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「何だと!」
と達雄は言ったが、専務や秋山さんの視線に気づき、俯いた。
「あなたも」
と私は浮気相手の女に向かった。
「こんなつまらない男にひっかかって、一生を台なしにしたわね。私は穏便に済ませるつもりはありませんから。あなたからも慰謝料はきっちり頂きます。それにこういう話はすぐに面白おかしく広がりますよ。この先、あなたの縁談の度にまとわりつくでしょうね。妻子ある男と会議室での不倫三昧、そんな事を気にしない人とご縁があるといいですわね」
女は胸元を押さえたまま、泣き崩れた。
少し考えれば分かる事をこうやって衆人環視の元で暴露されなければ思いつかないのだろうか。愚かな女だ。
「おい! 言い過ぎだろ」
と達雄が言った。
「あら、愛人を庇うなんて余裕なのね。まあ、あなたも独身に戻るんだしその女を貰ってやればいい話よね。でもその人、贅沢そうだからあなた大丈夫? クビになったら大変よ?」
「やめろ! 嘘だろう? 美咲! 許してくれ……」
「ああ、無駄な問答はやめましょう。許すなんて選択はないから。それにあなたはこれで終わりじゃないの。会社以外にも愛人がいるでしょう? そちらとも決着はつけさせていただきますから」
「え」
泣きじゃくっていた女が顔を上げて達雄を睨んだし、吉岡専務が眉をひそめた。
「全く呆れた男だな。会社の規定を破ってまで女と浮気を楽しんで、そのせいでお子さんを亡くしたっていうのに、まだ他にも相手がいるのか? 人間としてあり得ない。君みたいな男が我が社の社員だなんて吐き気がする。これはもちろん社長にも人事部にも相談させてもらうから。覚悟したまえ!」
と専務が厳しい声で言った。
専務と息子は達雄と女を一睨みしてから部屋を出て行った。
女は息子の足にしがみついて謝罪を連発したが、簡単に振り払われて声もかけてもらえなかった。
「あんたのせいよ! バカ! 役立たず! 会社の中は安全だって言ったじゃない!」
と女が達雄に罵声を浴びせた。
「凄いな。この期に及んで浮気がバレたのがまずかったって思うんだ。浮気をしなければよかったっていう後悔はないのか」
と秋山さんは思いきり軽蔑した様に言い、女は秋山さんを睨みつけた。
「さあ、もう二人とも帰ってくれ。青島は会社からの処分が出るまで自宅謹慎になるだろうし、派遣の君はこんな不始末をしでかしたんだから、当然、契約は切るようになるだろうね。君を派遣した会社にも一報入れておくから」
と秋山さんが冷たく言い放った。
と達雄は言ったが、専務や秋山さんの視線に気づき、俯いた。
「あなたも」
と私は浮気相手の女に向かった。
「こんなつまらない男にひっかかって、一生を台なしにしたわね。私は穏便に済ませるつもりはありませんから。あなたからも慰謝料はきっちり頂きます。それにこういう話はすぐに面白おかしく広がりますよ。この先、あなたの縁談の度にまとわりつくでしょうね。妻子ある男と会議室での不倫三昧、そんな事を気にしない人とご縁があるといいですわね」
女は胸元を押さえたまま、泣き崩れた。
少し考えれば分かる事をこうやって衆人環視の元で暴露されなければ思いつかないのだろうか。愚かな女だ。
「おい! 言い過ぎだろ」
と達雄が言った。
「あら、愛人を庇うなんて余裕なのね。まあ、あなたも独身に戻るんだしその女を貰ってやればいい話よね。でもその人、贅沢そうだからあなた大丈夫? クビになったら大変よ?」
「やめろ! 嘘だろう? 美咲! 許してくれ……」
「ああ、無駄な問答はやめましょう。許すなんて選択はないから。それにあなたはこれで終わりじゃないの。会社以外にも愛人がいるでしょう? そちらとも決着はつけさせていただきますから」
「え」
泣きじゃくっていた女が顔を上げて達雄を睨んだし、吉岡専務が眉をひそめた。
「全く呆れた男だな。会社の規定を破ってまで女と浮気を楽しんで、そのせいでお子さんを亡くしたっていうのに、まだ他にも相手がいるのか? 人間としてあり得ない。君みたいな男が我が社の社員だなんて吐き気がする。これはもちろん社長にも人事部にも相談させてもらうから。覚悟したまえ!」
と専務が厳しい声で言った。
専務と息子は達雄と女を一睨みしてから部屋を出て行った。
女は息子の足にしがみついて謝罪を連発したが、簡単に振り払われて声もかけてもらえなかった。
「あんたのせいよ! バカ! 役立たず! 会社の中は安全だって言ったじゃない!」
と女が達雄に罵声を浴びせた。
「凄いな。この期に及んで浮気がバレたのがまずかったって思うんだ。浮気をしなければよかったっていう後悔はないのか」
と秋山さんは思いきり軽蔑した様に言い、女は秋山さんを睨みつけた。
「さあ、もう二人とも帰ってくれ。青島は会社からの処分が出るまで自宅謹慎になるだろうし、派遣の君はこんな不始末をしでかしたんだから、当然、契約は切るようになるだろうね。君を派遣した会社にも一報入れておくから」
と秋山さんが冷たく言い放った。
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