70 / 140
第二章
第三話
しおりを挟む
『ROYAL SALON』とある。生徒会室なのか?
ドアも結婚式場のように両開きで、取っ手にはダイヤモンドがちりばめられている。とにかく呼ばれている以上、入室は許可されているはずだ。思いっきりドアを開いた。そもそも暗い廊下から入ってきたわけではあるが、それ以上に中は暗かった。
室内の様子は一見して異様だった。見渡す限りの墓地。雲が月を遮り、かなり暗い。地球の自転で、少しずつ明かるくなり、お互いの顔が十分確認できる程度の照度となった。ここって生徒会室じゃなかったっけ。
「あれっ。由梨。たくさんぶらさげたり、頭に付けたりしてるんだな。それっていったい何?」
オレがツッコミたくなるのも無理はない。背中に乗った段階では何もからだにつけてなかったはずの由梨。首にあまたのお守り、十字架と藁人形にこけし、背中には破魔矢、両袖にはお札、額にはハチマキとろうそく。そこには『悪霊退散』とある。頭部側面にはツインテールを止めるリボンの代わりに、生にんにく。二個ずつで髪止している。
「こ、これはあれよ。あれっ。」
「あれって、もしかしたら、魔除けグッズなのかな。」
「ち、違うわよ。どうしてそんなものが必要なのよ。ここにあるのは、すべてアクセサリーよ、ファッションなのよ。そう、セレブはどこに行くにも身だしなみは豪華にしなきゃいけないことは昔から決まっているわ。」
「そうなのかな。動くのにジャマじゃないのか。」
「そ、そんなことないわ。十分機能的よ。ほら、この通りよ。」
由梨がその場でターンをしてみせる。
「うっ、これはたまらん。」
都は思わず鼻に手を当てる。にんにくの強烈な臭いがもやのように周囲を曇らせる。
ここは墓地。この時間帯であればひっそりしており、都たちの会話だけが響くはずだが、そうではない。むしろ、回りの方がうるさい位に騒がしいのである。それも相当な数。食べたり、飲んだり、歌ったり、茶碗を叩いたり。能を舞ったり。中にはギターやドラムで演奏したりしている者もいる。
ドアも結婚式場のように両開きで、取っ手にはダイヤモンドがちりばめられている。とにかく呼ばれている以上、入室は許可されているはずだ。思いっきりドアを開いた。そもそも暗い廊下から入ってきたわけではあるが、それ以上に中は暗かった。
室内の様子は一見して異様だった。見渡す限りの墓地。雲が月を遮り、かなり暗い。地球の自転で、少しずつ明かるくなり、お互いの顔が十分確認できる程度の照度となった。ここって生徒会室じゃなかったっけ。
「あれっ。由梨。たくさんぶらさげたり、頭に付けたりしてるんだな。それっていったい何?」
オレがツッコミたくなるのも無理はない。背中に乗った段階では何もからだにつけてなかったはずの由梨。首にあまたのお守り、十字架と藁人形にこけし、背中には破魔矢、両袖にはお札、額にはハチマキとろうそく。そこには『悪霊退散』とある。頭部側面にはツインテールを止めるリボンの代わりに、生にんにく。二個ずつで髪止している。
「こ、これはあれよ。あれっ。」
「あれって、もしかしたら、魔除けグッズなのかな。」
「ち、違うわよ。どうしてそんなものが必要なのよ。ここにあるのは、すべてアクセサリーよ、ファッションなのよ。そう、セレブはどこに行くにも身だしなみは豪華にしなきゃいけないことは昔から決まっているわ。」
「そうなのかな。動くのにジャマじゃないのか。」
「そ、そんなことないわ。十分機能的よ。ほら、この通りよ。」
由梨がその場でターンをしてみせる。
「うっ、これはたまらん。」
都は思わず鼻に手を当てる。にんにくの強烈な臭いがもやのように周囲を曇らせる。
ここは墓地。この時間帯であればひっそりしており、都たちの会話だけが響くはずだが、そうではない。むしろ、回りの方がうるさい位に騒がしいのである。それも相当な数。食べたり、飲んだり、歌ったり、茶碗を叩いたり。能を舞ったり。中にはギターやドラムで演奏したりしている者もいる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
23
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる