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呪いの謎
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「え? ちょっと待って、もう一回言ってくれる?」
「恥ずかしいんだから何回も言わせるなよ。だから、魔王の呪いっていうのは、性行為をしたら死ぬってことなんだよ」
こういう場合の、もう一回言ってくれというセリフ、ドラマなどでよく見かけるが、相手は本当は聞こえているのに言わすのが殆どだと思っている。もしくは難聴なのかとも思ってしまう。今聞き直したルーチェも聞こえているはずなのだ。ただ、言葉の内容の読解に時間が掛かって意味不明なのかもしれないのだが。
「ププ。ごめん、もう一回言ってくれる? いや二回。なんなら十回くらい言ってくれてもええで」
「お前、人の不幸を楽しんでいるんだろ?」
どうやら理解はしていたようで、魔王の呪いによる不幸を楽しんでいただけのようだ。全く、同情を期待していたわけではないが、もう少し感傷的になってもらいたいものだ。
「わかりやすく言うと、死ぬまで童貞確定ってことかい?」
「すっごく簡潔に言ったな。まぁ、その通りなのだけどな」
「……」
「我慢せず、笑えよお前ら」
二人は決壊したダムから放出される水のように、大声で笑いだし、腹を抑えて両足をジタバタさせてのたうち回った。
「お前ら、笑い過ぎなんじゃないのか?」
「これでも心配してるんやで」
「どこがだよ!」
二人は引き続き笑いをやめなかった。一度来た道を戻るのは手綱を引かなくても帰れるらしく、セリカも馬車の荷台で一緒になって笑っているのでうるさすぎてたまらない。
「じゃあなにか? さっきまで、ミゼルは俺の大事な妹として見守っているぜ、みたいな恰好付けてたけど本当は付き合っていい感じになっても童貞卒業したら死ぬからできない! って状況だったんだな?」
「それで、ロリコンの本性さらけ出してキャゼルちゃんにしといたら、しばらくは行為できないからって安易な考え持ってたんだな?」
「全くそんなことひとことも言ってないだろ!捏造するなよ!」
二人の妄想を慌てて否定しながらも、少し悩んだ夜があるのは絶対に知られてはならないと、この時強く思った。
キャゼルはもちろん、ミゼルも見た目よりも精神的なところは幼いため、兄妹という設定を快く受け入れてくれ、そのおかげか、一緒に風呂に入ったり寝ることに抵抗がなかったようだ。
しかし二人の言うように、童貞の俺が我慢するのは毎夜残酷な程の仕打ちだった。ちょっとくらいいいのかな? などと自分の中の悪魔が囁くこともあったが、自分磨きと筋トレのお陰で賢者モードでなんとか夜を乗り越えてきた。だが、万葉子を解読する前に過ちを犯していれば俺はこの世から姿を消すことになっていたのだ。
つまり、兄妹という設定があったからミゼル達と本当の兄妹のように接したが、兄妹という言葉が俺を踏み止めさせてくれたといっても間違いではない。
特にキャゼルのように幼女ならいくらなんでも俺も常に賢者モードでいられるだろうと思ったことはあったのだが。
「それで、性行為っていうのはどこまでのことしたら死ぬのかいな?」
「どこまでって、そりゃ……どこまでだろう?」
ルーチェの質問に、今までわかっていたようで明確な答えは持ち合わせていなかったことに気が付いた。
「恥ずかしいんだから何回も言わせるなよ。だから、魔王の呪いっていうのは、性行為をしたら死ぬってことなんだよ」
こういう場合の、もう一回言ってくれというセリフ、ドラマなどでよく見かけるが、相手は本当は聞こえているのに言わすのが殆どだと思っている。もしくは難聴なのかとも思ってしまう。今聞き直したルーチェも聞こえているはずなのだ。ただ、言葉の内容の読解に時間が掛かって意味不明なのかもしれないのだが。
「ププ。ごめん、もう一回言ってくれる? いや二回。なんなら十回くらい言ってくれてもええで」
「お前、人の不幸を楽しんでいるんだろ?」
どうやら理解はしていたようで、魔王の呪いによる不幸を楽しんでいただけのようだ。全く、同情を期待していたわけではないが、もう少し感傷的になってもらいたいものだ。
「わかりやすく言うと、死ぬまで童貞確定ってことかい?」
「すっごく簡潔に言ったな。まぁ、その通りなのだけどな」
「……」
「我慢せず、笑えよお前ら」
二人は決壊したダムから放出される水のように、大声で笑いだし、腹を抑えて両足をジタバタさせてのたうち回った。
「お前ら、笑い過ぎなんじゃないのか?」
「これでも心配してるんやで」
「どこがだよ!」
二人は引き続き笑いをやめなかった。一度来た道を戻るのは手綱を引かなくても帰れるらしく、セリカも馬車の荷台で一緒になって笑っているのでうるさすぎてたまらない。
「じゃあなにか? さっきまで、ミゼルは俺の大事な妹として見守っているぜ、みたいな恰好付けてたけど本当は付き合っていい感じになっても童貞卒業したら死ぬからできない! って状況だったんだな?」
「それで、ロリコンの本性さらけ出してキャゼルちゃんにしといたら、しばらくは行為できないからって安易な考え持ってたんだな?」
「全くそんなことひとことも言ってないだろ!捏造するなよ!」
二人の妄想を慌てて否定しながらも、少し悩んだ夜があるのは絶対に知られてはならないと、この時強く思った。
キャゼルはもちろん、ミゼルも見た目よりも精神的なところは幼いため、兄妹という設定を快く受け入れてくれ、そのおかげか、一緒に風呂に入ったり寝ることに抵抗がなかったようだ。
しかし二人の言うように、童貞の俺が我慢するのは毎夜残酷な程の仕打ちだった。ちょっとくらいいいのかな? などと自分の中の悪魔が囁くこともあったが、自分磨きと筋トレのお陰で賢者モードでなんとか夜を乗り越えてきた。だが、万葉子を解読する前に過ちを犯していれば俺はこの世から姿を消すことになっていたのだ。
つまり、兄妹という設定があったからミゼル達と本当の兄妹のように接したが、兄妹という言葉が俺を踏み止めさせてくれたといっても間違いではない。
特にキャゼルのように幼女ならいくらなんでも俺も常に賢者モードでいられるだろうと思ったことはあったのだが。
「それで、性行為っていうのはどこまでのことしたら死ぬのかいな?」
「どこまでって、そりゃ……どこまでだろう?」
ルーチェの質問に、今までわかっていたようで明確な答えは持ち合わせていなかったことに気が付いた。
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