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第一章
第十七話・ふたりのJKへキス
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それから数日後、協会からの連絡で現場の女子校に急行した大悟と楡浬の前にいたのは、ケンカしているふたりの女子高生。ひとりは小柄、もうひとりは普通くらいの背丈。
とりあえず、めんどくさそうだったので、そのふたりを避けて、他の女子高生を手当たり次第にキッシンジャーしたが、いずれも食われていない人間で、大悟は『このドヘンタイ!』とキスした女子高生にぶったたかれている。
これがあるので、楡浬は必要以上に大悟を責めていないのである。散々顔をひっぱたかれて、腐ったトマトのように腫れ上がった大悟が楡浬に目を合わせた。
「なにか言いたいことがあるんでしょ。そんな哀れみとお涙頂戴的なオーラを醸し出すのはやめてくれる。空気が重苦しくて牢獄にいるようだわ。」
「そう感じてくれてありがとう。」
「全然感謝されたくない空気に支配されたわ。早く仕事を終わらせてよ。ケンカしてるふたりのどちらかが喰疑者なんでしょ。それしか選択肢がないわ。」
「突き放さないでくれてありがとう。さすがオレが認めていない許嫁だ。」
「なんだか、棘と毒を感じるような言い回しだけど。」
「気にするな。じゃあ、やるぜ。キッシンジャー、フェイスドッキング!」
「そのキャッチコピー、最低だわ。」
「こいつらまだケンカしてるけど、どちらかが饅頭人だ。まず小さい方からやるぞ。」
キスには無抵抗、大抵は暴れるが、大悟が近寄ると、ふたりとも大悟の方を見ている。外見上は女子高生。それもけっこうかわいい。
「ちょっと大悟。あんた、今、かわいいとか思って、欲情スイッチ入れたでしょ?」
「そんなことはないぞ。欲情スイッチは手動ではなく自動だ。現代はクルマ運転も自動の時代。欲情スイッチもオートタイマーだ。」
「つまりスイッチオンを認めたわけね。」
「ネーチャーコールミーはオレのせいじゃない。そんなことより、なんだか変なイメージが浮かんだんだよな。」
キスした瞬間に瓢箪のようなものがアタマに浮かんだ。
次に背の少し高い方の女子をロックオンした大悟。こちらもなぜかほとんどノーレジスタンスで大悟のキッシンジャーを受け入れた。
あまりの容易さに拍子抜けした大悟は、欲情というモチベーションを喪失した。大悟をガン見していた楡浬は、フーッと安堵するように息を吐いた。
キスされた女子は通常饅頭人に戻ってしまうが、このふたりの女子のからだは変化しなかった。
「これはいったいどういうことだ。喰疑者は饅頭人じゃなかったのか?あるいはここに饅頭人がいるというのは誤報だったのか?」
貧乳携帯着信音が大きく聞こえた。
『ママだよ~!大ちゃん、ママは間違ったりしないよ。大ちゃん産んだのは巨大な間違いだったけど。』
「オレは間違いで生まれた不倫な子だったのか?」
『冗談だよ、半分。ますます不安が積乱雲化したんだけど。まあまあ間違いの話は老いといて。』
「老いるのかよ!」
「失礼だよ!まだママは純潔なんだから。」
「自分で言ってるんじゃないか。間違いと純潔は正反対の概念だろ?」
『あらあら、大ちゃんもオトナになっちやったね。とにかく、そのふたりの饅頭人的女子は人間だから大丈夫だよ。自己紹介でも聞いたらいいよ。じゃあね、そこの女の子たち、売買。』
「そんなバイバイってあるか!」
改めて大悟は小さい方の女子を見た。
とりあえず、めんどくさそうだったので、そのふたりを避けて、他の女子高生を手当たり次第にキッシンジャーしたが、いずれも食われていない人間で、大悟は『このドヘンタイ!』とキスした女子高生にぶったたかれている。
これがあるので、楡浬は必要以上に大悟を責めていないのである。散々顔をひっぱたかれて、腐ったトマトのように腫れ上がった大悟が楡浬に目を合わせた。
「なにか言いたいことがあるんでしょ。そんな哀れみとお涙頂戴的なオーラを醸し出すのはやめてくれる。空気が重苦しくて牢獄にいるようだわ。」
「そう感じてくれてありがとう。」
「全然感謝されたくない空気に支配されたわ。早く仕事を終わらせてよ。ケンカしてるふたりのどちらかが喰疑者なんでしょ。それしか選択肢がないわ。」
「突き放さないでくれてありがとう。さすがオレが認めていない許嫁だ。」
「なんだか、棘と毒を感じるような言い回しだけど。」
「気にするな。じゃあ、やるぜ。キッシンジャー、フェイスドッキング!」
「そのキャッチコピー、最低だわ。」
「こいつらまだケンカしてるけど、どちらかが饅頭人だ。まず小さい方からやるぞ。」
キスには無抵抗、大抵は暴れるが、大悟が近寄ると、ふたりとも大悟の方を見ている。外見上は女子高生。それもけっこうかわいい。
「ちょっと大悟。あんた、今、かわいいとか思って、欲情スイッチ入れたでしょ?」
「そんなことはないぞ。欲情スイッチは手動ではなく自動だ。現代はクルマ運転も自動の時代。欲情スイッチもオートタイマーだ。」
「つまりスイッチオンを認めたわけね。」
「ネーチャーコールミーはオレのせいじゃない。そんなことより、なんだか変なイメージが浮かんだんだよな。」
キスした瞬間に瓢箪のようなものがアタマに浮かんだ。
次に背の少し高い方の女子をロックオンした大悟。こちらもなぜかほとんどノーレジスタンスで大悟のキッシンジャーを受け入れた。
あまりの容易さに拍子抜けした大悟は、欲情というモチベーションを喪失した。大悟をガン見していた楡浬は、フーッと安堵するように息を吐いた。
キスされた女子は通常饅頭人に戻ってしまうが、このふたりの女子のからだは変化しなかった。
「これはいったいどういうことだ。喰疑者は饅頭人じゃなかったのか?あるいはここに饅頭人がいるというのは誤報だったのか?」
貧乳携帯着信音が大きく聞こえた。
『ママだよ~!大ちゃん、ママは間違ったりしないよ。大ちゃん産んだのは巨大な間違いだったけど。』
「オレは間違いで生まれた不倫な子だったのか?」
『冗談だよ、半分。ますます不安が積乱雲化したんだけど。まあまあ間違いの話は老いといて。』
「老いるのかよ!」
「失礼だよ!まだママは純潔なんだから。」
「自分で言ってるんじゃないか。間違いと純潔は正反対の概念だろ?」
『あらあら、大ちゃんもオトナになっちやったね。とにかく、そのふたりの饅頭人的女子は人間だから大丈夫だよ。自己紹介でも聞いたらいいよ。じゃあね、そこの女の子たち、売買。』
「そんなバイバイってあるか!」
改めて大悟は小さい方の女子を見た。
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