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第一章

第四十三話

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((な、なんと悲しい物語どすな。ううう。それにセレブへの道の厳しさがよく伝わってきたどす。))


 絵里華は涙交じりに感想を述べた。それを見て、由梨は胸を張った。張り切れなかったが。


「何余計なフレーズを付け加えているのよ。絵里華、このセレブがたこ焼きという高級料理を教えてやるわ。都、ここにたこ焼きセットを用意しなさい。」


「どうしてオレがそんなことをする必要がある。」


 一応抵抗してみせた。


「セレブの命令は絶対なのよ。」


「そうなんですか。はいはい。別にいいけど。」


 別にオレは由梨の奴隷ではない。でも死んでいる者が食べたいというなら、これは一種の供養なのだ。そう理解した。


 この流れでたこ焼きセットを部屋に持ってきたオレ。テーブルにすべてをセットした。一応、由梨に尋ねてみた。


「いうまでもなく、焼くのはオレの役割だな?」


「当然よ。セレブがそんなことをするわけないじゃない。ていうより、都こそ、準備万端じゃない。」


 そう。オレはなぜかメイド服を着ている。女装が趣味なんだから、これくらいはフツーに持っているけど、何か?
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