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第二十話 フォレシス5
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【キャンプ地】
冒険者の補給地となるのが、キャンプ地と言われる場所である。
暗黒世界の黒い霧を払っていく中で、冒険者は食料や戦利品などの売買、休憩をしたり、緊急の情報などを知らせるために、一定間隔の距離で必要な場所だった。
ウディル村もキャンプ地の一つ。
この発見も報酬が貰えることになっている。
ユラト達から少し離れたところにある木の家から明かりが漏れていた。
リュシアは念願のお風呂に入っていた。
彼女が入っている風呂の湯は薬草によって、淡いエメラルドグリーンの湯になっていた。
そして湯面を花びらが広がり、花の良い香りと共に風呂全体を包み込んでいた。
そこはまるで、春の日差しが降り注ぐ花畑のように鮮やかな色の空間を生み出していた。
彼女はパシャパシャと両足をばたつかせ、風呂の端にたどり着くと、両手で頬杖を付き、窓の隙間から見える夜空を眺めた。
空には明るい月があった。
湯気がふわふわと舞い上がっていき、夜空に浮かぶ月に吸い込まれていくようだった。
彼女は、それを何となく見つめていた。
(遠くに来た……ずっと遠くに……みんな元気かな?………ロゼに、ベル……それからベルのお父さんのアラムさん………他にも一杯……)
部屋の中を漂っていた湯気が先ほどよりも濃くなり、彼女の周囲は白い蒸気に包まれた。
視界が遮られ、外の景色があまり見えなくなってしまうほどだった。
そこで彼女は、視界を遮る湯気に向って、軽く息を吹いた。
「フッ―――」
湯気は聖石によって払われた黒い霧のように、一瞬で払われていった。
そして見やすくなった夜空を彼女は再び見ていた。
(ヴァベルの塔………あるのかな………そこにはファルバーン様以外は何があるのか………だけど……塔自体、無い可能性もあるんだよね……)
リュシアは、すぐに顔を左右に素早く振った。
(弱気になっちゃだめ!みんな、ヴァベルの塔にたどり着くから待ってて!)
リュシアが風呂から上がった後、ユラト達も風呂に入り、旅の疲れを癒した。
冒険者は、暗黒世界を旅する時、常に魔物との戦いと危険な冒険をするだけではない。
今日の自分たちのように、過去の人々の思いがけない、様々な恩恵に預かる時も存在するのだ。
ユラトは、木の家のベッドを借り、そこで仰向けに寝ると、目を閉じ、そう思っていた。
そして、すぐに疲れからか、目蓋が重くなっていくのを感じながら、幼馴染のエルディアの事を考えていた。
(エル……もうイシュト村に帰っているかな?……帰っていたら怒っているだろうな………そっちに帰るの、少し遅くなるかもしれない………ごめん………だけど、俺……ここで知り合った人たちと、もう少し頑張ってみたいんだ………この世界は広くて、見たことも無いことが一杯あって………それは俺にとって新鮮な驚きで、凄く面白いんだ!………俺は、自分の目で世界を見て………そして自分の手で、この呪いを解いてみたいんだよ………だから…………)
ユラトは、久しぶりのベッドでの就寝からか、すぐに深い眠りに付いた。
幼馴染みのエルディア・スティラートの事を思いながら。
ユラトが眠った頃、まだ目を開けている人物がいた。
それはリュシア・ヴァベルだった。
彼女は、ユラトがこの集落にたどり着いたとき、一番最初に入った木の家の中にある、天井近くのハンモックの中にいた。
そして外の景色を見ながら、この家にかつて住んでいたと思われる人物の日記を読んでいた。
この家の女性は、ちょうどリュシアと同じぐらいの歳で、戦火を逃れてきた人物のようだった。
