令嬢である妹と一緒に寝ても賢者でいられる方法を試してたらチート能力が備わった件

セリカの裸身を見たのは偶然ですか？

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　現世に置き換えるなら、水着はいいけど下着は恥ずかしいって感じか、もしくはパジャマでも恥ずかしとかなら肌の露出具合じゃなく状況か肝心って感覚かな？

「風呂にはルーチェも入ったのか？」

「朝から風呂なんか入ってられるかいなぁ。身体清めても大事なんはここよ」

　ルーチェは自分の胸を指した。おそらくハートが大事だと言いたいんだろう。

「あんたは身も心もヨゴレてるんだってば。ちょっとは私みたいに腹筋割れるまで鍛えてみたら？」

「わかってないのはそっち。ガリマッチョよりちょいポチャの女の子の方が男性に密かに人気あるの知らないの？」

「アンタのはちょいポチャより脂肪の固まりじゃないの。特に胸に集中してるようだけど」

　風呂場の方から着替えながらも声だけで参加してくる。

「身体を拭いてたって、湯船には浸かってないのか？」

　流石にシャワーはないから仕方ないのだが。

「ウタルの世界では風呂が当たり前かもしれないけど、この世界では貴重なのよ。今はお城に住んでるから贅沢してるだけで、それでも朝から湯船には浸かれないよ。いつでも浸かれたらだいぶ清められるけどねぇ」

「清めたところで性格が良くなるわけでもないんやろ」

「清めるという日々の心構えが大切なのよ。いつ何時でも強く美しい女性でいたいの。そんな僕を見て、カイト様がいつでも愛の告白をしてきても良いように準備しかないといけないんだよ。猫耳卒業も近いかも」

　ムフフと笑みを浮かべて口に手をやっていたセリカが着替えを終えて出てきた。

「幸せやなぁ、叶わない妄想だけで」

「さぁさぁルーチェも急いで準備しろよ。あと五分で出るぞ」

「ったく仕方ないなぁ。私の魔法が頼みの綱なんやろ？　ちゃんとボーナス弾んでな。期待してるで」

「準備って、どっか出かけるの？」

　ルーチェの準備を急かしてると不思議そうな顔をしてセリカが訪ねてくる。

「言ったじゃん。あ、風呂入ってたのか。カイトが連れ去られてな。奪還に行くついでに魔王も討伐するから」

「はぁ!?　ちょっとどういうことだよ！　ちゃんと説明しなよ！　ってかそういう大事なことは早く言いえよ！　僕の美しい裸を見てる場合じゃないだろうに！」

　俺の胸倉を掴んで前後に振る。細身ながらも腕力は申し分ないようだ。おかげで脳震盪起こしそうだ。

　ルーチェが準備している間に説明をして、整ったところで馬車の所へ行き、ミゼルと待ち合わせる。

　馬車で城から少し離れた所まで行き、ミゼルに香龍を呼んでもらい馬車の荷台を乗せて飛び立った。