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2章

ディメンション・スクール(11)

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「危ないところだったー」
スカイカーを降りて、空へ向かうスカイカーに二人で手を降ったあと、マスターが言った。

「おもしろ半分で五次元の世界に来るのも考えものだな」

「じゃあ、どうする? これから。観光する?」

「パリの景色はエッフェル塔の上から見られたし、小説に書こうと思った通り、ひとつ教訓も得られたから、日本に戻ろうよ」

「教訓?  どんな教訓、得られたっけ」

「小説は小説を書く人に任せて、僕たちはカフェでマスターとウェイトレスをしたほうがいいってことだよ。人、それぞれ向いていることが違うからね」

「ふふっ。ほんとね じゃあ、マップ、マップ!」
マスターがトートバックからワールドマップを出すと、わたしはマスターが広げたマップのなかの日本を指差した。

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