両親を失い、そして何とかたどり着いたのが、この村だった。
彼女は、この村で生きるために一生懸命、頑張っていたようだった。
日記には、彼女の様々な感情が綴られていた。
読んでいくうちにリュシアは、自分と共通する部分も多いことから、彼女に親近感を覚えた。
(あたしと同じだ………この人も、ここで頑張っていたんだ……)
また、ダリオの読みどおり、ここはホグミットと人が生活していた場所のようだった。
彼女の日記に友人として、やんちゃなホグミットの事がよく書かれていた。
(このホグミット………ちょっと悪い奴………けど、憎めない……)
そして最後の所に、彼女の夢が書かれていた。
「もっと広い世界へ出てみたい………一番歳を取ったホグミットのルーボンさんから聞いたけど、世界には、もっと穏やかに生きられる場所があるんだって………はあ……あたしも行ってみたいな……こんな森の中だけじゃなくて、もっと広い世界へ……」
日記を読み終えたリュシアは、外の景色を眺めながら考えていた。
(この人………世界を見てみたかったんだ………私は……そんなのあんまり興味ないけど……)
そして、この部屋にあった寒冷地仕様のコートの事を思い出した。
(そうだ………じゃあ、代わりにあのコートを連れて行って………)
リュシアは、コートを買い取ることに決めた。
(うん、そうしよう!一緒に旅をするときは、色々見せてあげるね………)
そして彼女にも睡魔が訪れ始めた。
(一緒に世界を……旅しよ……)
ヴァベルの娘は、静かに寝息を立てると、黒いコート着て、白い息を吐きながら雪原を走る夢を見ていた。
ユラト達が寝静まったころ、1人レクスだけが見張りのため、起きていた。
彼は、ペリュトンの羽を矢羽に使えるように綺麗に水洗いし、干して乾かしていた。
(ここは……良い森だ………)
そして、それも終わったのでコップに水を入れ、少しずつ飲みながら、辺りを何となく見つめていた。
(そう言えば………ダリオからフンババと言う魔物の事を聞いたが……初めて聞く名前の魔物だったな……帰ったら父と兄にも言っておくか………)
レクスは水を飲み干すと、近くにあった木に素早く登り、すぐに太い枝に腰掛け、両腕を枕にして、木にもたれ掛かった。
そして、目を閉じ、夜の森の中で声を上げている小さな虫の鳴声と僅かに吹いている風によって木々の葉が擦れる音を楽しげに聞いていた。
(森は良い……ここの音もまた、我々の住んでいる森と同じぐらい良い音を出す………)
レクスは、そのまま、うとうとしてしまった。
そして彼が浅い眠りについた時、何か音が出始めていた。
それに気付いたのは、少し時間がたってからだった。
ほんの僅かな音であったため、彼の耳をもってしても感じ取ることが出来ないほど、それはゆっくりと、そしてじわじわと現れ、辺りを包み込んでいた。
ウッドエルフの細く長い耳が、ピンと立った。
「―――んっ!」
レクスは目を開けると、すぐに立ち上がり、木の上から周囲を見渡した。
「―――これは!?」
レクスは目を見張った。
すぐに彼は、他の仲間に知らせるために、大声を張り上げた。
「―――大変だ!みんな起きろ!!」
彼のただならぬ声を聞き、すぐに反応を見せたのはジルメイダだった。
彼女は剣を手に持ち、木の家から現れた。
「―――どうしたんだい!レクス!」
ジルメイダは、外へ出た瞬間、ウッドエルフの男の言っていた異変に気が付いた。
「………なんだい、これは……」
そしてすぐに危険を感じ取った彼女は、レクスと同じように、まだ起きていない仲間へ向って叫んだ。
「ユラト!ダリオ!リュシア!起きるんだ!!」
彼女の叫び声でユラトは目を覚ました。
(んっ………何かあったのか?)
