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城への侵入者
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何事かというようなざわつきを静めたのは、ロイエルーンが馬の男、確かロバーツという名の男を城内に入れる許可を出したからだ。
ホテルの受付兼の正面入り口のような広い待ち合い室で警備の者に挟まれて、ロバーツはソファに腰かけていた。
流石に馬は外に繋がれていたが。
「カウボーイたるもの、馬から降りる事は屈辱を表しているんだよ」
「一生馬の上で生活してろ」
ロイエルーンの呆れながら強い口調で言った言葉に我関せずといった様子だった。
「オー! ミゼルちゃん久しぶりだねー! しばらく見ないうちに色んな所が大人になったねぇ」
本当ならミゼル達を部屋に置いてきたかったのだが、さっきの手の振りようやミゼルも知ってるような感じは、遅かれ早かれ連れてこられる気がしたので一緒に降りてきた。
寝る時の姿のまま行こうとしたミゼルを止め、面倒くさがりながらも露出を抑えた服に着替えさせた。確かに風呂上がりで後はもう寝るだけなのに、普段着に着替えさせられるのは億劫でしかない。気持ちはわかるが内心そわそわしていた。
「下着は着けないからね!」
しぶしぶ着替えてくれることになったのだが、締め付けられるのが嫌ということで下着は却下された。転んだり、変な角度からでないと大事な部分は見られることはないと思うのだが、つい心配をしてしまう。少々妹達に対して独占欲でも働いているかのようだった。
キャゼルは寝る時の姿のままだが、俺がおんぶから降ろさない限りは大丈夫だろう。
「オッサン、ここに何の用でどういう知り合いなのか説明してくれるか?」
俺は少々強い口調で開口一番、ロバーツに喧嘩を売った。
「ユー! 久しぶりだね。半日振りかな? ユーの話を聞いて、もしやと思い、ここに来る気持ちを抑えきれなかったよ」
「答えになってないぞ」
遠回しで、聞いてる内容の答えを率直に言わないことにイラつきを隠せなかった。
「何から説明すれば、ユーは落ち着いてミーの話を聞いてくれるのかな? そーだなー、おそらく何をしにここまで来たかを説明する前に、あの可愛いかったミゼルちゃんがもう立派な大人になった。そのミゼルちゃんとの関係を先に言った方が話が早いかな? 話が早いと言うのは、ユーがイライラを爆発させるか、撃沈してその後の話に興味を失うかどちらかということだよ」
「早く言えよ」
俺のイラつきはピークに達しそうだった。遠回しに喋るロバーツの口調もそうだが、俺の知らない時代のミゼルを知ってるということに胸の奥からメラメラと燃えたぎるなにかがあるのがわかった。
しかし、次の言葉を聞いて、燃えたぎるなにかはイラつきと共に焼尽されていった。
「ミゼルちゃん、いやミゼル姫はミーの許嫁なのさ」
ホテルの受付兼の正面入り口のような広い待ち合い室で警備の者に挟まれて、ロバーツはソファに腰かけていた。
流石に馬は外に繋がれていたが。
「カウボーイたるもの、馬から降りる事は屈辱を表しているんだよ」
「一生馬の上で生活してろ」
ロイエルーンの呆れながら強い口調で言った言葉に我関せずといった様子だった。
「オー! ミゼルちゃん久しぶりだねー! しばらく見ないうちに色んな所が大人になったねぇ」
本当ならミゼル達を部屋に置いてきたかったのだが、さっきの手の振りようやミゼルも知ってるような感じは、遅かれ早かれ連れてこられる気がしたので一緒に降りてきた。
寝る時の姿のまま行こうとしたミゼルを止め、面倒くさがりながらも露出を抑えた服に着替えさせた。確かに風呂上がりで後はもう寝るだけなのに、普段着に着替えさせられるのは億劫でしかない。気持ちはわかるが内心そわそわしていた。
「下着は着けないからね!」
しぶしぶ着替えてくれることになったのだが、締め付けられるのが嫌ということで下着は却下された。転んだり、変な角度からでないと大事な部分は見られることはないと思うのだが、つい心配をしてしまう。少々妹達に対して独占欲でも働いているかのようだった。
キャゼルは寝る時の姿のままだが、俺がおんぶから降ろさない限りは大丈夫だろう。
「オッサン、ここに何の用でどういう知り合いなのか説明してくれるか?」
俺は少々強い口調で開口一番、ロバーツに喧嘩を売った。
「ユー! 久しぶりだね。半日振りかな? ユーの話を聞いて、もしやと思い、ここに来る気持ちを抑えきれなかったよ」
「答えになってないぞ」
遠回しで、聞いてる内容の答えを率直に言わないことにイラつきを隠せなかった。
「何から説明すれば、ユーは落ち着いてミーの話を聞いてくれるのかな? そーだなー、おそらく何をしにここまで来たかを説明する前に、あの可愛いかったミゼルちゃんがもう立派な大人になった。そのミゼルちゃんとの関係を先に言った方が話が早いかな? 話が早いと言うのは、ユーがイライラを爆発させるか、撃沈してその後の話に興味を失うかどちらかということだよ」
「早く言えよ」
俺のイラつきはピークに達しそうだった。遠回しに喋るロバーツの口調もそうだが、俺の知らない時代のミゼルを知ってるということに胸の奥からメラメラと燃えたぎるなにかがあるのがわかった。
しかし、次の言葉を聞いて、燃えたぎるなにかはイラつきと共に焼尽されていった。
「ミゼルちゃん、いやミゼル姫はミーの許嫁なのさ」
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