娘を殺された母親が旦那とその愛人に復讐する話。

猫又

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私は美咲、 28歳、結婚して5年、3歳の娘と夫、姑との4人暮らし。
夫とは同じ会社務めから知り合った。
営業部でも期待されていた夫は仕事が出来て、優しくて、ハンサムな好青年だ。
私達は出会ってすぐに惹かれあい恋に落ちた。
すぐに結婚して、夫の母親と同居し始めた。
義母は自慢の息子が連れてきた女が私である事が気に入らなかったようだった。
私の身内は兄だけだった。幼い頃に事故で両親を失い、兄だけが私の家族だ。
孤児の女を嫁にしたというのが、義母には我慢がならないようだった。
だけど夫は優しく私を守ってくれるので、私も義母に対して孝行するつもりだった。
             
「ただいま、戻りました」
 パートを終えて、スーパーで買い物をして家に戻ると、玄関に女物の靴があった。
「また理沙さんが来てるのね」
 荷物を持って家に上がり、キッチンまで行く途中に居間の横を通るが、
「跡継ぎも産めないで、困った嫁だわ」
 と姑の声がした。
「可哀想なおばさま。達雄さんも息子が欲しいって言ってたわ」
 理沙さんの声がした。
 理沙さんは近所に住む夫の幼馴染みだ。
 家族ぐるみで付き合いがあるとかで、自由に家に出入りをする人だ。
 身体が弱いらしく、働きに出られないそうだ。
 家事手伝いをしているらしいが、ご両親が近所にある大きなスーパーを経営していて生活は裕福そうだった。

「でしょう? ああ、どうして理沙ちゃんと結婚しなかったのかしら。ね、今からでも遅くないわ。あの女を離婚させて追い出すから、達雄と結婚してちょうだい!」
 と姑の声がしたので私はどすどすと足音を立てて、
「ただいま」                                                            
 と大きな声で言いながら通った。

 夕食の下準備をしてから娘の愛衣を保育所に迎えに行った。
 可愛い可愛い私の娘。
 娘さえいたらいい。
 夫も義母や理沙さんが関わらなければ良い父親で良い夫なんだけど。
  
 愛衣と家に戻ると義母も理沙さんもいなくてシンとしていた。
 理沙さんが家に来ると夕食の用意もしなくてはならないが、義母の相手をしてくれるのでありがたい。
「愛衣、お母さん、夕食の準備をするから絵本でも読んでてね。今日はハンバーグよ」
 愛衣は、嬉しそうに小躍りしながら居間の方へ走って行った。
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