにすごい力。格闘技でもやっているのかもしれないな。
「ハヤテ、彼だけなら不安だったと思いますが。わたしも一緒ならミッドミッドナイトに参加をしてもらえますよね」
 ぐいぐい迫るカホに気圧されて戸惑いながらもユニは頷いていた。白いフリルビキニの彼女がそれとなく手を振りほどこうとしていることに気づき、オレンジの三角ビキニの彼女が慌てて解放する。
「ごめんなさい。痛かったですよね」
「いえ……全然。格闘技とかをやっているんですか」
「そんなところですね、見た目とのギャップもあってか驚かれますけど。ところで二人のお名前は?」
 ユニとアヤはそれぞれに簡単な自己紹介をした。



「本当に身体の調子は良いの?」
 イフェメラル内にあるお化け屋敷に向かう途中、アヤがユニに耳打ちする。前を歩くハヤテが不意に振り向くと、赤いオフショルダービキニの彼女は笑顔をつくって手を振った。
「そもそも体調不良というよりは精神的なものだから、ある程度のショック療法も必要だと思う」
 異常な性癖や暴力性を抱えている男性ばかりじゃないのは頭では理解できている。多分ハヤテさんは優しい人だから心配する必要なんてないはず。
「問題ないなら別に良いんだけどさ」
 横に並び歩くハヤテとカホの背中をアヤが鋭い視線で見つめている。
「大丈夫だって。わたしも色々と経験してきたし、アヤが心配するようなことは」
 あんな異常者たちと会うことなんて絶対に。

「二人だけでずるいですよ。わたしも会話に交ぜてくれませんか」
 ついさっきまでハヤテの隣を歩いていたはずのカホに突然……後ろから声をかけられてアヤとユニがぎょっとする。
「素早いですね」
「ユニちゃんとアヤちゃんがそれだけ内緒話に集中していただけだよ。わたしは魔法使いじゃないから瞬間移動なんて使えないし」
「まるで瞬間移動以外だったら使える魔法があるみたいに聞こえちゃうけど」
 アヤの言葉にカホは大声で笑い、赤いオフショルダービキニの彼女の肩を抱く。
 左腕に押しつけられるカホの乳房の感触のせいかアヤが動揺している様子。

「わたしはまだ未完成だから大丈夫。わたしはまだ未完成だから大丈夫。わたしはまだ」
「アヤちゃん、どうかしたの?」
「いつものことなので心配しないでください」
 武家屋敷に似ている建物の前でハヤテが立ち止まり、連動するように彼の後ろを歩いていたビキニ姿の三人も口を閉じる。
 近くにあった木製の立て札には「入り口」と、おどろおどろしく赤い文字で書かれていた。
「二人ずつで入ったほうが一層、楽しめると思うんですが。ぼくも女性三人を守れる自信はありませんし」
「だったら一番小さいわたしがハヤテさんにエスコートしてもらいましょうかね。仲の良いカホさんが問題ないのであれば」
「ハヤテとはただの友達だって。それじゃあユニちゃんはわたしがエスコートさせてもらいますね」

 ジャンケンで順番を決めて……武家屋敷の中に入ったハヤテとアヤを見送るとカホはユニの手を握り、その場から離れていく。
「若い男女の邪魔する奴はナイフで切り刻まれても文句は言えませんから」
 物騒な言葉ではあるが、カホなりの気遣いの行動だと判断したようでユニは。声を出せないことに気づき白いフリルビキニの彼女がのどに触れる。
 ユニに肩を叩かれて、カホが振り向く。声が出せないことを伝えるが笑顔を貼りつけた状態のままで再びオレンジの三角ビキニの彼女が移動し始めた。
「声が出せないのは不安だよねえ。でも、もう少しだけ我慢してすぐにどうでも良くなってくるからさ」
 身の危険を感じ、逃げ出そうとするユニを意に介さず目的地である女子トイレにカホは誰にも見られないように白いフリルビキニの彼女を強引に連れこんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

それなりに怖い話。

只野誠
ホラー
これは創作です。 実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。 本当に、実際に起きた話ではございません。 なので、安心して読むことができます。 オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。 不定期に章を追加していきます。 2026/1/13:『こえ』の章を追加。2026/1/20の朝4時頃より公開開始予定。 2026/1/12:『あけてはいけない』の章を追加。2026/1/19の朝4時頃より公開開始予定。 2026/1/11:『みきさー』の章を追加。2026/1/18の朝4時頃より公開開始予定。 2026/1/10:『つかまれる』の章を追加。2026/1/17の朝8時頃より公開開始予定。 2026/1/9:『ゆうじんのかお』の章を追加。2026/1/16の朝4時頃より公開開始予定。 2026/1/8:『ついてきたもの』の章を追加。2026/1/15の朝4時頃より公開開始予定。 2026/1/7:『かわぞいのみち』の章を追加。2026/1/14の朝4時頃より公開開始予定。 ※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。

1分で読める怖い話短編集

しょくぱん
ホラー
一分で読める怖い話を定期的に投稿しています。 感想などをいただけると嬉しいです。 応援よろしくお願いします。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

残酷喜劇 短編集

ドルドレオン
ホラー
残酷喜劇、開幕。 短編集。人間の闇。 おぞましさ。 笑いが見えるか、悲惨さが見えるか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...