魔境放眼は地獄へ行く

木mori

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第二章

第二十八話・進撃の拒人ソウルチャージ!

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「ちょ、ちょっと聞いてないぞです。それって明らかに凶木の字。」


 衣好花は自分が手にしている剣を振り回しながらの抗議なので説得力はない。


 騙流はバットを両手で持ち上げようとして、バランスを崩した。


 非力な騙流には荷が重い様子。


「あははは。結局、持てないなら宝の持ち腐れだです。やはりモテナイ女だっただです。無遊の字。」


《モテナイだと!まる、たしかに男子にモテたことない。だからダルマの目を黒く塗りつぶせない。まるも乙女。男子の後ろ姿に春を見る。でもそんな言い方はない。他人に直接言われるの、許すまじ。オブラートに包んで捨てるくらいの配慮ほしい。だんまり。》


「捨てたら意味が伝わらないぞです。空終の字。」


《まる、持てるサイズに変更した。モテるレベル、超イケメンから中イケメンに変えた。だんまり。》


 騙流はダルマ集合体をいったん解体して、細いバットに変えて、それを両手で抱えて振り回した。スイングスピードは初めてバットを持った小学生男子のように極めて緩く、騙流の足元はこんにゃくの上を歩くようだった。


「コワい。こんなすごいパワーの攻撃は初めてだです。強愕の字。」


 騙流の盆踊りモドキを攻撃と感じてしまう衣好花。防御力もショボくて残念スキル発動。


 怯んだ衣好花を見て、生徒に補習を強いるのが生きがいの中年教師のように、一気呵成でバットに『振られる』騙流。


《まる重戦車、進撃の拒人ソウルチャージ!だんまり。》


 騙流は気持ちが高揚し声帯を鳴らした。結果、ダルマは非結合体となるのが必然。バットは消滅した。
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