ダリオは、すでに外へ出ていた。
そしてあくびをかきながら、ロッドを手に持ち、ジルメイダの声のした方へ、顔を向けた。
「どうしたジルメイダ、何が………って、おい!なんだよこれは!!」
ジルメイダは、すぐに動いた。
「あたしがリュシアを起こしてくる!あんたたちは、周囲を警戒しておくれ!」
そしてユラトが外へ慌てて出てきた。
「ジルメイダ!何かあった?」
目の前の景色に、ユラトも驚いた。
「………なんだ……これは……?」
なんと、ユラトたちがいる集落全体が水で満たされていた。
すぐにジルメイダがリュシアの名を叫びながら水の中に入った。
彼女のふくらはぎぐらいのところまでの深さの水だった。
水面は月明かりで僅かに光り、地面から盛り上がるように水が動いているようだった。
ダリオがウッドエルフの男に大きな声で尋ねていた。
「レクス!この辺りには、川はなかったんじゃねぇのか!?」
レクスは答えた。
「ああ、お前の言うとおり、この辺りには川はもちろん、池さえもなかったはずだ!」
ユラトが木の家から出て、ダリオやレクスのいる所へ歩いたとき、ある事を彼は感じた。
「………これは……」
そして2人に、その事を知らせるために彼は叫んだ。
「―――水位がまだ上がってます!」
ユラトが叫んだ時には、周囲の水の高さはユラトの腰ぐらいまであった。
レクスは川に手を入れ、水を見た。
「この水………一定方向に流れていない……どういうことだ?」
ダリオは何かに気付き、水に手を入れた。
そして、そのまま頭を水に浸け、地面に手を付けると、何かを確認し、すぐに起き上がった。
「なんだこりゃ……水が……地面から湧き上がってやがる!!」
ダリオの話を聞き、レクスは引っかかることがあった。
(突然、地面から大量の水が湧き上がる現象………どこかで………)
ジルメイダは、リュシアの所へたどり着き、彼女を起こしたようだった。
リュシアは眠い目を擦りながら、木の家の天井近くにあった窓を開け、外の景色を見た。
「………あれ……あたし、木のお家にいて、雪の野原を走って……えっと……あれ……溶けた?」
彼女がいるハンモックの下にいたジルメイダが叫んだ。
「リュシア!緊急事態だ!ちゃんと起きな!」
そこで彼女は、はっとなり、起きた。
「え……ええっ!?」
しばらく記憶を辿っていたレクスは、ようやく何かを思い出し始めていた。
「…………これは、確か……そうだ……あれだ………」
そんなレクスを見たユラトは、気になったので尋ねた。
「レクスさん、何か思い当たることでも?」
レクスは叫んだ。
「恐らくこれは、―――『フォレシス』だ!!」
冒険者の補給地となるのが、キャンプ地と言われる場所である。
暗黒世界の黒い霧を払っていく中で、冒険者は食料や戦利品などの売買、休憩をしたり、緊急の情報などを知らせるために、一定間隔の距離で必要な場所だった。
ウディル村もキャンプ地の一つ。
この発見も報酬が貰えることになっている。
ユラト達から少し離れたところにある木の家から明かりが漏れていた。
リュシアは念願のお風呂に入っていた。
彼女が入っている風呂の湯は薬草によって、淡いエメラルドグリーンの湯になっていた。
そして湯面を花びらが広がり、花の良い香りと共に風呂全体を包み込んでいた。
そこはまるで、春の日差しが降り注ぐ花畑のように鮮やかな色の空間を生み出していた。
彼女はパシャパシャと両足をばたつかせ、風呂の端にたどり着くと、両手で頬杖を付き、窓の隙間から見える夜空を眺めた。
空には明るい月があった。
湯気がふわふわと舞い上がっていき、夜空に浮かぶ月に吸い込まれていくようだった。
彼女は、それを何となく見つめていた。
(遠くに来た……ずっと遠くに……みんな元気かな?………ロゼに、ベル……それからベルのお父さんのアラムさん………他にも一杯……)
部屋の中を漂っていた湯気が先ほどよりも濃くなり、彼女の周囲は白い蒸気に包まれた。
視界が遮られ、外の景色があまり見えなくなってしまうほどだった。
そこで彼女は、視界を遮る湯気に向って、軽く息を吹いた。
「フッ―――」
湯気は聖石によって払われた黒い霧のように、一瞬で払われていった。
そして見やすくなった夜空を彼女は再び見ていた。
(ヴァベルの塔………あるのかな………そこにはファルバーン様以外は何があるのか………だけど……塔自体、無い可能性もあるんだよね……)
リュシアは、すぐに顔を左右に素早く振った。
(弱気になっちゃだめ!みんな、ヴァベルの塔にたどり着くから待ってて!)
