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第二章
第十二部分
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午後からは数学のテストの時間となった。試験監督はやはり桃羅である。
「う~ん。よく目がよく見えない。」
日頃の成績は上位の大悟であるが、さかんに目を擦っている。
「ほらほ~ら、あたいのショボイ攻撃の効果が出てきたです。これでこのテスト結果が悲惨な末路を迎えることが見えるです。あ~、大悟たんの真っ暗フューチャーに快感の字。」
衣好花はまたも指で額に光る文字を描いた後、薄黄色の頬を両手で撫でている。
「それではテストを回収するよ。後ろの人から前に回してね。すぐに採点して結果発表するからね。」
教壇にテストが集まり、教師桃羅は一旦教室を出た。
大悟は頭を抱えていた。それを見ている衣好花は、表情を崩してニヤついている。
非常にイヤな予感がする中、教師桃羅が帰ってきた。頬っぺたをふぐのように大きく膨らませている。目を三角にしたり、丸にしたりしている。
「大変意外で残念だけど喜び組なことが起こったよ。今回のテストで補習者が出ちゃったよ。それも普段成績優秀者のお兄ちゃんだよ。」
大悟は目を閉じて、溜息をついた。
「やっぱりな。目が見えなくて、何も書けなかったんだから。」
「お兄ちゃん。モモの補習を受けたくて、零点とったんだね。成績は悲しいけど、感情的にはうれし過ぎるよ。でもひとつ引っ掛かりがあってねえ・・・。」
教師桃羅の複雑な表情の原因はこれだった。
「どうして、もうひとり零点がいるんだよ。それも今日転校してきた人。この人、本当は2年生なんだけど。」
「転校してきたばかりでテスト勉強なんかしてなかったので仕方ないよです。決してわざと零点とったわけじゃないよです。う~ん、あたいの計画通りに補習という厳罰が決まって、うれしいよです。快感の字。」
ゆらゆらと腰を艶めかしく動かす衣好花。
「なんか、すごくムカつくんだけど、教師だから立場をわきまえないとね。」
「言ってることと、やってることがちげーだろ!」
教師桃羅は大悟の机に座ってスカートをめくろうとしていた。しかし、目線だけは右側を向いていた。
こちらにもうひとりイライラしている女子がいた。
「ふたりっきりで補習?バッカじゃないの。アタシにはぜんぜん関係ないんだからねっ。放課後はバイトもあるし、さっさと帰るわよ。ぜったいに教室をのぞいたりなんかしないんわよ。・・・たぶん。」
補習をのぞく気満々らしきユリであった。
「う~ん。よく目がよく見えない。」
日頃の成績は上位の大悟であるが、さかんに目を擦っている。
「ほらほ~ら、あたいのショボイ攻撃の効果が出てきたです。これでこのテスト結果が悲惨な末路を迎えることが見えるです。あ~、大悟たんの真っ暗フューチャーに快感の字。」
衣好花はまたも指で額に光る文字を描いた後、薄黄色の頬を両手で撫でている。
「それではテストを回収するよ。後ろの人から前に回してね。すぐに採点して結果発表するからね。」
教壇にテストが集まり、教師桃羅は一旦教室を出た。
大悟は頭を抱えていた。それを見ている衣好花は、表情を崩してニヤついている。
非常にイヤな予感がする中、教師桃羅が帰ってきた。頬っぺたをふぐのように大きく膨らませている。目を三角にしたり、丸にしたりしている。
「大変意外で残念だけど喜び組なことが起こったよ。今回のテストで補習者が出ちゃったよ。それも普段成績優秀者のお兄ちゃんだよ。」
大悟は目を閉じて、溜息をついた。
「やっぱりな。目が見えなくて、何も書けなかったんだから。」
「お兄ちゃん。モモの補習を受けたくて、零点とったんだね。成績は悲しいけど、感情的にはうれし過ぎるよ。でもひとつ引っ掛かりがあってねえ・・・。」
教師桃羅の複雑な表情の原因はこれだった。
「どうして、もうひとり零点がいるんだよ。それも今日転校してきた人。この人、本当は2年生なんだけど。」
「転校してきたばかりでテスト勉強なんかしてなかったので仕方ないよです。決してわざと零点とったわけじゃないよです。う~ん、あたいの計画通りに補習という厳罰が決まって、うれしいよです。快感の字。」
ゆらゆらと腰を艶めかしく動かす衣好花。
「なんか、すごくムカつくんだけど、教師だから立場をわきまえないとね。」
「言ってることと、やってることがちげーだろ!」
教師桃羅は大悟の机に座ってスカートをめくろうとしていた。しかし、目線だけは右側を向いていた。
こちらにもうひとりイライラしている女子がいた。
「ふたりっきりで補習?バッカじゃないの。アタシにはぜんぜん関係ないんだからねっ。放課後はバイトもあるし、さっさと帰るわよ。ぜったいに教室をのぞいたりなんかしないんわよ。・・・たぶん。」
補習をのぞく気満々らしきユリであった。
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