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第三章 嘘の幸せと真実の絶望と
61 死をも恐れず乗り越えて02
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「結局、正面から行くのですか?」
冗談半分で聞いたら、「良く分かったな」と俺は寝言の通りに行動する所長に簡単に言われて呆れていた。
「ちなみに武器は特殊武器《これ》だけですか?ひょっとして拳銃とか持ってたりしたりとか、ないですよね」
当たり前だろう?と、逆に驚かれて拍子抜けしてしまう。
「麻薬組織の連中なんて絶対に銃とか持ってそうですよ!」
「そうだな。俺も近距離で銃を撃たれたり乱射されたら困るがな」
既にタクシーから降りて現場の倉庫に向かって歩いていたのだが、作戦のメドが立たないまま正面の入り口に着いてしまった。
夜の港は汽笛と波の音がどこか哀愁を感じさせるが、今はそんな状況ではない。
それらしき車から、人相の悪い奴等が数人出て来た。見張り番なのだろう。
恐らくこの時点で中の者にも連絡が行ってる筈だ。表にいるのは数えて六、七、八人か......。
「さて」
俺が数えきる頃に所長が呟き、その後男達は地面に倒れこんだ。
それは、俺が初日に見た"W"だった。つまりこいつらは強盗や恐喝並みの犯罪者レベルということか。
八人の男達から一斉に上空に解き放たれた黒い煙は、勢いそのまま所長目掛けて突っ込んで行く。
俺は危険を感じ、自分のブラックソードに手をやったが、その時には"W"は引きちぎれ、構えた時にはすでに地に横たわり、それぞれ浄化が始まっていた。
瞬殺、という言葉を今までの人生で何回使ったかわからないが、この時程瞬殺が的確な表現と思ったことはなかっだろう。
「ウタル、こっちだ」
倉庫の大きな搬入口の横に人間用の出入口扉があった。そこに向かっていたら扉が開き、中から人が除きこむように顔を出してきた。おそらく、外にいた見張りが俺達の確認と同時に連絡したのだろう。
所長は顔を出した男の顔面にブラックソードを突き刺した。
男は地に倒れ”W”が現れたが、またも同じく最初に見た程度の大きさだった。どれだけ極悪人が揃っているのかと呆れる程だった。
一匹だけだったので俺が倒すまで所長は扉の前で待っていてくれた。足が生え揃う前に倒す事ができたのは、俺が成長しているという事だろうと勝手に思うことにした。
中に入る時に鉄板の扉を開きながら所長は俺に言った。
「この扉を盾にして中を見てろ」
俺は出て来た男がしたように逆に顔だけ出して中を見た。所長がそうしろと言った意味は銃声によって直ぐに理解ができた。
倉庫という建物の中だろうか、銃声はかなり大きな音で鳴り響いた。
俺は慌てて顔を引っ込めて銃声が落ち着くのを待った。時間にして数秒だろう。
初めての銃声を聞く驚きと恐怖で、所長の安否に気が回らなかったのだっが、銃声が鳴り止んだので、扉から顔を出して中を見回した。
「もう大丈夫だぞ」
所長の声を聞いて、一安心しながら倉庫の中に入って驚愕した。
銃声は三発鳴ったのを俺は聞いている。中で倒れている麻薬組織の連中は二十人以上はいるのではないいか。
恐らく、いや確実に銃は見知らぬ侵入者である所長に向けられ発砲されただろう。その銃声が三発で済み、かつ全員を倒しているのだ。
テーブルを真ん中に挟み取引をしていただろうと思わせる位置で、連中は倒れていた。
冗談半分で聞いたら、「良く分かったな」と俺は寝言の通りに行動する所長に簡単に言われて呆れていた。
「ちなみに武器は特殊武器《これ》だけですか?ひょっとして拳銃とか持ってたりしたりとか、ないですよね」
当たり前だろう?と、逆に驚かれて拍子抜けしてしまう。
「麻薬組織の連中なんて絶対に銃とか持ってそうですよ!」
「そうだな。俺も近距離で銃を撃たれたり乱射されたら困るがな」
既にタクシーから降りて現場の倉庫に向かって歩いていたのだが、作戦のメドが立たないまま正面の入り口に着いてしまった。
夜の港は汽笛と波の音がどこか哀愁を感じさせるが、今はそんな状況ではない。
それらしき車から、人相の悪い奴等が数人出て来た。見張り番なのだろう。
恐らくこの時点で中の者にも連絡が行ってる筈だ。表にいるのは数えて六、七、八人か......。
「さて」
俺が数えきる頃に所長が呟き、その後男達は地面に倒れこんだ。
それは、俺が初日に見た"W"だった。つまりこいつらは強盗や恐喝並みの犯罪者レベルということか。
八人の男達から一斉に上空に解き放たれた黒い煙は、勢いそのまま所長目掛けて突っ込んで行く。
俺は危険を感じ、自分のブラックソードに手をやったが、その時には"W"は引きちぎれ、構えた時にはすでに地に横たわり、それぞれ浄化が始まっていた。
瞬殺、という言葉を今までの人生で何回使ったかわからないが、この時程瞬殺が的確な表現と思ったことはなかっだろう。
「ウタル、こっちだ」
倉庫の大きな搬入口の横に人間用の出入口扉があった。そこに向かっていたら扉が開き、中から人が除きこむように顔を出してきた。おそらく、外にいた見張りが俺達の確認と同時に連絡したのだろう。
所長は顔を出した男の顔面にブラックソードを突き刺した。
男は地に倒れ”W”が現れたが、またも同じく最初に見た程度の大きさだった。どれだけ極悪人が揃っているのかと呆れる程だった。
一匹だけだったので俺が倒すまで所長は扉の前で待っていてくれた。足が生え揃う前に倒す事ができたのは、俺が成長しているという事だろうと勝手に思うことにした。
中に入る時に鉄板の扉を開きながら所長は俺に言った。
「この扉を盾にして中を見てろ」
俺は出て来た男がしたように逆に顔だけ出して中を見た。所長がそうしろと言った意味は銃声によって直ぐに理解ができた。
倉庫という建物の中だろうか、銃声はかなり大きな音で鳴り響いた。
俺は慌てて顔を引っ込めて銃声が落ち着くのを待った。時間にして数秒だろう。
初めての銃声を聞く驚きと恐怖で、所長の安否に気が回らなかったのだっが、銃声が鳴り止んだので、扉から顔を出して中を見回した。
「もう大丈夫だぞ」
所長の声を聞いて、一安心しながら倉庫の中に入って驚愕した。
銃声は三発鳴ったのを俺は聞いている。中で倒れている麻薬組織の連中は二十人以上はいるのではないいか。
恐らく、いや確実に銃は見知らぬ侵入者である所長に向けられ発砲されただろう。その銃声が三発で済み、かつ全員を倒しているのだ。
テーブルを真ん中に挟み取引をしていただろうと思わせる位置で、連中は倒れていた。
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