リュシアが風呂から上がった後、ユラト達も風呂に入り、旅の疲れを癒した。
冒険者は、暗黒世界を旅する時、常に魔物との戦いと危険な冒険をするだけではない。
今日の自分たちのように、過去の人々の思いがけない、様々な恩恵に預かる時も存在するのだ。
ユラトは、木の家のベッドを借り、そこで仰向けに寝ると、目を閉じ、そう思っていた。
そして、すぐに疲れからか、目蓋が重くなっていくのを感じながら、幼馴染のエルディアの事を考えていた。
(エル……もうイシュト村に帰っているかな?……帰っていたら怒っているだろうな………そっちに帰るの、少し遅くなるかもしれない………ごめん………だけど、俺……ここで知り合った人たちと、もう少し頑張ってみたいんだ………この世界は広くて、見たことも無いことが一杯あって………それは俺にとって新鮮な驚きで、凄く面白いんだ!………俺は、自分の目で世界を見て………そして自分の手で、この呪いを解いてみたいんだよ………だから…………)
ユラトは、久しぶりのベッドでの就寝からか、すぐに深い眠りに付いた。
幼馴染みのエルディア・スティラートの事を思いながら。
ユラトが眠った頃、まだ目を開けている人物がいた。
それはリュシア・ヴァベルだった。
彼女は、ユラトがこの集落にたどり着いたとき、一番最初に入った木の家の中にある、天井近くのハンモックの中にいた。
そして外の景色を見ながら、この家にかつて住んでいたと思われる人物の日記を読んでいた。
この家の女性は、ちょうどリュシアと同じぐらいの歳で、戦火を逃れてきた人物のようだった。
両親を失い、そして何とかたどり着いたのが、この村だった。
彼女は、この村で生きるために一生懸命、頑張っていたようだった。
日記には、彼女の様々な感情が綴られていた。
読んでいくうちにリュシアは、自分と共通する部分も多いことから、彼女に親近感を覚えた。
(あたしと同じだ………この人も、ここで頑張っていたんだ……)
また、ダリオの読みどおり、ここはホグミットと人が生活していた場所のようだった。
彼女の日記に友人として、やんちゃなホグミットの事がよく書かれていた。
(このホグミット………ちょっと悪い奴………けど、憎めない……)
そして最後の所に、彼女の夢が書かれていた。
「もっと広い世界へ出てみたい………一番歳を取ったホグミットのルーボンさんから聞いたけど、世界には、もっと穏やかに生きられる場所があるんだって………はあ……あたしも行ってみたいな……こんな森の中だけじゃなくて、もっと広い世界へ……」
日記を読み終えたリュシアは、外の景色を眺めながら考えていた。
(この人………世界を見てみたかったんだ………私は……そんなのあんまり興味ないけど……)
そして、この部屋にあった寒冷地仕様のコートの事を思い出した。
(そうだ………じゃあ、代わりにあのコートを連れて行って………)
リュシアは、コートを買い取ることに決めた。
(うん、そうしよう!一緒に旅をするときは、色々見せてあげるね………)
そして彼女にも睡魔が訪れ始めた。
(一緒に世界を……旅しよ……)
ヴァベルの娘は、静かに寝息を立てると、黒いコート着て、白い息を吐きながら雪原を走る夢を見ていた。
ユラト達が寝静まったころ、1人レクスだけが見張りのため、起きていた。
彼は、ペリュトンの羽を矢羽に使えるように綺麗に水洗いし、干して乾かしていた。
(ここは……良い森だ………)
そして、それも終わったのでコップに水を入れ、少しずつ飲みながら、辺りを何となく見つめていた。
(そう言えば………ダリオからフンババと言う魔物の事を聞いたが……初めて聞く名前の魔物だったな……帰ったら父と兄にも言っておくか………)
レクスは水を飲み干すと、近くにあった木に素早く登り、すぐに太い枝に腰掛け、両腕を枕にして、木にもたれ掛かった。
そして、目を閉じ、夜の森の中で声を上げている小さな虫の鳴声と僅かに吹いている風によって木々の葉が擦れる音を楽しげに聞いていた。
