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第二章
第三十三話
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「うん。もう何とも思ってない。まっほは、院長が好きだもの。」
「ならよい。万?には神たちが家族なんだから。あっ、神は神であることは変わりがないがな。」
「・・・ありがとう。美緒たん。・・・う、う、う。」
美緒に抱きついた万?。両手を万?に背中に回して、包み込む美緒。これぞ神の手。霊体だから体温はないはず。でもこれ以上ないくらいのぬくもりを感じる万?であった。
「万?が元気になって良かった。見つからない親が仮にどこかで生きていたとしても、会うことはかなわない。この神もそれは同じ。どうしようもない奴だが、生きている都がうらやましい。」
美緒がひとりごちた。
「美緒、何か言った?」
由梨が心配気に美緒の顔を覗いた。
「いや、なんでもない。ははは。」
美緒の言葉には力が感じられなかった。
『ところで、ジバクたちは有名な武将たちですよね。そんな連中がこんなところにいるんですかね?』
『もっともな疑問だ。豊臣秀吉とかがこんなところにいるわけではない。』
『じゃあどうしてそんな名前を名乗っているんだ。』
『歴史に名を残したような人物はそれだけ精神エネルギーが強いんだ。それに感化されるジバクはけっこういる。生前にそういう著名人に傾倒していた場合に、強い影響を受けて、死後に自分がその人物の記憶を受け入れることがある。いやむしろ、支配されていさえする。そのひとつの例じゃないかな。』
『はあ。そんなものなんだ。』
美緒の説明が十分に理解できないオレであった。精神エネルギーによる支配。これは霊界ではよくあることなのである。
「ならよい。万?には神たちが家族なんだから。あっ、神は神であることは変わりがないがな。」
「・・・ありがとう。美緒たん。・・・う、う、う。」
美緒に抱きついた万?。両手を万?に背中に回して、包み込む美緒。これぞ神の手。霊体だから体温はないはず。でもこれ以上ないくらいのぬくもりを感じる万?であった。
「万?が元気になって良かった。見つからない親が仮にどこかで生きていたとしても、会うことはかなわない。この神もそれは同じ。どうしようもない奴だが、生きている都がうらやましい。」
美緒がひとりごちた。
「美緒、何か言った?」
由梨が心配気に美緒の顔を覗いた。
「いや、なんでもない。ははは。」
美緒の言葉には力が感じられなかった。
『ところで、ジバクたちは有名な武将たちですよね。そんな連中がこんなところにいるんですかね?』
『もっともな疑問だ。豊臣秀吉とかがこんなところにいるわけではない。』
『じゃあどうしてそんな名前を名乗っているんだ。』
『歴史に名を残したような人物はそれだけ精神エネルギーが強いんだ。それに感化されるジバクはけっこういる。生前にそういう著名人に傾倒していた場合に、強い影響を受けて、死後に自分がその人物の記憶を受け入れることがある。いやむしろ、支配されていさえする。そのひとつの例じゃないかな。』
『はあ。そんなものなんだ。』
美緒の説明が十分に理解できないオレであった。精神エネルギーによる支配。これは霊界ではよくあることなのである。
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