(森は良い……ここの音もまた、我々の住んでいる森と同じぐらい良い音を出す………)
レクスは、そのまま、うとうとしてしまった。
そして彼が浅い眠りについた時、何か音が出始めていた。
それに気付いたのは、少し時間がたってからだった。
ほんの僅かな音であったため、彼の耳をもってしても感じ取ることが出来ないほど、それはゆっくりと、そしてじわじわと現れ、辺りを包み込んでいた。
ウッドエルフの細く長い耳が、ピンと立った。
「―――んっ!」
レクスは目を開けると、すぐに立ち上がり、木の上から周囲を見渡した。
「―――これは!?」
レクスは目を見張った。
すぐに彼は、他の仲間に知らせるために、大声を張り上げた。
「―――大変だ!みんな起きろ!!」
彼のただならぬ声を聞き、すぐに反応を見せたのはジルメイダだった。
彼女は剣を手に持ち、木の家から現れた。
「―――どうしたんだい!レクス!」
ジルメイダは、外へ出た瞬間、ウッドエルフの男の言っていた異変に気が付いた。
「………なんだい、これは……」
そしてすぐに危険を感じ取った彼女は、レクスと同じように、まだ起きていない仲間へ向って叫んだ。
「ユラト!ダリオ!リュシア!起きるんだ!!」
彼女の叫び声でユラトは目を覚ました。
(んっ………何かあったのか?)
ダリオは、すでに外へ出ていた。
そしてあくびをかきながら、ロッドを手に持ち、ジルメイダの声のした方へ、顔を向けた。
「どうしたジルメイダ、何が………って、おい!なんだよこれは!!」
ジルメイダは、すぐに動いた。
「あたしがリュシアを起こしてくる!あんたたちは、周囲を警戒しておくれ!」
そしてユラトが外へ慌てて出てきた。
「ジルメイダ!何かあった?」
目の前の景色に、ユラトも驚いた。
「………なんだ……これは……?」
なんと、ユラトたちがいる集落全体が水で満たされていた。
すぐにジルメイダがリュシアの名を叫びながら水の中に入った。
彼女のふくらはぎぐらいのところまでの深さの水だった。
水面は月明かりで僅かに光り、地面から盛り上がるように水が動いているようだった。
ダリオがウッドエルフの男に大きな声で尋ねていた。
「レクス!この辺りには、川はなかったんじゃねぇのか!?」
レクスは答えた。
「ああ、お前の言うとおり、この辺りには川はもちろん、池さえもなかったはずだ!」
ユラトが木の家から出て、ダリオやレクスのいる所へ歩いたとき、ある事を彼は感じた。
「………これは……」
そして2人に、その事を知らせるために彼は叫んだ。
「―――水位がまだ上がってます!」
ユラトが叫んだ時には、周囲の水の高さはユラトの腰ぐらいまであった。
レクスは川に手を入れ、水を見た。
「この水………一定方向に流れていない……どういうことだ?」
ダリオは何かに気付き、水に手を入れた。
そして、そのまま頭を水に浸け、地面に手を付けると、何かを確認し、すぐに起き上がった。
「なんだこりゃ……水が……地面から湧き上がってやがる!!」
ダリオの話を聞き、レクスは引っかかることがあった。
(突然、地面から大量の水が湧き上がる現象………どこかで………)
ジルメイダは、リュシアの所へたどり着き、彼女を起こしたようだった。
リュシアは眠い目を擦りながら、木の家の天井近くにあった窓を開け、外の景色を見た。
「………あれ……あたし、木のお家にいて、雪の野原を走って……えっと……あれ……溶けた?」
彼女がいるハンモックの下にいたジルメイダが叫んだ。
「リュシア!緊急事態だ!ちゃんと起きな!」
そこで彼女は、はっとなり、起きた。
「え……ええっ!?」
しばらく記憶を辿っていたレクスは、ようやく何かを思い出し始めていた。
「…………これは、確か……そうだ……あれだ………」
そんなレクスを見たユラトは、気になったので尋ねた。
「レクスさん、何か思い当たることでも?」
レクスは叫んだ。
「恐らくこれは、―――『フォレシス』だ!!」
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